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俺が譲れる事は
不貞腐れる俺
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「なぁ、機嫌直せよ、雪。」
後ろからかかる声を無視して、俺はカフェテリア目指して歩いていた。俺が怒ったので、秋良も隣に並ぼうとせずに、後ろからついてくる。俺だってこんなに秋良に怒るのは八つ当たりだってわかってるけど、俺の赤裸々なエロいプライベートがクラスメイトに明らかになるなんて、何の辱めだよ。
いつものテーブルには、聖と椿が既に来ていて丁度食べ始めている所だった。俺は挨拶もそこそこにテーブルに額から突っ伏して顔を上げることが出来なかった。ここまで辿り着くまでに、すれ違う生徒達が俺を変な目で見てた気がして神経がすり減っていた。
「…ゆきちゃん、どーしたの?お腹痛いの?」
優しい椿の声かけにも、今日は慰められない。直ぐに秋良が俺の分も定食を持ってやってきた。俺は渋々テーブルから顔を起こして秋良からトレーを受け取った。
「ありがと…。」
秋良が余計な事を言わないのを幸いに、俺は黙々と食べ始めた。
今日のランチは俺の好きな和風ハンバーグだ。きっと秋良が俺の好物だからこれを選んでくれたんだろう。俺はあんまり秋良に怒るのもアレかと思って、隣に座っている秋良に視線を向けた。
「旨いか?雪、これ好きだろ?」
俺は我ながら単純だけど、美味しいものは怒りも霧散させると思いつつ、コクリと頷くと黙って食べ続けた。目の前の椿達は何やら目配せしながらサイレントトークしてたけど、こいつらだってきっと知ってたはずだ。なんで教えてくれなかったんだ、まったく。
「はぁ、なるほどね。授業サボって資料室へ行ったんだ。でも、それで何でゆきちゃん拗ねてるのさ。」
俺は何で椿が状況が呑み込めるくせに、俺が拗ねてる?理由が分からないのかとムカついた。俺はますますガツガツ食べてると、流石に喉に詰まって咽せ込んだ。
三人から差し出される水を無視して、自分のコップで流し込むと人心地ついた。
「雪はアレだろ?資料室でいちゃついてたのがクラスメイトにバレたのが嫌なんだろ?」
さすが聖。俺のことをよく分かってる。俺が聖を見てコクコクと頷くと、椿が唐揚げを口に頬張りながらひと口で飲み込むと言った。
「ゆきちゃんはさ、考えすぎなんだよ。この学校はちゃんと俺たちのマーキングとかに配慮してるからさ、授業中だろうが、単位さえ落とさなければ自己責任で資料室利用は当たり前なんだけど。
今までゆきちゃん、他のクラスメイトのそんな行動に気づかなかったのかな?」
後ろからかかる声を無視して、俺はカフェテリア目指して歩いていた。俺が怒ったので、秋良も隣に並ぼうとせずに、後ろからついてくる。俺だってこんなに秋良に怒るのは八つ当たりだってわかってるけど、俺の赤裸々なエロいプライベートがクラスメイトに明らかになるなんて、何の辱めだよ。
いつものテーブルには、聖と椿が既に来ていて丁度食べ始めている所だった。俺は挨拶もそこそこにテーブルに額から突っ伏して顔を上げることが出来なかった。ここまで辿り着くまでに、すれ違う生徒達が俺を変な目で見てた気がして神経がすり減っていた。
「…ゆきちゃん、どーしたの?お腹痛いの?」
優しい椿の声かけにも、今日は慰められない。直ぐに秋良が俺の分も定食を持ってやってきた。俺は渋々テーブルから顔を起こして秋良からトレーを受け取った。
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秋良が余計な事を言わないのを幸いに、俺は黙々と食べ始めた。
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「旨いか?雪、これ好きだろ?」
俺は我ながら単純だけど、美味しいものは怒りも霧散させると思いつつ、コクリと頷くと黙って食べ続けた。目の前の椿達は何やら目配せしながらサイレントトークしてたけど、こいつらだってきっと知ってたはずだ。なんで教えてくれなかったんだ、まったく。
「はぁ、なるほどね。授業サボって資料室へ行ったんだ。でも、それで何でゆきちゃん拗ねてるのさ。」
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三人から差し出される水を無視して、自分のコップで流し込むと人心地ついた。
「雪はアレだろ?資料室でいちゃついてたのがクラスメイトにバレたのが嫌なんだろ?」
さすが聖。俺のことをよく分かってる。俺が聖を見てコクコクと頷くと、椿が唐揚げを口に頬張りながらひと口で飲み込むと言った。
「ゆきちゃんはさ、考えすぎなんだよ。この学校はちゃんと俺たちのマーキングとかに配慮してるからさ、授業中だろうが、単位さえ落とさなければ自己責任で資料室利用は当たり前なんだけど。
今までゆきちゃん、他のクラスメイトのそんな行動に気づかなかったのかな?」
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