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馬は3回目です。慣れてます。

さよならエリート

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今日はいつになくウキウキしている僕。だって今日は騎士団のお迎えが来るんだもんね。僕は身だしなみが良い馬丁さんに丁寧に手入れされながら、お迎えを首を長くして待っていた。

僕のそんな様子に、エリートたちも声を掛けて来た。僕の波瀾万丈な冒険談がみんなの良い娯楽になった様で、仕事終わりは皆のリクエストで、僕が面白おかしく話をするのがここ最近の習慣になっていた。


『フォルの話が聞けなくなるのは寂しいですね。』

『あの怪物の話もっと聞きたかったな。』

『たまに遊びに来て話してくれよ。』

いや、どんだけ娯楽に飢えてんの君たち。そう言って突っ込む僕たちのやりとりを眺めながらリーダーがクスっと笑って言った。

『最初はどうなるかと思ってたけれど、結果が良ければ全て良しだ。フォルも騎士団に戻ってもしっかりやりなさい。君は騎士団所属にするには美しいから、中身もそれに見合う馬になりたまえ。』


僕はどんな時もシュッとしているリーダーに、ちょっと見惚れてボーッとしてしまった。まさに抱かれたい馬No.1だ…。そんな僕の耳に懐かしい足音が聞こえて来た。

僕は馬場に現れたウィルに駆け寄ると手を伸ばしたウィルに顔を押し付けた。あんまりグイグイ押したので、ウィルが少し笑って言った。


「フォル、ちょっと待って。転びそう。」

そう言って、ウィルは僕を撫でまくってくれた。僕はウィルに抱きしめられて心持ちうっとりとして、意識が飛んでいたかもしれない。近くで咳払いがして、そちらを見ると指揮官と副指揮官が居た。

僕はウィルに甘えているのを見られて罰が悪い気持ちで、一応二人にも撫でてもらって挨拶した。それにしてもどうしてこの二人がここに?僕のそんな気持ちが分かったのかウィルが僕の鞍を馬丁に渡しながら話してくれた。


「さっきまで第二王子と話をしていたんだ。今度の満月の時にハルに変幻するところに立ち会いたいという事だったので、まぁ今までの経緯なんかもガッツリ聴かれてね。

第二王子はまだ14歳ながら、非常に聡く、味方にするべき人物かもしれない。しかも秘密の書を彼が持っていると話してくれたよ。


内容については、直接ハルと検証したいって事だった。今度の満月の後は王宮に通う事になりそうだ。私としたら離れていた分、ハルとゆっくりしたかったが。」

そう言って、ウィルが色っぽい眼差しで僕を見つめるから、僕のあそこがミョンと出てきてしまった…。ウィルはクスクス笑うし、指揮官たちは呆れた顔してるし、エリート集団は何か騒ついてるし…。

ああ!僕とっても居たたまれないっ!誰か埋めて!

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