紋様皇子が私の毒を喰らったと訴えてきます

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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鱗族

追い詰められて※

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もう訳が分からなかった。経験がなさすぎて、何をされているのかも不案内の私は、バージルに簡単に快楽へと堕とされていた。焦れるような届かない絶頂を前に、いたぶられて、焦らされていた。

私は頭がおかしくなりそうな気持ち良さに、ただ呻いて甘く喘ぐことしか出来ない。不意にひんやりした液体がお股を濡らした気がした次の瞬間、バージルがいやらしく聞こえる水音を立てながら私の中を優しく撫でた。


それは焦ったさと同時に、熱いものを送ってきて、私は切羽詰まって追い立てられた。突然キリキリするような絞りあげられる快感に放り出されて、私は逝かされてしまっていた。

それでも容赦なく優しくも力強いバージルの指先は、もう何本かも分からない圧迫を感じた。不意にズルリと解放されて、私が大きくため息をつくと、バージルが覆い被さって来た。そして美しい琥珀色の瞳で見つめながら、抱え上げられていた脚の間に熱くて、硬くて、でも柔らかなそれをゆっくりと押し込んでいた。


身構える前に侵入して来たその熱い昂りは、ヌルついてさっきよりもムズムズする様な私のそこを容赦無く犯した。一瞬ピリッとした痛みの後、グッと入ってきたいっぱいのそれは脈打つ私の中で止まった。

少し強張った表情で息を吐き出してバージルは囁いた。

「…ああ、熱い。ルリの中は熱くて私を可愛がって締め付ける。痛いか?」

私はさっき感じた痛みは一瞬だったので、小さく大丈夫だと答えると、バージルは優しく口づけた。慰める様な、あやす様なそのキスに私はドキドキと心臓が震えた。


同意の上とは言え、いわば選択の余地なくこうして身体を許したと言うのに、こんなにバージルに身も心も曝け出している自分が信じられなかった。私この人外の男が好きになってしまったのかな?

けれど、直ぐに余計な事は考えられなくなってしまった。身体の奥が疼いて、バージルに動く様に急かしたのは私だったのだから。我慢できない熱い疼きは私を貪欲にした。


バージルは私を犯したけれど、私もバージルを貪ったのだ。胸を吸いつかれながら、ぐちゃぐちゃにぬかるみをかき混ぜられて、私は悲鳴の様な甘い声をあげていた。

ああ、もっと!もっと、その先にあるそれを掴みたい…!私のその欲望に応えるかの様に、バージルは慎重に、でも確実に私を揺さぶって追い詰めた。自分でも何を言っているのか分からずに、引き絞った快感は突然決壊して弾けた。さっきよりも真っ白な世界で、私が感じたのはバージルの優しいささやきだったけれど、何を言ってるのかは分からなかった。
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