馬の皮をかぶった大学生ですが、なにか?

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
上 下
91 / 131
秘密

二人だけの時間※

しおりを挟む
結局僕たちは息もつかせぬ口づけを交わしあって、王都の宿泊施設の前で馬車から転がる様に降りた。自分が赤い顔をしているのは自覚があったので、僕は俯いてウィルに肩を抱かれながら部屋までたどり着いた。

部屋の扉が開くのを待つのももどかしい僕たちは、扉が開くと同時にウィルに壁に磔にされて、口内を舐め啜られて、同時にお互いの服を剥ぎ取っていった。


目の前の愛しいウィルの体温を感じたい、ただそれだけが僕の願いだった。ひとりぼっちで連行されてからも、もう一度ウィルとこんな時が過ごせることを願っていたからこそ、耐えられたんだ。

「ウィル、ウィル…。僕、頑張ったよ…。」

ウィルは涙にくれた僕の顔を両手で包んで額を押し付けると、甘く囁いた。


「…私もハルが絶対解放されるって信じてた。私はハルのことを…信じてる。愛してるから、ハルの全てを。」

そう強い眼差しで見つめられて、僕は何だかますます泣けてきて、交わし合う口づけさえしょっぱさを感じたんだ。僕たちは素っ裸になるとサッと浴室で冷たいシャワーを浴びると、ベッドへと転がり込んだ。

シャワーで綺麗に流された僕の涙はすっかり乾いて、反対に僕の身体はウィルが欲しくてズキズキと痛い程だった。


僕を崇めるように愛撫するウィルの唇や舌、硬い指先が、僕を甘い渦へと放り込んだ。喘ぐ息が熱くて、胸は直ぐに固く尖った。

「可愛い…。ハルのここ、真っ赤になって、私に可愛がられて疼いてるね。」

そう言って吸い上げるから、僕は胸を逸らして喘ぐことしか出来ない。僕の硬くなった昂りが、ウィルの逞しいそれと触れると、僕は追いかけるように腰を突き出して、揺らしてしまった。


「はぁ、ハルがえっちだ。もう、目の毒だよ…。」

そう言って僕に覆いかぶさって僕の片脚を腕に掲げると、ヌチヌチと僕の待てない窄みへ押し付けた。シャワーですっかり準備されたそこは、ウィルの先端を呑み込もうとパクつくけれど、しばらく僕の指しか入れていないそこはすっかり狭くなってしまっていた。

「ウィル、きて。ゆっくり僕をこじ開けて…。」


僕の誘いにウィルはごくりと喉を動かすと、ベッド側に置いてあったジェルのようなものをたっぷり自分の昂りに塗りつけると、僕に口づけながらゆっくりと押し入ってきた。

「んっ、あ、ああっ、んんっ!あ、あああっ!」

突き上げるような鋭い快感に、僕はぎゅっとウィルにしがみついた。ああ、ここにウィルが、本物のウィルが居るんだ。僕を愛してくれる、僕の愛するウィルが。


動きを止めたウィルは、額に汗を滲ませて僕に優しく口づけると言った。

「ハルをとことん味わわせて?」


しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...