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行きたい学部

覚悟はしたけれど

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俺はついに三人で致すことになるのだろうか…。鎖の関係を複数人と持った時点で考えないようにしていたのだけど、こうして目の前に二人で並ばれると目を逸らし続けることはできない‥よな?

「…あのさ、えーっと。」

動揺して言葉が出ない俺を、困った様に見つめて微笑んだ祥一朗は、急に空気を換えるかの様に、俺の手を繋いでスイートルームを案内し始めた。最上階だけあって、眺めは素晴らしいものだった。

何でもセレブ対策で光の屈折で外からは中がよく見えない仕様になっているらしい。確かにドローンでも飛ばされた日には赤裸々になっちゃうもんな。怖い時代だ。


「だから雪は安心してくれて良いんだよ?」

そう言って微笑む祥一朗の顔が不穏だ。何だか全然安心出来ない…。俺が勘ぐり過ぎなんだろうか。眉をひそめて祥一朗を見上げていたら、秋良が俺の手を引っ張って言った。

「雪、バスルーム凄いんだぜ?ジャグジーから外がバッチリ見えるんだ。」

そう言われて連れて行かれたお風呂は、確かにテンションが上がる仕様で夜景をここからジャグジーに浸かりながら眺めたらきっと随分リラックス出来るだろうな。


俺は段々警戒心が薄れてきて、このスペシャルな部屋に泊まる事が楽しみになってきた。俺はニコニコと嬉しくなって、秋良を振り返ると、秋良はジャグジーのスイッチを入れてお湯を溜め始めた。

あの…、まだ日も高いんですけど。俺は少し秋良から距離を取ったが、俺を見つめた秋良の顔はすっかり雄のギラついた表情だった。喰われるという身の危険を感じる一方で、秋良の格好良さに胸が高鳴るのは、この鎖の関係ではしょうがないことなんだろう。


俺はこうなったら、このセレブ気分を大いに楽しむことに決めて、秋良の首に抱きついて言った。

「二人で俺を貪る気なのか?だったら手加減してくれよ?俺昨日、聖の部屋に監禁されてたんだから…。」

秋良はクスリと笑うと、目を子供の様に輝かせて言った。

「ああ、分かってる。俺たちは雪の事が一番に大事なんだから…。」



俺はのぼせ気味の赤くなった身体を、ひんやりしたシーツの上に横たえて、恨めしげに秋良を見上げた。

「秋良、浴室でのあの言葉は何だったんだ。全然手加減されてない気がするんだけど…。」

結局秋良に浴室で散々準備や愛撫されて、逝かされそうでいけないという、手加減されてるのかされてないのか分からない状況で俺はすっかりのぼせてしまった。ベッドサイドに立つ腰タオルの秋良に後ろから近づいた祥一朗が耳打ちすると、祥一朗は浴室の方へ歩き去っていった。

俺が祥一朗の後ろ姿を見送っていると、秋良ベッドに乗り上がってきた。

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