神の加護を受けて異世界に

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グリンランド王国のダンジョン攻略

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ーー サハラ王国を後にした僕たちは次の国へ


サハラ王国の北側に高い山を隔てた先に森に囲まれた国がある。

山を一つ越えただけで天候や国の様子がまったく違うのが面白い、ここは魔素が濃ゆく魔物の溢れる森が国を覆い尽くそうとしている。

元々森が多い場所であったがそれを切り開いて人の街を広げてきた歴史がある国で、対魔物の手段もそれなりに考えてある。

しかしここ10年ほど魔物が予想以上に溢れるため森の進行を止めることができない状況になっている。

原因は最近判明したが森の中に大きなダンジョンが3つ出来ておりその魔物が溢れているようだ、対策としてはダンジョン攻略以外にない。


「先ずは森の外周に位置する村や街を見て回りましょう」

と僕は従者らに声をかけ馬車を進めると最初に見えてきた村に降り立った、そこは廃墟のような状況で人の姿は見つからなかった。

「かなり頻繁に魔物が溢れているようだ」

僕がそういうと皆同じように感いたのか頷いていた。

さらに馬車を進めていると炊飯と思われる煙が上がっている村を見つけたその煙はただ一つだけ。

壊れかけた村の柵を越え村に入ると魔物が暴れたような跡がそこらじゅうに見られた。

そんな村の中で一軒半壊した小屋のような家の脇から煙が上がっていたので声をかけた

「すまない、誰かいないか?」

すると小屋の影から子供と言える少女が二人顔を出した、怯えた顔で僕らを見つめる目を見て僕は何かをしたいと強く感じた。

「怖がらなくていいよ、僕らは教会のものだ君たち以外の村人は何処にいるの?」

と言うと少女らは目に涙を溜めながら

「分からないの、地下室に隠れていたけどいつまで経っても誰も呼びに来ないから二人で待っていたの」

と言うではないか、ここを魔物が襲ったのはどのくらい前のことだろう、それから今日まで幼い二人がさぞ心細かったことだろう。

「ここから1番近い街か村はどっちかわかる?」

と尋ねると

「あっち」とさらに北を指したので二人を馬車に乗せて北に向かった。

二人はサラとミレと言う姉妹で8歳と6歳だった。

この国の名はグリンランド王国、緑が多いためにつけられたような国名だ王都は森から遠く離れた北側にあり気候的にも低温であるらしい。


少女達がいた村は開拓村の一つのようで、その前に見掛けた廃村も同じ開拓村だった様だ。

どのくらい二人で待っていたか聞くと

「15日くらい」

と答えた、食料は地下室に蓄えが有りそれを食べていたようだ。


馬車に乗り王都を目指して進んでいると魔物に出会し始めた。

そこまで強い魔物ではなく疲れ切った感じのものばかり、多分スタンピードの生き残りで森に帰ろうとしているのだろう、スタンピードでは死ぬまで走り続けるような魔物の行動が見られると言う。

二人の少女らは僕の馬車の不思議さに目を丸くしながらも、お風呂に入りおいしいご飯を食べ綺麗な洋服を着ると

「私たちお姫様みたい」

と言いながら笑った、初めて二人の笑顔を見た気がした。


10日後馬車はグリンランド王国第二の都市べサーチの街に着きましたが、ここも魔物が襲った後が所々ありますが既にかなりのところが修繕されていました。

街に入り姉妹の開拓村の生き残りか情報を求めると

「申し訳ありませんが今我が国は何処も魔物の被害があり、
 行方不明の市民はそれこそ数えきれないほどおり被害の大きな開拓村の情報はほぼありません」

と言う答えだったので二人の名前と両親の名前を伝え王都に向かうと伝言した。


さらに10日後に僕らは王都にたどり着いた。

流石にここまでは魔物も到達していなかったようで、魔物の気配はなかったが王都市民に明るい顔は見えなかった。

宿を取り街の関係者に開拓村の生き残りを保護しているが情報はないかと、問い合わせたが分からないと言う答えしか戻ってこなかった。

僕は二人にお父さんやお母さんが見つかるまで一緒にいればいいと言いながら慰めるのであった。

今回王都までの道のりで僕はあまり治療や支援をしていないがそれは

・早急に魔物の被害を確認したかった

・魔物の種類を確認し対策を考えたかった

からで、ある程度の対策を考えて王城に使者を立て国王に謁見を願い出た。



ーー グリンランド王国国王との会合


使者を立て5日後に返事が来た。

「3日後に会う」

と、そこで僕はそれまで王都の教会に足を運び病人の治療に当たっていた。

「使徒様毎日沢山の信者の治療有難うございます、孤児院にも多大な寄附をいただきお礼しかありません」

司祭が感謝する中、僕は少しばかり教会の闇を見た感じがしていた。

それは森に近い街や村には神父や司祭が行きたがらずお金で王都に近い教会就任を買っている状態があるようだ、危険な場所こそ教会の必要性があると言うのに。


国王との謁見の日、王城から迎えの馬車が来てそれに乗り向かうと1時間ほど待たされた後謁見の間で拝謁する運びとなりました。

「その方が教会の言う「使徒様」か、この国の為に何かしてくれると言うなら協力を惜しまぬが何ができるのだ」

と教会に対する敬意も何もない話しぶりから国王もここの教会の対応に腹を立てているのだろうと感じた僕は次の事を国王に

・森の中に存在する3つのダンジョンの攻略

・開拓村を規模を大きくし魔物から開拓者を守れるほどの防御力を施すこと

・魔物のスタンピードで怪我をしたものを無償で治療すること

と提案した、すると国王は

「使徒様と祭り上げられてはいるが所詮は子供よ、ダンジョンを攻略、
 開拓村の規模を大きくし防御力を上げるどれも夢の話ではないか」

と激しく罵るのに僕は手を向けてその怒りをおさえさせると

「この国の強き者10人と戦ってみましょう、
 私にかすり傷すら負わせる者がおりましたら改めて謝罪しましょう、
 自信がなければ20人でも30人でも宜しいですが。」

と言うと国王は顔を真っ赤にしながら

「近衛隊長!直ぐにこの者と立ち会え。」

と命令した。



王城の中庭に訓練場がありそこを場所に僕が一人立ちその前に怒りに震える近衛騎士30人

騎士隊長が間に立ち

「初め!」

と号令をかけると近衛兵らが我先にと向かってきたそれに対して僕は威圧を当てる、崩れるように倒れる近衛兵らそれを見ていた国王が

「何をしている立たんか!」

と檄を飛ばすも皆意識を失っている為反応しない僕は

「誰でもいいですかかって来なさい」

と騎士隊長に向け声をかけると、騎士達が剣を抜き押しかけてこようとしたのに合わせて再度威圧を放つと周囲の者皆意識を失い立っているのは僕と聖騎士エストレーナだけだった。

「しまった、国王まで失神させた」

今回は反省だなと思いつつ国王の治療を行い意識を回復させると国王は周囲の状況を見渡し

「私の浅慮を謝罪いたします。何卒我が王国を救ってくだされ」

と頭を下げた。

「分かりました、ただこの国の教会関係者も信心が足りないようなので魔物退治に連れて行こうと思います如何でしょうか?」

と言うと国王は大きく笑い

「是非お願いします」

と賛同してくれた。
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