170 / 187
俺が譲れる事は
俺の覚悟
しおりを挟む
スッキリした気分で起き上がると、カーテンが開け放たれた窓の向こうはすっかり夜の景色だった。俺は窓際まで行くと、窓を開けて夜の冷涼な空気を吸い込んだ。もうすっかり寒くなった季節に、俺はしばらく窓辺に立って窓から見えるチラチラ見える窓明かりを見つめた。
この寮棟は、学園自体が高台にあるせいで眺めが良い。昼間はすっかり色づいた紅葉を楽しめるが、夜は少し遠くに見える街明かりがチラチラと綺麗だ。俺は息を吸い込むと窓を締めた。
そう言えば腹が減った。部屋には買い置きのプロテインバーしかなくて、流石にそれを食べる気にはなれなかった。まだ8時過ぎだったので寮内のコンビニは開いてる時間だ。
俺は大きめサイズのパーカーを着て、スエットを履くと部屋を出た。部屋のドアノブに椿たちからの、コンビニの差し入れが掛かっていた。俺はちょっと罪悪感に駆られつつ、中身を覗いた。俺の好きそうなものばかり入っていて、ますます気分が落ち込んだ。
部屋に戻って、テーブルに入ってたものを並べて食べ始めながら、自分の身勝手さを振り返る羽目になった。あいつらは何ひとつ悪い訳じゃ無い。俺の問題だ。俺がもっと冷静になるだけの事なんだ。
今日の秋良のゴム事件もそうだけど、俺あいつらに執着し始めてるのかな?
学校の公認のやり部屋には正直ドン引きだけど、習性としてしょうがない部分はあるんだ。…椿なんて、ハーレム習性なのに俺だけってかなり無理してるんだろうか。
あいつらが中学時代、いや最近まで発情期を迎えてから色々致してたのは知ってる。見てたし。でも、俺とは別世界の話という感覚だったんだ。でも、俺にもその別世界が自分の事として感じられる様になって、冷静じゃいられなくなった。
あいつらが俺以外とイチャつくのが嫌だ。そんな単純明快な感情を八つ当たりして、本当子供だ。あいつらは俺だけだって言う。俺は一人だけを一途に思ってやれない。それなのに俺だけにしろって、酷くないか?俺だったら呆れるな。
それとも浮気は大目に見るべきだろうか?…浮気していいよなんて言えない。泣くぞ、俺。
そう言えば前に祥一朗が俺だけだって、そのせいで俺を困らせるかもって言ってた。俺、もうちょっとあいつらの我儘聞いたほうがいいのかもしれないな。それでも足りないかもしれないけど。
俺は与えられるばかりに慣らされて、自分から与えるって事を怠ってきたんだ。怠慢だ。俺の覚悟が甘いせいで、こんな八つ当たりして…。
俺は明日ちゃんとあいつらと話をしようと決めて、俺の好物ばかりの差し入れをくすぐったい気持ちで食べたんだ。
この寮棟は、学園自体が高台にあるせいで眺めが良い。昼間はすっかり色づいた紅葉を楽しめるが、夜は少し遠くに見える街明かりがチラチラと綺麗だ。俺は息を吸い込むと窓を締めた。
そう言えば腹が減った。部屋には買い置きのプロテインバーしかなくて、流石にそれを食べる気にはなれなかった。まだ8時過ぎだったので寮内のコンビニは開いてる時間だ。
俺は大きめサイズのパーカーを着て、スエットを履くと部屋を出た。部屋のドアノブに椿たちからの、コンビニの差し入れが掛かっていた。俺はちょっと罪悪感に駆られつつ、中身を覗いた。俺の好きそうなものばかり入っていて、ますます気分が落ち込んだ。
部屋に戻って、テーブルに入ってたものを並べて食べ始めながら、自分の身勝手さを振り返る羽目になった。あいつらは何ひとつ悪い訳じゃ無い。俺の問題だ。俺がもっと冷静になるだけの事なんだ。
今日の秋良のゴム事件もそうだけど、俺あいつらに執着し始めてるのかな?
学校の公認のやり部屋には正直ドン引きだけど、習性としてしょうがない部分はあるんだ。…椿なんて、ハーレム習性なのに俺だけってかなり無理してるんだろうか。
あいつらが中学時代、いや最近まで発情期を迎えてから色々致してたのは知ってる。見てたし。でも、俺とは別世界の話という感覚だったんだ。でも、俺にもその別世界が自分の事として感じられる様になって、冷静じゃいられなくなった。
あいつらが俺以外とイチャつくのが嫌だ。そんな単純明快な感情を八つ当たりして、本当子供だ。あいつらは俺だけだって言う。俺は一人だけを一途に思ってやれない。それなのに俺だけにしろって、酷くないか?俺だったら呆れるな。
それとも浮気は大目に見るべきだろうか?…浮気していいよなんて言えない。泣くぞ、俺。
そう言えば前に祥一朗が俺だけだって、そのせいで俺を困らせるかもって言ってた。俺、もうちょっとあいつらの我儘聞いたほうがいいのかもしれないな。それでも足りないかもしれないけど。
俺は与えられるばかりに慣らされて、自分から与えるって事を怠ってきたんだ。怠慢だ。俺の覚悟が甘いせいで、こんな八つ当たりして…。
俺は明日ちゃんとあいつらと話をしようと決めて、俺の好物ばかりの差し入れをくすぐったい気持ちで食べたんだ。
20
お気に入りに追加
1,202
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる