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人間のままでいられますか?
驚きの話
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それから王子が語ってくれた秘密の書にまつわる話は、僕にとって驚くべきものだった。黒髪、黒目のミハルという名前の若い男が馬として王弟と出会って、やがて人間に変幻する。それはまるで僕と同じ状況だった。
「先帝の王弟の日記によれば、馬から人間に変幻するのはハルマの家の呪いの様だね。そして彼は四度目の変化の後、元の世界に戻ってしまった様だ。」
王子がそう言うと、僕とウィルは顔を見合わせた。僕がウィルを置いてここから居なくなる…?確かにミハルという名前の、お祖父さんの歳の離れたお兄さんは兵士として戦争に行っている間、行方不明になった事があると聞いている。
一年後、丁度終戦の頃にミハル兄さんは、全然違う場所の引き上げ列車に乗って戻って来たのだとお祖父さんは話してくれた事があった。
それからミハル兄さんは修験道の修行で山に籠ったという話だった。それから数年後、ふと山を降りてお祖父さんのところにふらりと現れると、このネックレスを託してまた修行に戻ったという事だった。
それから直ぐに修行中に崖から転落して亡くなった。僕が知っているのはそれだけだ。僕は王子の話とどこかしら繋がっていると思った。
もし行方不明になっている間に、この世界で馬になっていたとしたら…。あり得る。それはこの僕が証明できる。僕は一人俯いて考え込んでいた。
「…ルマ。ハルマ?」
ウィルに呼び掛けられてハッとした僕は周囲を見回した。皆が僕を見つめていた。僕は今思い出したミハルについてを王子に話した。
王子は頷きながら考え考え、呟いた。
「さっきハルマが、ミハルは若くして亡くなったと話してくれた時に何か因果がある様な気がしたけれど、当たっていた様だね。多分王弟が戦闘で戦死した時と、ミハルが事故で亡くなった時期が重なると思うんだ。
運命の二人は、死をもって遠く離れた世界の二人を繋いだのかもしれない。」
僕は王子の話に目を見開いた。お祖父さんはあまり自分の兄について多くを語らなかったけれど、時々僕をじっと見つめて言ったんだ。
「お前の名前にハルを使ったのは良くなかったかもしれない。成長するにつれて、ハルマは私の兄によく似て来た。それが、私には少し恐ろしいんだ。」
そう言って僕を悲しげに見つめていたのをふと思い出したんだ。
「先帝の王弟の日記によれば、馬から人間に変幻するのはハルマの家の呪いの様だね。そして彼は四度目の変化の後、元の世界に戻ってしまった様だ。」
王子がそう言うと、僕とウィルは顔を見合わせた。僕がウィルを置いてここから居なくなる…?確かにミハルという名前の、お祖父さんの歳の離れたお兄さんは兵士として戦争に行っている間、行方不明になった事があると聞いている。
一年後、丁度終戦の頃にミハル兄さんは、全然違う場所の引き上げ列車に乗って戻って来たのだとお祖父さんは話してくれた事があった。
それからミハル兄さんは修験道の修行で山に籠ったという話だった。それから数年後、ふと山を降りてお祖父さんのところにふらりと現れると、このネックレスを託してまた修行に戻ったという事だった。
それから直ぐに修行中に崖から転落して亡くなった。僕が知っているのはそれだけだ。僕は王子の話とどこかしら繋がっていると思った。
もし行方不明になっている間に、この世界で馬になっていたとしたら…。あり得る。それはこの僕が証明できる。僕は一人俯いて考え込んでいた。
「…ルマ。ハルマ?」
ウィルに呼び掛けられてハッとした僕は周囲を見回した。皆が僕を見つめていた。僕は今思い出したミハルについてを王子に話した。
王子は頷きながら考え考え、呟いた。
「さっきハルマが、ミハルは若くして亡くなったと話してくれた時に何か因果がある様な気がしたけれど、当たっていた様だね。多分王弟が戦闘で戦死した時と、ミハルが事故で亡くなった時期が重なると思うんだ。
運命の二人は、死をもって遠く離れた世界の二人を繋いだのかもしれない。」
僕は王子の話に目を見開いた。お祖父さんはあまり自分の兄について多くを語らなかったけれど、時々僕をじっと見つめて言ったんだ。
「お前の名前にハルを使ったのは良くなかったかもしれない。成長するにつれて、ハルマは私の兄によく似て来た。それが、私には少し恐ろしいんだ。」
そう言って僕を悲しげに見つめていたのをふと思い出したんだ。
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