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味方の元へ
微睡の中で
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僕はぼんやりと微睡みながら、ここは何処だろうと目を開けた。懐かしい官舎の部屋が目に飛び込んできて、僕はハッと身を起こそうと身動きした。
けれど僕の身体はがっちりと逞しい腕の中に絡め取られていて、僕は嬉しさでいっぱいになった。そう言えば昨夜はウィルと、思い出すと身体がズクリと波打つような甘い時間を過ごしたんだった。
ウィルの腕の中で向きを変えると、僕は端正な寝顔を見つめた。彫りの深い眉間は窪んでいて、長いまつ毛は柔らかな茶色だ。濃い金髪は耳元でクルリと巻いていて、可愛かった。大きめな硬く見える唇は、思いの外柔らかいと僕は知っている。
少し伸びた髭がキラキラと光って、僕はそっと指でなぞった。僕は永久脱毛しているので髭は生えない。こちらの世界の人にとってそれは不思議な事のようで、騎士達が僕のツルリとした頬を触りに、ちょっかいを出すのはしょっちゅうだった。
いつもそんな騎士たちをウィルが追い払っていたけれど。僕はクスッと笑って、ウィルのチクチクした顎にそっと唇を押し当てた。
こんなに愛おしい気持ちになるなんて、僕はそれだけでもこの世界で馬になったり、人間になったりと、とんでもない状況だとしても許せる気がした。
僕が調子に乗ってウィルの顔中にキスの雨を降らせていると、僕を抱きしめる力が強くなって目の前の瞼が開いた。少しペリドットを感じる緑色の美しい瞳は、黄色味を帯びた貴石ような虹彩に彩られていて、ずっと見つめていても飽きなかった。
「綺麗…。」
僕がウィルの目元に指を添えると、ウィルは微笑んで言った。
「私はハルの黒い瞳が好きだよ。ハルのこの美しい黒い髪も。このなめらかな肌も。この果実のように赤い唇も。でも一番好きなのは…、この可愛いお尻かな?」
そう言ってふざけて僕のお尻を両手でぎゅっと掴んだ。僕はクスクス笑ってウィルに抱きついた。するとウィルは僕に優しく口づけると、額をくっつけて言った。
「もう黙って居なくならないでくれ。何か事情があったんだろうけど、心配していたんだ。…それよりハルはどうして敵の陣から逃げてきたんだい?」
そう言って僕の顔を覗き込むウィルは、恋人のウィルではなくて、騎士のウィリアムの顔になっていた。僕はベッドから起き上がるとシャツを羽織った。そして窓から朝焼けを見つめて言った。
「ウィル、僕この世界の人間じゃないんだ。」
けれど僕の身体はがっちりと逞しい腕の中に絡め取られていて、僕は嬉しさでいっぱいになった。そう言えば昨夜はウィルと、思い出すと身体がズクリと波打つような甘い時間を過ごしたんだった。
ウィルの腕の中で向きを変えると、僕は端正な寝顔を見つめた。彫りの深い眉間は窪んでいて、長いまつ毛は柔らかな茶色だ。濃い金髪は耳元でクルリと巻いていて、可愛かった。大きめな硬く見える唇は、思いの外柔らかいと僕は知っている。
少し伸びた髭がキラキラと光って、僕はそっと指でなぞった。僕は永久脱毛しているので髭は生えない。こちらの世界の人にとってそれは不思議な事のようで、騎士達が僕のツルリとした頬を触りに、ちょっかいを出すのはしょっちゅうだった。
いつもそんな騎士たちをウィルが追い払っていたけれど。僕はクスッと笑って、ウィルのチクチクした顎にそっと唇を押し当てた。
こんなに愛おしい気持ちになるなんて、僕はそれだけでもこの世界で馬になったり、人間になったりと、とんでもない状況だとしても許せる気がした。
僕が調子に乗ってウィルの顔中にキスの雨を降らせていると、僕を抱きしめる力が強くなって目の前の瞼が開いた。少しペリドットを感じる緑色の美しい瞳は、黄色味を帯びた貴石ような虹彩に彩られていて、ずっと見つめていても飽きなかった。
「綺麗…。」
僕がウィルの目元に指を添えると、ウィルは微笑んで言った。
「私はハルの黒い瞳が好きだよ。ハルのこの美しい黒い髪も。このなめらかな肌も。この果実のように赤い唇も。でも一番好きなのは…、この可愛いお尻かな?」
そう言ってふざけて僕のお尻を両手でぎゅっと掴んだ。僕はクスクス笑ってウィルに抱きついた。するとウィルは僕に優しく口づけると、額をくっつけて言った。
「もう黙って居なくならないでくれ。何か事情があったんだろうけど、心配していたんだ。…それよりハルはどうして敵の陣から逃げてきたんだい?」
そう言って僕の顔を覗き込むウィルは、恋人のウィルではなくて、騎士のウィリアムの顔になっていた。僕はベッドから起き上がるとシャツを羽織った。そして窓から朝焼けを見つめて言った。
「ウィル、僕この世界の人間じゃないんだ。」
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