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亡国の姫ハートと魔王誕生
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ーー 亡国の姫ハート
西のエルフの王国から北東に進むと、シモーネ王国があるがその北側に今はないトラウデン王国があったと言う。
亡国トラウデンは、穀倉地帯で裕福で幸せな国であったが、その富を自分のものに独占しようと考えた、王国の一部の高位貴族らがクーデターを起こしたのだ。
それはシモーネ王国の策略でもあり、国王一族が一人の女王以外殺された後、シモーネ王国に攻められて滅亡した事でもハッキリしている。
生き残りの女王は、その後も裏切られ続けとうとう身も心も芋虫の様になっていった。
それを助け引き上げたのが俺だが、今その敵であるシモーネ王国に向かっているのだ。
すでに死んでいると思われていたハートのことを気にかける者はなく、俺たちは問題なくシモーネ王国の王都に達していた。
俺は、サイライト王国のレイン伯爵として訪れていたので。
魔道馬車で王城に乗り付け、宰相に面会を求めていた。
「その方が、レイン伯爵であるか。何故我が国に?」
宰相が俺に要件を聞きたそうにしている。
俺は,日本から持ち込んだ、
・ウィスキー
・ワイン
・クリスタルグラス
を取り出し、
「これは挨拶までの物お納めください。」
と言いながら
「実は交易もしておりまして、シモーネ王国での交易に御尽力してもらえれば珍しい商品をこの様に差し上げる事が可能かと思いまして・・・。」
と言うと,宰相は嫌らしい顔で笑うと
「ワシの許可があれば交易は自由であろうが、これではいまいち少なくはないかえ。」
と言うので
「滅相もございません。これらの品は、サイライト王国では一本で大金貨と言われる品物でございます。」
と言うと、驚いた様に笑う宰相が
「何とそこまでのものか、出入り商人に確認して答えよう明日、今一度来るが良い。」
と言いながら品物を仕舞い立ち去った。
俺はその後、城内でお土産と言うと名の品を渡しながら情報をかき集めた。
そのお陰で、5年前のトラウデン王国侵攻の主役がわかった。
主役は,
・宰相 ~ ミギタニ侯爵
・財務大臣 ~ ヘダル伯爵
・軍務大臣 ~ ニゲル伯爵
の3人で、宰相が一番の悪の様だった。
特に宰相子飼いの暗部がかなり汚くひどいことをする事で有名な様だった。
次の日、再度登城すると宰相がニコニコしながら待ち受けていた。
「伯爵の言う通り中々の逸品であった。」
と言う宰相に俺は、
「うまく話がまとまれば、さらにお届けいたします。」
と言うと「分かった」と言いながら一枚の紙切れを手渡された。
確認すると、お抱え商人の名が書かれており、これらと取引せよと言う話の様だ。
何処まで強欲なことか。
城を後にした後俺は、亡国の者がシモーネ王国の貴族になっていないか調べると、居た。
「ハートよ、この名前に心当たりはあるか?」
と言いながら紙に書いた、「ギリス伯爵」と言う名を見せると。
「この者が裏切り者の・・ギリス元宰相です。」
と怒りに燃える目で答えた。
現在、亡国トラウデン王国跡の領地の1/5を所有しているのが,このギリス伯爵。
新興の伯爵でトラウデン王国侵攻の貢献で伯爵として迎えられたと言う。
今でもかなりの税金を納めている様で、よく愚痴を漏らすと噂されている。
多分予想以上に待遇が良くないのだろう。
俺は、復讐の準備を行う。
・ギリス伯爵領まで足を伸ばし、転移場所を決める。
・贈り物をして、ギリス伯爵の顔と所在を確認する。
・王都で派手に散財し、アリバイを作る。
・宰相の屋敷の近くに転移場所を決める。
・同じように軍務大臣と財務大臣の所在を確認し、転移場所を決める。
全ての準備が終わると、俺は王都で豪遊した日の夜に転移しながら、復讐を実行する。
「お前は,セシ・・王女・・なぜ・ここ・・・。」
ギリス伯爵の最後の声を聞きながら、ハートは短剣を捻りとどめを刺す。
同じようにアリバイを作りながら、関係者を全て殺した夜に。
「ハルト様、ありがとうございました。これで過去に蹴りがつきました。今後は貴方の元で生きていきます。」
と晴れやかな顔で伝えるハートの頬に一雫の涙が光った。
その後、王国の上層部を突然失ったシモーネ王国は、急速に衰退していった。
言うまでもないが、暗部の者達は一人残らず俺の手で始末している。
俺は,生まれ変わった3人を連れて我が家である、レイン伯爵領にハンドルを切ったのだった。
ーー 新たなる問題
自領に帰った俺の元にある問題が持ち上がった。
「魔王」と言う存在が遠くの地で生まれ、勢力を拡大しながら人族の生活圏を犯し始めていると言う、教会からの情報だった。
教会という存在は、魔王誕生の際にそれと対をなす「勇者」を認定し、魔王討伐をする事が大きな役目だと聞いていた。
その教会が、各国の主だった実力者に、「勇者判定の儀式」を受けろと言ってきたのだ。
多分適当に勇者認定し、教会の力を誇示しようと考えているのだろう。
俺は教会の申し出を無視していた。
すると国王からの呼び出しを受けた、呼び出しに応じると。
「呼び出してすまぬ。実は勇者判定の儀を受けさせろと、教会がうるさく無視もできんのだ。」
と国王は頭を下げた。
そこで俺は,
「今回は国王の顔を立てましょう。でも俺は自分にステータスを見ることができるため、勇者でないことはハッキリしています。もしも協会がごり押しすることがあれば、この国は守りますがそれ以上は力を貸すことはないと思ってください。」
と答えて、中央教会に足を向けた。
ーー 勇者認定とは
教会に向かうと待っていたとばかりに、司祭が迎えでて早々に儀式をすると言い出した。
そこで俺は、
「司祭殿一ついいですか。勇者認定とはどういうことですかな?」
と尋ねれば、司祭は得意げに
「古より教会は、魔王に苦しめられる民を救ってきた歴史があります。その権能で勇者を見つけることができる神の身技を持っています。今回の魔王に対する勇者を見つけ認定し、それに相応しい武器を与えて討伐に向かわせることが、我ら教会の務めなのです。」
と力説していた。
それではこちらにおいで下さい。
と誘われるままに、祈りの間と言われる場所に座らされた俺は、神に祈る格好をさせられた。
すると俺は、いつの間にか別の空間にすわっていた。
「ここはどこだ?」
と思わず口にすると、それに反応するように
「ここは神域です。あなたをここに連れてきたのは、私です。」
と目の前に神々しい姿の女性が現れた。
俺は、
「神域・・・貴方は神と言う存在ですか?」
と尋ねると、
「その表現が1番あっていますね。そこで貴方に頼があります。」
と答えながら神と言う存在は語り出した。
「この世界は,魔素と言うエネルギーの元が存在するため、魔物が湧き出て数100年に一人、魔王と言う存在が現れます。
人はそれを打ち滅ぼすために、神に祈り、神はその祈りに応えることで勇者に力を与えるのです。
今回の勇者は、3人。
そのうちの一人が、貴方です。
しかし既に、貴方は人の限界を超えた存在となっており、勇者を超えた存在です。
今の状態で貴方は、神に最も近い存在と言えますが・・・。
そこで相談です、あまりに強い力は人を不安にさせ猜疑心を煽ります。
なので、勇者と言う証は与えませんが、貴方の手で守れる範囲の力添えをして欲しいとこうして呼び寄せたのです。」
と言う説明だった。
教会のいつの間にか戻った俺は、司祭に対し
「残念ながら俺は、勇者ではないようですね。」
と答えると教会を離れた。
西のエルフの王国から北東に進むと、シモーネ王国があるがその北側に今はないトラウデン王国があったと言う。
亡国トラウデンは、穀倉地帯で裕福で幸せな国であったが、その富を自分のものに独占しようと考えた、王国の一部の高位貴族らがクーデターを起こしたのだ。
それはシモーネ王国の策略でもあり、国王一族が一人の女王以外殺された後、シモーネ王国に攻められて滅亡した事でもハッキリしている。
生き残りの女王は、その後も裏切られ続けとうとう身も心も芋虫の様になっていった。
それを助け引き上げたのが俺だが、今その敵であるシモーネ王国に向かっているのだ。
すでに死んでいると思われていたハートのことを気にかける者はなく、俺たちは問題なくシモーネ王国の王都に達していた。
俺は、サイライト王国のレイン伯爵として訪れていたので。
魔道馬車で王城に乗り付け、宰相に面会を求めていた。
「その方が、レイン伯爵であるか。何故我が国に?」
宰相が俺に要件を聞きたそうにしている。
俺は,日本から持ち込んだ、
・ウィスキー
・ワイン
・クリスタルグラス
を取り出し、
「これは挨拶までの物お納めください。」
と言いながら
「実は交易もしておりまして、シモーネ王国での交易に御尽力してもらえれば珍しい商品をこの様に差し上げる事が可能かと思いまして・・・。」
と言うと,宰相は嫌らしい顔で笑うと
「ワシの許可があれば交易は自由であろうが、これではいまいち少なくはないかえ。」
と言うので
「滅相もございません。これらの品は、サイライト王国では一本で大金貨と言われる品物でございます。」
と言うと、驚いた様に笑う宰相が
「何とそこまでのものか、出入り商人に確認して答えよう明日、今一度来るが良い。」
と言いながら品物を仕舞い立ち去った。
俺はその後、城内でお土産と言うと名の品を渡しながら情報をかき集めた。
そのお陰で、5年前のトラウデン王国侵攻の主役がわかった。
主役は,
・宰相 ~ ミギタニ侯爵
・財務大臣 ~ ヘダル伯爵
・軍務大臣 ~ ニゲル伯爵
の3人で、宰相が一番の悪の様だった。
特に宰相子飼いの暗部がかなり汚くひどいことをする事で有名な様だった。
次の日、再度登城すると宰相がニコニコしながら待ち受けていた。
「伯爵の言う通り中々の逸品であった。」
と言う宰相に俺は、
「うまく話がまとまれば、さらにお届けいたします。」
と言うと「分かった」と言いながら一枚の紙切れを手渡された。
確認すると、お抱え商人の名が書かれており、これらと取引せよと言う話の様だ。
何処まで強欲なことか。
城を後にした後俺は、亡国の者がシモーネ王国の貴族になっていないか調べると、居た。
「ハートよ、この名前に心当たりはあるか?」
と言いながら紙に書いた、「ギリス伯爵」と言う名を見せると。
「この者が裏切り者の・・ギリス元宰相です。」
と怒りに燃える目で答えた。
現在、亡国トラウデン王国跡の領地の1/5を所有しているのが,このギリス伯爵。
新興の伯爵でトラウデン王国侵攻の貢献で伯爵として迎えられたと言う。
今でもかなりの税金を納めている様で、よく愚痴を漏らすと噂されている。
多分予想以上に待遇が良くないのだろう。
俺は、復讐の準備を行う。
・ギリス伯爵領まで足を伸ばし、転移場所を決める。
・贈り物をして、ギリス伯爵の顔と所在を確認する。
・王都で派手に散財し、アリバイを作る。
・宰相の屋敷の近くに転移場所を決める。
・同じように軍務大臣と財務大臣の所在を確認し、転移場所を決める。
全ての準備が終わると、俺は王都で豪遊した日の夜に転移しながら、復讐を実行する。
「お前は,セシ・・王女・・なぜ・ここ・・・。」
ギリス伯爵の最後の声を聞きながら、ハートは短剣を捻りとどめを刺す。
同じようにアリバイを作りながら、関係者を全て殺した夜に。
「ハルト様、ありがとうございました。これで過去に蹴りがつきました。今後は貴方の元で生きていきます。」
と晴れやかな顔で伝えるハートの頬に一雫の涙が光った。
その後、王国の上層部を突然失ったシモーネ王国は、急速に衰退していった。
言うまでもないが、暗部の者達は一人残らず俺の手で始末している。
俺は,生まれ変わった3人を連れて我が家である、レイン伯爵領にハンドルを切ったのだった。
ーー 新たなる問題
自領に帰った俺の元にある問題が持ち上がった。
「魔王」と言う存在が遠くの地で生まれ、勢力を拡大しながら人族の生活圏を犯し始めていると言う、教会からの情報だった。
教会という存在は、魔王誕生の際にそれと対をなす「勇者」を認定し、魔王討伐をする事が大きな役目だと聞いていた。
その教会が、各国の主だった実力者に、「勇者判定の儀式」を受けろと言ってきたのだ。
多分適当に勇者認定し、教会の力を誇示しようと考えているのだろう。
俺は教会の申し出を無視していた。
すると国王からの呼び出しを受けた、呼び出しに応じると。
「呼び出してすまぬ。実は勇者判定の儀を受けさせろと、教会がうるさく無視もできんのだ。」
と国王は頭を下げた。
そこで俺は,
「今回は国王の顔を立てましょう。でも俺は自分にステータスを見ることができるため、勇者でないことはハッキリしています。もしも協会がごり押しすることがあれば、この国は守りますがそれ以上は力を貸すことはないと思ってください。」
と答えて、中央教会に足を向けた。
ーー 勇者認定とは
教会に向かうと待っていたとばかりに、司祭が迎えでて早々に儀式をすると言い出した。
そこで俺は、
「司祭殿一ついいですか。勇者認定とはどういうことですかな?」
と尋ねれば、司祭は得意げに
「古より教会は、魔王に苦しめられる民を救ってきた歴史があります。その権能で勇者を見つけることができる神の身技を持っています。今回の魔王に対する勇者を見つけ認定し、それに相応しい武器を与えて討伐に向かわせることが、我ら教会の務めなのです。」
と力説していた。
それではこちらにおいで下さい。
と誘われるままに、祈りの間と言われる場所に座らされた俺は、神に祈る格好をさせられた。
すると俺は、いつの間にか別の空間にすわっていた。
「ここはどこだ?」
と思わず口にすると、それに反応するように
「ここは神域です。あなたをここに連れてきたのは、私です。」
と目の前に神々しい姿の女性が現れた。
俺は、
「神域・・・貴方は神と言う存在ですか?」
と尋ねると、
「その表現が1番あっていますね。そこで貴方に頼があります。」
と答えながら神と言う存在は語り出した。
「この世界は,魔素と言うエネルギーの元が存在するため、魔物が湧き出て数100年に一人、魔王と言う存在が現れます。
人はそれを打ち滅ぼすために、神に祈り、神はその祈りに応えることで勇者に力を与えるのです。
今回の勇者は、3人。
そのうちの一人が、貴方です。
しかし既に、貴方は人の限界を超えた存在となっており、勇者を超えた存在です。
今の状態で貴方は、神に最も近い存在と言えますが・・・。
そこで相談です、あまりに強い力は人を不安にさせ猜疑心を煽ります。
なので、勇者と言う証は与えませんが、貴方の手で守れる範囲の力添えをして欲しいとこうして呼び寄せたのです。」
と言う説明だった。
教会のいつの間にか戻った俺は、司祭に対し
「残念ながら俺は、勇者ではないようですね。」
と答えると教会を離れた。
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