紋様皇子が私の毒を喰らったと訴えてきます

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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鱗族

乱入者

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私は後ろを振り向けなかった。俯いて下がる侍女たちに、ここに居てくれと叫び出したい気持ちだった。部屋の扉が閉まる音がして、私は諦めて目を閉じてため息をついて言った。

「着替えている最中に乱入はどうかと思います。」

知らず口調が尖ったけれど、私は何も言わないバージルの視線が私のお尻に向けられているのを感じた。まったくこの世界の下着はどうかしてる。おぱんつだって、結局お尻丸出しのTバックのビキニなんだから。


不意にひんやりしたバージルの手がお尻に触れて、私は身を硬くした。バージルとは最後まで睦み合ったけれど、私たちは一種の契約関係なのだから、ほとんど知らない相手なのだ。人外イケメンだけどね。

私は自分の胸がとんでもなく卑猥になってる事を知っていたので、お尻を触られようが振り返る事は出来なかった。

「素敵だ。君のふんわりとしたお尻に美しい下着が映えてる。…信じられないくらいの美しい膨らみだ。柔らかいというのは、ここまで心躍るものなのか。…ルリ、こっちを向いてごらん?正面も見せてくれ。」


私は肩をビクつかせて慌てて言った。

「ねぇバージル様。この国の人の下着じゃ、身体の構造が違うのでサイズとか合わないんです。だから、何か代わりになるものが必要だと思います。」

そう言って、この場を誤魔化そうとし続ける私を、バージルは手を掴んでクルリと引っ張り込んだ。途端にバージルの視線は胸元に釘付けになった。ああ、だからダメだったのに。


「信じられない…。裸の時とはまた違った美しさといやらしさだ。ふるいつきたくなるのは、自然な事じゃないのかな?」

そう言うと、恥ずかしさで呆然としている私の胸をゆっくりと掬った。その瞬間、生地に擦れた胸の先端が硬くなって、私は微かに呻いた。それに気づいたのか気づかなかったのか、バージルは怖いぐらい真剣な表情で、布越しに自己主張している私の突起を指先で摘んだ。

「あぁ…!んふっ、バージル様、私は着替えてるだけですから…!」


腰回りがゾクゾクして、あっという間に痺れるような快感がお腹の奥へと走った。それを見透かすように、バージルは執拗に布の上からすっかり感じやすい先端を弄るのを止めなかった。

その時私は、自分でもなぜバージルを突き飛ばすなり、抵抗するなりしないのか分からなかった。抵抗すべきだと思っているのに、身体はその気持ちよさをもっと欲しがっているみたいだった。ああ、私は欲望に堕とされたのかしら。


私の迷いが顔に出ていたのだろう。バージルは私の胸から手を離して優しく抱きしめてから、私の顔をじっと見つめて言った。

「すまない。あまりにもルリの姿が魅力的で悪戯してしまった。戸惑わせたか?私はルリを見ると見境が無くなるんだ。…ルリは私が欲しくないかい?」

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