神の加護を受けて異世界に

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アイアン国王と酒そしてお前もか。

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僕らは宿を決め宿の夕食を食べていると宿の従業員が近づき

「アイアン様からの伝言です、使徒様に明日屋敷に来てほしい迎えをやるので、

 その時話そうと言う伝言でございます。」

と言うので僕は、

「アイアン様とはどなたでしょうか?初めて聞く名前なのですが」

と言うと驚いたように目を見開いた後

「失礼しました、この国は鉄の国アイアン王国で国王はアイアン様です」

と答え厨房に戻っていった、僕はエストレーナに向かい

「今日国王とあったかな?」

と尋ねると

「わからないが一人だけ使徒様と呼んだ人物なら覚えがあります、お酒を買い上げた男性です」

と言う言葉に僕は思い当たった、確かにあの人物は僕のことを使徒様と呼んだ。

「それなら明日理由がわかる、今日はゆっくりしようか」

と言って部屋に戻ったのだった。



ーー アイアン王国国王アイアン  side 


ワシはこの地下都市アイアン王国の国王アイアン。

今日はとても楽しい日であった。

毎月1が付く日には東国(アズマコク)から酒が届く日だ。

あそこの酒は酒精が低いが旨味のある酒で飲むのが楽しい酒だ、

そう今日はその日だそこで酒場で酒を待っていると話に聞いた人物を見つけた。

その人物はシルバーの髪に金と銀のオッドアイを持ちまだ若い男性だ。

人族は彼を「使徒様」と呼んでいるようだが俺に言わせるとお笑いだ、

彼は「神」そのものだ、その彼が酒を取り出した神の酒を飲まずにいられるわけがない、

俺は有金で酒を買い占め皆に振る舞った、その甲斐がったあの酒は本当に神の酒と言えるものだった。

明日もう一度会いあの酒をもっと出してもらうよう交渉してみようと思い伝言を出したのだが

来てくれるのかわからない。

ここに来た理由さえまだ知らないのだから出来れば、

今この国が抱える問題を解決していただければ良いのだが・・・。



ーー 国王と会う


次の日約束通り王国の迎えが来て僕とエストレーナを馬車に乗せ国王の屋敷に招待された。

屋敷はいかにも剛健な建物で国王の気質が窺えるものだった。

ただ僕は昨日から気になることがあった、ここは鉄の国アイアン何に鍛治の音が聞こえないのだ。

馬車で街中を進みながらも街の様子を見るが工房らしい所はあるがどこも人がいない。

今の季節みんな休んでいるのかとも思ったが違和感がある。

馬車が止まり降りると数人の家臣が出迎えていた

「ようこそ使徒様、国王がお待ちです案内します」

と案内について行くと大きな部屋に案内されたそこは工房のような場所で、

大きな炉がありいつでも鍛治が出来そうな感じがしたが炉に火は長く入っていない感じがした。

そんな感じを受けている時に国王が部屋に入ってきた

「待たせて申し訳ない、ここはワシの仕事場だ気に入ってくれたかな」

と言う国王に僕は

「はいとても気に入りました、僕も鍛治が好きなので、でもここは長く火を入れていないようですね」

と言うと国王は

「流石にわかるか、その理由を聞いてもらえるかね」

と言うので「どうぞ」と先を勧めると国王は話し出した、

「この国が出来て今年で1500年、その歴史は火と槌と酒の歴史でもあった」

と国王は話し出した、

「ドワーフは火を司る火竜を祀り鉱石を司る土竜を祀ることで鍛治の神である竜神を崇めている、

 その竜神がこの頃衰弱し火竜も土竜も弱っている」

と言うのだ、そこで僕に竜神に会いできれば病を治してほしいと頼み出したのだ。



ーー 竜神様と会う・・・お前もか。


国王の案内で地下都市の最深部に降りると大きく丈夫な扉の向こうに広い空間があった。

その中心に何か大きなものが丸まっていた、そばに近づくとそれが竜だと分かった、

「貴方が竜神様ですか」

僕はそう声をかけながら竜の顔を覗き込んだすると竜は僕の顔をじっとみた後

「貴方は・・そうですかもうそんな時ですか、」

一人納得したように呟くと僕にこう言った

「この世界を去る前に美味い酒が飲みたい」

と、そこで僕は先日出した酒の樽を20樽ほど出して

「これ以上の酒は持っていない、これで良いならどうぞ」

と言うと鼻をひくひくしていた竜が突然起き上がり樽ごと酒を口に放り込みガリガリと酒を食べ始めると

「こりゃ美味い!」

と言いながら次々に飲み干した。

僕は思わず『お前もか』と思ったのはしょうがないよね。

そのあと酒樽を3回ほどお代わりして良い気持ちになると急に元気になり、

また飲ませてくれと言い出すほどだった。


その後国王からの報告で竜神が元通り元気になったので地下都市も以前の姿に戻れると、

嬉しそうに話してくれて、お土産だと言って剣や鎧を沢山くれた。

お返しとばかり僕はあの酒を100樽ほど置いてきました。

帰りの馬車で従者達が

「最近変な国ばかりですね」

と呟いたのがとても心に残りました。
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