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ダイアナの過去の回収と限界突破の効果

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ーー 限界突破とダイアナの過去の回収


「不老の薬」を飲んだ妻達の体の異変が起きているのは、

直ぐにわかったうた。

それまでの肉体的、精神的なダメージの反動かは分からないが、

大きく身体能力及び魔力量が増大して限界突破を果たしていた。

アイスの場合は、レベルが150から250にと超回復が。

ダイアナの場合は、精霊魔法が風から全属性に。

ハートの場合は、回復魔法5が8へそれと魔力量が4万と全属性に。

それぞれ進化しており、この三人だけでも国一つ落とせる戦力になっていた。


ーー ダイアナ  side


私は西の国のエルフの元女王。

親友として信じていたカレンに騙され、

奴隷と売り飛ばされた私はその時に名前も捨てた。

どうしても許せないのは、カレンだ。

彼女は、は幼い頃から私の親友として共に身近にいた存在。

その彼女が裏切った理由は、本人が売り飛ばされる私に向かいこう言った。

「自分より能力の劣ったお前が私より全てにおいて、

優遇されているのが許せなかった、

特に私の想い人までお前が手に入れようとしていたことは、

絶対にゆるされないことだったんだ。」

と言ったのを忘れた事はない。


「今彼女が幸せそうにしていたら、

どんな感情が噴き出るのかも想像できない。」

とご主人様に話したら、

「今のお前より幸せな者がいたら会いたいものだ。」

と言って私を抱きしめてくれた。

その事だけで私は、心の中の黒々とした思いが溶かされる感覚を覚えている。

後は、カレンに会うだけその時にはっきりするだろう。




ーー 西の国のエルフ


エルフの国はこの世界に4つあると言われている、

それぞれ東西南北に分かれて世界樹と呼ばれる精霊樹を、

守りながら生きていると言われる。

エルフは長命種族の中でも飛び抜けて長命で、

中には2000年生きるハイエルフと呼ばれる者もいるようだ。

そうなると不老になったダイアナは、ハイエルフをも超える存在と言える。

この事実をエルフの民が認められるかが、今回の問題かもしれないと、俺は考えていた。


ダイアナの案内で、深い森を散歩するように進む、これも精霊魔法のようだ。

暫くすると、周囲に気配が取り巻くのがわかった。

「ご主人様、何もせずお待ちください」

と、ダイアナが言うので、無視しながら歩き続けると。

「そこの者止まれ!これより先は西のエルフ国。何用で来た。」

と一人のエルフの男が姿を現し、問い詰めながらダイアナを見て驚く。

「まさか!シルフィー王女。生きておられたのですか?」

と驚きと不審を露わにして尋ねてきた。

ダイアナはそれには答えず、

「その名は捨てました、私はダイアナ。王に会いに来たと伝えてください」

と言うとそのまま歩き始めた。

周囲の気配が半分ほど消え残りが様子を伺うように付いてくる。

1時間も歩いただろうか、突然森が開そこに見上げるほどの大樹が姿を見せていた。

「おお、これが聖霊樹「世界樹」か。」

俺の言葉に、ダイアナが頷くと同時に数人のエルフが目の前に現れる。

「王が御会いになるそうだ、こちらに参られ。」

と俺ら四人を案内してくれるエルフ達。


屋敷のような建物に入ると、ダイアナ以外はその場で待たされた。




ーー  ダイアナと王


「本当にシルフィーなのか?今までどこに?」

と王がダイアナに聞く、ダイアナはそれに対し、

「シルフィーは、死にました。

私は生まれ変わったダイアナと言う者。

王においては、ご健勝のご様子安心しました。

一つ質問をしてもよろしいでしょうか?」

と言うと、王は

「なんだ、申してみよ。」

と王が言うのに、ダイアナが

「カレンの今の居所を知りとうございます。」

と言うダイアナの言葉に何かを感じ取った王が、

「連れてこよう、しばし待て。」

と言い置くと、臣下に何事か言いつけていた。


エルフの王は、代々男系であり次の国王候補の一人が、

ダイアナの許嫁となるはずの男であったが、

それをカレンが奪った形になってになっている。


暫くすると、男女二人のエルフが姿を現し、

ダイアナの前に来ると驚いていた。


「久しぶりねカレン、それとカーフ、元気だった。」

と明るい声で喋り掛けるダイアナにカレンと呼ばれたエルフが。

「何故、貴方は死んだはずなのに。」

と言うカレンに

「確かに私は、一度死んだわ。貴方のお陰でね。

でもね、私に精霊が言ったの。

お前の待ち人が現れるまで生きろと。」

そう言ったダイアナは、とても美しく自信に満ち溢れていた。

「そんな、貴方のような劣等種が・・・許せない。また私から奪うつもりね!」

とカレンが叫ぶと精霊魔法でダイアナを攻撃し始めた。

しかし、どれだけ聖霊に呼びかけても聖霊はカレンに力を貸さず、

魔法は顕現しなかった。

「何故なの?私の方が優れているのに。」

と悔しさにダイアナを睨みつけるカレンにダイアナは、

「聖霊はね正直なの。

 私がハイエルフを超える存在になったことを認めたのよ。」

と言うと、近くで見ていた王に。

「王よ、私がここを訪れる事は暫くないでしょう、

今私は良き伴侶を得て幸せの中で暮らしております。

王においても健やかであることを祈っております。」

と言うとその場を後にして、エルフの国を後にした。

森を歩きながら俺がダイアナに、

「過去の回収は済んだか?」

と問うと、

「はい。すっかりと回収できました、有難うございました。」

と笑顔で答えてくれた。
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