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夢の中
一緒にお風呂とか冗談でしょ!?
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私は驚きに満ちた男の眼差しが、直ぐに私の全身に動いたのを見て、その熱い視線から逃れるために、慌てて部屋に戻ろうと脱衣所を振り返った。するとなぜか入ってきたはずの扉がなくなっていた。
私は呆然としながら、焦って壁をペチペチとあちこち叩いた。いつの間に側に来ていたのか、あの男が私の叩く手をそっと掴んだ。
「そんなに乱暴に叩いたら、柔らかな肌が傷ついてしまう。まさかルリも湯浴み中だとは思わなかった。…ルリ、もしかしてあれを塗ったのかい?」
そう言って、目の前の男は私のヌルヌルの腕をそっと撫でた。私は男に向き合う勇気はなかったので、お尻を見せる犠牲を払いながら、前を向いたまま呟いた。
「身体を洗う石鹸だと思ったんです。そしたらどんどんヌルヌルしてしまって、正直困ってました。」
すると耳元でクスクス笑いながら、男は私の手を引いて歩き出した。私は男から離れたら全裸が見られてしまうと思って、慌てて男にくっつく様について行った。
「…ルリが塗ったのは、私たちの特別な保湿剤だよ。ルリは使い方を間違ったみたいだね。身体を洗うのはこちらだ。」
そう言って私の方に振り返ろうとするので、私は慌てて男に言った。
「こっち見ないで!私裸なのよ!絶対見ないで!」
すると男は少し考えてから呟いた。
「さっき結構見た気がするけどね。それにこんなに近かったら、見るより触れた方が早い。」
そう言ってクルリと向き直ると、私を抱き寄せた。私はギョッとしたけれど、逞しい男の力に抗えなかった。それに自分の胸を死守するのに精一杯で、すっぽり腕の中に収まってしまった。私は触れられるのと、見られるのと一体どちらがマシなのかと考えて、瞬時に逃げ出すことにした。
さっき塗ったヌルヌルを使って滑り出ようと、私は身体をグニグニとしならせた。男はビクリと身体を震わせて、私をじっと見つめながら、顔を強張らせて言った。
「ルリ、そんなに私を誘惑したいのかい?」
私はギクリと身体を強ばらせた。私がヌルついた身体を擦り付けたせいで、男の下半身の何かが私の臍のあたりに食い込んでいる気がする。しかも何だかどんどん成長していない!?
私は道場通いに熱中するあまり、22歳になるというのにせいぜい高校生レベルの恋愛しか経験が無かった。社会人になったら自然そういう事もあるのだろうとぼんやり考えていたせいもある。もちろん男女のあれこれは漫画や小説、友人達の話から、知りすぎるほど知っていた。
「知りすぎの処女」友人が私を揶揄う時はそう呼ばれていた私は、今やピンチに陥いっていた。どうしよう、この青い人私に欲情してる!
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すると男は少し考えてから呟いた。
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「ルリ、そんなに私を誘惑したいのかい?」
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