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第2章 僕から高島さんへ2回目の告白
第20話 2回目の告白<2220.01.30>
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全員が着席したところで、打ち上げの食事がはじまった。全員が車で来ているため、アルコールはでずソフトドリンクのみになっている。
食事に先立って植木代表から何か挨拶があったとは思うのだけど、覚えていない。
食事をしながらあちこちでグループができて談笑している。僕と高島さんの座席は離れているので、会話するグループにはなれない。
でも、今はそのほうがいい。まだ高島さんの気持ちをはかりかねていたからだ。
今日はずっとお互いによそよそしい接し方がだったから、あまりいい雰囲気ではなかったので、高島さんに何か思うところがあるのだろうと感じていた。
食事が終わっても、そのまま談笑は続く。あちこちで笑いがおきており、食事が終わったことで、かえって賑やかさは増してきていた。
そうした時間がどれほど経っただろうか。
なにやらさきほどから高島さんの視線を感じるようになった。
(気のせいかな?)
そう思ってもなお高島さんの視線を感じ続けていた。
(おかしいな……なんだろうか……勘違い、ダ・ヨ・ナ)
そうした時間は思わぬ方法で打ち破られることになった。
高島さんが席を立った。
(トイレかな?……)
食事をしている部屋を出ると廊下になっており、すぐ左手に広い玄関がある。
長い廊下を行きついたところに外にでるドアがあり、1度外に出た先の別棟内にトイレがある。
20人のほどの大人があちこちで談笑している最中とはいえ、玄関のドアを開けたのか、トイレに行くドアを開けたのかくらいはなんとか聞き分けられるくらいの音はする。特に玄関ドアは明確に聞き分けられる。
席を立った高島さんから、やはり視線を感じる。
(どういう意味だろう?)
立ち上がった高島さんの右斜め後方に僕は座っている。
高島さんの体は真っ直ぐ前を向いているものの、顔がわずかに右を向いており、僕に視線を送っているように感じられる。
(?……………………おかしいな……気のせいかなぁ……)
しかし高島さんが歩みをすすめるにつれ、わずかに右に向けていた角度が更に右に向いてきている。視線は感じ続けられている。
(気のせいじゃない……どう考えても僕を意識した視線にしか思えない……どうしようか…………)
部屋から廊下に出るドアに手を掛けた瞬間、目線を下に落とし、一瞬間、僕の方を向いた。
(明らかに僕を誘っている…………ダ・ヨ・ナ…………それにしても、いったい僕を誘い出してどうするのだろうか…………ワ・カ・ラ・ナ・イ…………どう考えても分からない。考えても結論のでないことを、いつまでもくだくだ考えても仕方がない。今は四の五の考えないで、ここは素直に高島さんの誘いに乗ってしまおう)
廊下に出てドアが閉まった。廊下を歩く足音はわからない。どちらに行くのだろうか。トイレなら勘違いということになる。
しばし音が途絶えた。
玄関のドアを開ける音がした。
(やっぱり誘われている。ヨシ、後に続こう。でもあまりにすぐに立ち上がると不審に思われる。少しだけ時間をあけて、後を追いかけてみよう。でもあまり悠長にはしていられないな)
玄関のドアを出た高島さんがどこに行ったか分からなくなる可能性があるため、続けて自分が立ちあがって外にでるタイミングをはかっていた。
(ダメだ、もういい、行くぞ…………それにしてもこれが勘違いだったら……あーもういい、行くって決めたんだ、迷うな俺!)
結局さして時間もあけずに、席を立ち、部屋から廊下に出た。
玄関で靴を履き、ドアを開け、玄関から一歩外にでて、そのままそこに立ち止まって周囲を見渡してみた。
(さて、どこに行ったのだろうか…………えっーーーーーーーーーーーーーー)
玄関ドアを閉めるのを忘れてしばし固まってしまった。
植木代表宅の駐車場は広い。形はだいぶ歪なものの、車は20台くらいは駐車できる。この広い駐車場で、玄関の目の前に高島さんの車がバック駐車されていた。
その車の運転席に高島さんは座っていた。
(意味が分からない。これで僕にどうしろと?)
考えあぐねてしまった。外に出たらどこかしらに高島さんが立っていて、そこに僕が近づいていって、話しかけるという流れしか想定していなかったからだ。まして玄関の目の前とは。
(困ったな……玄関の目の前って……)
スタッフと壁1枚へだてたところで高島さんに告白する感覚で、緊張感が飛躍的に向上してきていた。
混乱する思考とは別に開けてあった玄関はそっと閉めていた。
(何をやっているんだ俺。引き返せないじゃないか……)
自分のやったことに自分で突っ込む。
歩いているときに、片足をもう片方の足で踏みつけて転倒する自爆テロのようで、僕ならやりかねない。
(まさに背水の陣だな)
やっていることは自爆テロなのに無駄に知識だけある。
(もういい。行くぞ俺)
玄関のすぐ前から高島さんの車へ歩みをすすめる。
(あっそういうことか。何故玄関前にバック駐車したのか理解できたぞ。運転席に座ったまま、玄関から出てくる僕の様子を確認できるからだ。そっか、そういうことだ)
今気づかなくてもいいことに気付いてしまった。だからといって何かいいことがあるわけではない。
トントンと運転席のドアを叩いた。
運転席のドアが開いた。高島さんは席に座ったままだ。
高島さんの目線の高さまでしゃがみこんだ。
「僕と付き合ってください」
唐突に直球勝負にでた。
「………………待ってください」
冒頭何か言ったような気がするけど、「待ってください」だけ記憶に残った。
(…………ちょっと意味がわからない…………)
そっと運転席のドアを閉めた。何か高島さんに言葉を掛けたように思うけど、あまりのことで記憶が飛んでしまっている。
高島さんが自分で僕のことを誘い出しておいて、それでその返事がNO(実際には条件付きでOKだったのだと思う)とか、どうしたらそうなるのか意味がわからない。
とてもじゃないけど、しばらくは立ち直れそうにない。
食事に先立って植木代表から何か挨拶があったとは思うのだけど、覚えていない。
食事をしながらあちこちでグループができて談笑している。僕と高島さんの座席は離れているので、会話するグループにはなれない。
でも、今はそのほうがいい。まだ高島さんの気持ちをはかりかねていたからだ。
今日はずっとお互いによそよそしい接し方がだったから、あまりいい雰囲気ではなかったので、高島さんに何か思うところがあるのだろうと感じていた。
食事が終わっても、そのまま談笑は続く。あちこちで笑いがおきており、食事が終わったことで、かえって賑やかさは増してきていた。
そうした時間がどれほど経っただろうか。
なにやらさきほどから高島さんの視線を感じるようになった。
(気のせいかな?)
そう思ってもなお高島さんの視線を感じ続けていた。
(おかしいな……なんだろうか……勘違い、ダ・ヨ・ナ)
そうした時間は思わぬ方法で打ち破られることになった。
高島さんが席を立った。
(トイレかな?……)
食事をしている部屋を出ると廊下になっており、すぐ左手に広い玄関がある。
長い廊下を行きついたところに外にでるドアがあり、1度外に出た先の別棟内にトイレがある。
20人のほどの大人があちこちで談笑している最中とはいえ、玄関のドアを開けたのか、トイレに行くドアを開けたのかくらいはなんとか聞き分けられるくらいの音はする。特に玄関ドアは明確に聞き分けられる。
席を立った高島さんから、やはり視線を感じる。
(どういう意味だろう?)
立ち上がった高島さんの右斜め後方に僕は座っている。
高島さんの体は真っ直ぐ前を向いているものの、顔がわずかに右を向いており、僕に視線を送っているように感じられる。
(?……………………おかしいな……気のせいかなぁ……)
しかし高島さんが歩みをすすめるにつれ、わずかに右に向けていた角度が更に右に向いてきている。視線は感じ続けられている。
(気のせいじゃない……どう考えても僕を意識した視線にしか思えない……どうしようか…………)
部屋から廊下に出るドアに手を掛けた瞬間、目線を下に落とし、一瞬間、僕の方を向いた。
(明らかに僕を誘っている…………ダ・ヨ・ナ…………それにしても、いったい僕を誘い出してどうするのだろうか…………ワ・カ・ラ・ナ・イ…………どう考えても分からない。考えても結論のでないことを、いつまでもくだくだ考えても仕方がない。今は四の五の考えないで、ここは素直に高島さんの誘いに乗ってしまおう)
廊下に出てドアが閉まった。廊下を歩く足音はわからない。どちらに行くのだろうか。トイレなら勘違いということになる。
しばし音が途絶えた。
玄関のドアを開ける音がした。
(やっぱり誘われている。ヨシ、後に続こう。でもあまりにすぐに立ち上がると不審に思われる。少しだけ時間をあけて、後を追いかけてみよう。でもあまり悠長にはしていられないな)
玄関のドアを出た高島さんがどこに行ったか分からなくなる可能性があるため、続けて自分が立ちあがって外にでるタイミングをはかっていた。
(ダメだ、もういい、行くぞ…………それにしてもこれが勘違いだったら……あーもういい、行くって決めたんだ、迷うな俺!)
結局さして時間もあけずに、席を立ち、部屋から廊下に出た。
玄関で靴を履き、ドアを開け、玄関から一歩外にでて、そのままそこに立ち止まって周囲を見渡してみた。
(さて、どこに行ったのだろうか…………えっーーーーーーーーーーーーーー)
玄関ドアを閉めるのを忘れてしばし固まってしまった。
植木代表宅の駐車場は広い。形はだいぶ歪なものの、車は20台くらいは駐車できる。この広い駐車場で、玄関の目の前に高島さんの車がバック駐車されていた。
その車の運転席に高島さんは座っていた。
(意味が分からない。これで僕にどうしろと?)
考えあぐねてしまった。外に出たらどこかしらに高島さんが立っていて、そこに僕が近づいていって、話しかけるという流れしか想定していなかったからだ。まして玄関の目の前とは。
(困ったな……玄関の目の前って……)
スタッフと壁1枚へだてたところで高島さんに告白する感覚で、緊張感が飛躍的に向上してきていた。
混乱する思考とは別に開けてあった玄関はそっと閉めていた。
(何をやっているんだ俺。引き返せないじゃないか……)
自分のやったことに自分で突っ込む。
歩いているときに、片足をもう片方の足で踏みつけて転倒する自爆テロのようで、僕ならやりかねない。
(まさに背水の陣だな)
やっていることは自爆テロなのに無駄に知識だけある。
(もういい。行くぞ俺)
玄関のすぐ前から高島さんの車へ歩みをすすめる。
(あっそういうことか。何故玄関前にバック駐車したのか理解できたぞ。運転席に座ったまま、玄関から出てくる僕の様子を確認できるからだ。そっか、そういうことだ)
今気づかなくてもいいことに気付いてしまった。だからといって何かいいことがあるわけではない。
トントンと運転席のドアを叩いた。
運転席のドアが開いた。高島さんは席に座ったままだ。
高島さんの目線の高さまでしゃがみこんだ。
「僕と付き合ってください」
唐突に直球勝負にでた。
「………………待ってください」
冒頭何か言ったような気がするけど、「待ってください」だけ記憶に残った。
(…………ちょっと意味がわからない…………)
そっと運転席のドアを閉めた。何か高島さんに言葉を掛けたように思うけど、あまりのことで記憶が飛んでしまっている。
高島さんが自分で僕のことを誘い出しておいて、それでその返事がNO(実際には条件付きでOKだったのだと思う)とか、どうしたらそうなるのか意味がわからない。
とてもじゃないけど、しばらくは立ち直れそうにない。
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