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俺が譲れる事は
助教授の知り合い
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祥一朗の心配は、まぁ実際俺には全くピンとこない。俺はそもそも通りすがりにフェロモン飛ばされても感じないことが多いからだ。しかも俺のマーキングは結構強力なんじゃないかな?でもゴリラ系はまた別なのかな?
高山助教授は顎に手を当てて俺を見つめた。そして、身を乗り出すと祥一朗に尋ねた。
「秘密じゃなければ、マーキングのメンバーの家系を教えてもらっても良いかな?多分うちの研究室には君達のマーキングと戦えるフェロモン持ってる学生はいないと思うけどね。念のため。」
祥一朗は高山助教授に後の三人の話をした。それをモバイルに打ち込みながら聞いていた高山助教授は、眉を持ち上げて感心したように言った。
「鰐2人に、虎に、獅子。しかも白獅子か…。強いね。黒崎君はずいぶん大事にされてるようだ。…黒崎君自身は一体何の家系か話せるかい?いや、私から当てようか。実は君は、さっき話した知り合いによく似てるんだ。私も最後に会ったのはかなり前だけどね。だからオープンキャンパスの説明会で最初に会った時に驚いたのは、そのせいだ。君は…雪豹。違うかい?」
俺と祥一朗は驚いて目を見開いたと思う。雪豹なんて、ほとんどの人が忘れてしまっている家系だからだ。そして俺はふと、高山助教授の知っている似たようなオーラを持つ知り合いが気になり始めた。それこそ1人しか居ないんじゃないのか?それとも俺たちの知らない遠い親戚か何かが居るんだろうか。
そう思った俺が訝しげに高山助教授を見つめると、彼は肩をすくめて事もなげに言った。
「私は詳しくは知らないが、君の血縁関係じゃないのかな?白山時也って名前に心当たりはあるかい?」
俺は首を振った。そんな名前を聞いたのは初めてだったけれど、そもそも俺は父親の名前を知らない。黒崎姓は母方の苗字だし。多分父親かなと思うけど、名前を知らないから知らないとしか言いようがないんだ。困った俺は祥一朗に助けを求めた。
「祥一朗、俺、父親の名前知らないんだ。」
祥一朗はハッとしてから、俺と目を合わせて頷くと、難しい顔をしてから高山助教授に向き直って言った。
「実は雪弥は自分の父親に会ったことがないんです。もし、高山助教授の仰る知り合いが40~50代だとすると、父親の可能性があると思います。」
高山助教授は顎に手を当てて俺を見つめた。そして、身を乗り出すと祥一朗に尋ねた。
「秘密じゃなければ、マーキングのメンバーの家系を教えてもらっても良いかな?多分うちの研究室には君達のマーキングと戦えるフェロモン持ってる学生はいないと思うけどね。念のため。」
祥一朗は高山助教授に後の三人の話をした。それをモバイルに打ち込みながら聞いていた高山助教授は、眉を持ち上げて感心したように言った。
「鰐2人に、虎に、獅子。しかも白獅子か…。強いね。黒崎君はずいぶん大事にされてるようだ。…黒崎君自身は一体何の家系か話せるかい?いや、私から当てようか。実は君は、さっき話した知り合いによく似てるんだ。私も最後に会ったのはかなり前だけどね。だからオープンキャンパスの説明会で最初に会った時に驚いたのは、そのせいだ。君は…雪豹。違うかい?」
俺と祥一朗は驚いて目を見開いたと思う。雪豹なんて、ほとんどの人が忘れてしまっている家系だからだ。そして俺はふと、高山助教授の知っている似たようなオーラを持つ知り合いが気になり始めた。それこそ1人しか居ないんじゃないのか?それとも俺たちの知らない遠い親戚か何かが居るんだろうか。
そう思った俺が訝しげに高山助教授を見つめると、彼は肩をすくめて事もなげに言った。
「私は詳しくは知らないが、君の血縁関係じゃないのかな?白山時也って名前に心当たりはあるかい?」
俺は首を振った。そんな名前を聞いたのは初めてだったけれど、そもそも俺は父親の名前を知らない。黒崎姓は母方の苗字だし。多分父親かなと思うけど、名前を知らないから知らないとしか言いようがないんだ。困った俺は祥一朗に助けを求めた。
「祥一朗、俺、父親の名前知らないんだ。」
祥一朗はハッとしてから、俺と目を合わせて頷くと、難しい顔をしてから高山助教授に向き直って言った。
「実は雪弥は自分の父親に会ったことがないんです。もし、高山助教授の仰る知り合いが40~50代だとすると、父親の可能性があると思います。」
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