イバラの鎖

コプラ

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辺境の地で

越えた壁※

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 耳を掠める湿った音に、僕は恥ずかしさの一方で興奮も感じていた。がっしり抱き込んでぴったりと胸を合わせながら、アランは僕の窄みを指で解し続ける。

 アランの指先がもたらす瞼を震えさせる様な快感は、僕に甘い声をあげさせる。段々弱い刺激じゃ足りなくなって、僕は無意識に腰を揺らしてもっと欲しいと強請った。


 「アンドレ様、口づけを…。」

 アランの声に、僕は素直に首に押し付けていた顔を持ち上げた。期待通りの僕を征服する様なアランの舌の動きに、僕は息をするのも忘れて夢中になってしまう。

 脚の間に押し付けられたアランの昂りは、硬度も大きさも相変わらず存在感が凄くて、でも僕と触れ合ってそうなっていると思うと、どこか胸の奥が騒いた。


 「…アラン、僕に挿れたいの?」

 濡れた唇を感じながら至近距離でアランの暗い瞳を見つめながら呟くと、アランは掠れた声で言った。

「…ええ。これでアンドレ様の中をゆっくり突けば、もっと喜ばせてあげられると思うと、ほら、こうしてビクビクしてしまいます。指では届かない場所もじっくり擦ってあげたい…。」

 ゾクゾクする様な卑猥な事を言われて、僕は一気に熱くなった。ああ、今でも十分に気持ち良いのに、これ以上のものがあるのなら知っても良いのではないだろうか。


 アランは身体を引き剥がすと、僕の胸を舌で舐めながら更に深く僕の中を執拗に掻き混ぜた。

「ああっ!アラン…。んっ、いやぁ、激しい…っ。」

 引き伸ばされる様な感覚の後ズルリと引き抜かれて、僕はぐったりとして荒い息を吐いた。ああ、まだ欲を吐き出していないせいで、欲望が暴れ回っている。

 アランは膝立ちで僕を見下ろしながら汗ばんだ髪を掻き上げて言った。

「アンドレ様、十分に解れたと思います。…私のこれを試してみますか?きっと満足して頂けます。」


 経験のない快感が有るのだと仄めかされて、僕はチラリとアランの腰に鎌首をもたげている充血して赤らんだそれを見た。ああ、多分アランの言う通りなんだろう。指より長いそれはきっと素晴らしい快感を教えてくれるに違いない。

「…良いよ。でも、ゆっくり…してね?」

 嬉しげに微笑んだアランは僕の身体をうつ伏せると、僕の腰を引き上げて背中に唇を何度か押し当てた。

「最初はこの方が負担がないでしょうから…。」


 それからヌメヌメと自分のそれで何度か僕の窪み全体をゆっくり撫で回した。それは緊張と気持ち良さの入り混じったなんとも言えない感覚で、時々引っ掛ける様に僕の窄みにクッと押し付けられて、僕は焦れて叫び出しそうだった。

「少し力を入れて…。ほら分かりますか、私の先端を美味しそうに呑み込んで…。」

 グポグポと卑猥な音が耳を犯して、僕はアランの先端が悪戯に少し出し挿れされるのを感じていた。ああ、気持ち良い。指よりもずっと当たりが柔らかなのに芯があって硬いそれは、慣らされた僕の窄みにピッタリな気がした。


 「…っ!アンドレ様、そんなに動いたらもっと挿れてしまいます。慌てたら痛いかもしれませんから。」

 アランは心配してくれたけど、僕は満たされない欲望に振り回されていた。だから肩越しに振り返ってアランに頼んでしまった。

「挿れて…!アラン、僕に最後まで教えて…。」

 するとアランは僕に後ろから覆い被さって、口づけながらゆっくりと小刻みに腰を揺らして僕の中へと入ってきた。

 途端に驚く様な圧迫感を感じて僕は思わず息を止めた。そんな僕をなだめる様に、アランは口づけを続けながら言った。


 「アンドレ様息をして…。ここを挿れれば後はすんなり入りますから。ああ、アンドレ様の中は想像よりもずっと素晴らしい。…ここからはもう、気持ち良さしか無いですからね。」


 アランに励まされたけれど、僕は経験のない圧迫感に圧倒されていた。やはりアランのモノでは大き過ぎたのだと後悔し始めていた。けれどアランが動かなかったので、僕はじわじわとその圧迫感に慣れていった。

 僕がアランの口づけに応え始めたせいか、アランがゆっくりと動き出した。途端に僕の弱い場所に当たったのか、僕は甘く呻いて訳が分からなくなった。

 アランが休みなしにじっくりと突くので、僕は感じたことのない怖いくらいの快感に畳み掛けられた。


 「アンドレ様、沢山気持ち良くしてあげますからね。…ああ、アンドレ様は閨の素質もある…様です。アンドレ様の中は狭くて熱い…。蕩けそうです…。気持ち良いですか、アンドレ様。」

 アランが何か言っているけれど、揺さぶられた僕は律動が生み出す快感に翻弄されて無意識に逃れようと仰け反っていた。ああ、このままでは本当におかしくなってしまう。

「あっ、ああぁ!ア、アランっ、お願い、もう無理、逝かせてっ!」


 するとアランが身体の前に手を伸ばして、僕自身を手で激しく扱きながらさっきよりも大きく動き始めた。

 「アンドレ様、ああ、可愛いアンドレ様…!もう少しだけ、奥に…!」

 その強烈な刺激に僕は悲鳴に似た声を上げて絶頂へと駆け上がった。締め付ける様な気持ち良さに息を止めて、ベッドに顔を押し付けてアランにガクガクと揺さぶられていた。

 アランは何度か僕のお尻に腰を打ちつけると、一気に昂りを引き抜いて僕の窄みを熱い欲望で汚した。その熱いものがゆっくりと腿に滴り落ちるのを感じたけれど、もうアランが支えてくれなければ倒れ込んでしまいそうだった。


 アランがサッと濡れたそれを布で拭うと、僕はドサリとベッドに崩れ落ちた。ああ、もう死ぬ。僕は男同士の交わりがこんな強烈な快感を伴うものだなんて思いもしなかったんだ。

 呆けてぼんやり横たわっていると、後ろから僕を抱き寄せたアランが僕の首に唇を押し当てて呟いた。

「…アンドレ様、お身体は大丈夫ですか?痛みは?…ああ、私もこんなに興奮したのは初めてです。アンドレ様は男を夢中にさせます。」

 僕はアランの言葉を何処か他人事の様に聞いていた。…男なら誰でも夢中にさせられるのだろうか?そんな風に考えてしまう自分を愚かだと思いながら、その考えは僕の意識に染みついてしまった。


























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