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真実

ウィルの提案

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ウィルは僕をぎゅっと抱きしめてささやいた。

「私はもう、ハルの側を離れないよ。大丈夫。何かきっと良い方法があるはずだ。」

そう言うと、僕の涙ぐんだ目を見つめながら言った。

「ハル、私はこの事を騎士団に隠して置けないと思う。全員が知る必要はないけれど、指揮官と副指揮官には話すべきだ。

またハルが所在不明になったせいで、疑われるのはこりごりだ。私の我儘だけど、私はもう1日だって、ハルと離れ離れになりたくないよ。」


これ以上誤魔化すことに限界を感じていた僕も、頷いた。でも僕は一抹の不安を感じていた。魔物だって斬られないかな…。そんな僕の心を読んだのか、ウィルはクスクス笑って言った。

「私はお二人については全く心配ないと思うよ。だって、フォルの活躍ときたら、とんでも無かっただろう?何度騎士団の窮地を助けたことか。

だからフォルの中身がハルだと知れば、非常に納得してもらえるにちがいないよ。きっとりんごを桶いっぱい食べさせてくれるさ。ふふ。」


僕はウィルの首に手を伸ばして抱きつくと、その見かけよりも逞しい首筋の、ずっと嗅いでいたいツンとするウッディな香りを胸いっぱい吸い込んだ。

「ありがとう、ウィル。僕、ウィルのお陰で、勇気が出たよ。ずっと一人で悩んでいた事なのに、こうやってウィルと話すことでとても簡単に思える。本当にありがとう…。」


ウィルは僕をベッドへひっくり返すと、もの凄くエッチな眼差しで見つめて言った。

「…今日はお休みだろう?時間はたっぷりあるから、もっとハルを食べさせて…。」

それから僕たちはタガが外れた様に、エチエチな時間を過ごした。僕の中で張り詰めたウィルを感じると、僕は嬉しくてキュンとウィルを締め付けた。

ウィルは呻きながら、僕を抉る様に追い立てて、僕に文字通り天国を見せてくれた。


結局、騎士団に戻ったのは夕方で、僕たちは呆れ顔のケインに迎えられた。けれど、夕食時におかえりパーティをサプライズで受けて、僕が皆の前で泣いてしまったのはしょうがないよね?

皆の笑顔を見ながら、僕はこの世界で本当に色々あったけれど、穴に落ちて辿り着いたのがこの世界で、本当に良かったと思った。

人生は一度きりで「もし」の繰り返しだけれど、今の僕に大切なのは真っ直ぐ前を向いて生きる事だって良く分かったんだ。

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