もふもふと一緒 〜俺は狙われているみたいだ〜

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
上 下
129 / 187
行きたい学部

高山助教授

しおりを挟む
高山助教授の優しい物言いに励まされて、俺は思い切って言ってみた。

「…はい。恥ずかしい話なんですが、俺、あ、僕、フェロモンだとか、オーラだとかの感受性が鈍くて、ほとんど自分じゃ分からないって言うか。それで結構生活に支障が出てまして、困ってるんです。」

高山助教授は顎に手を当てて、考え込みながら俺をじっと見つめた。


「…君は他人からの波動が感じられないのかい?それとも自分が他人に与える方が分からないのかい?」

俺は後ろで立っている三人を、振り返り見て言った。

「…あ、あのマーキング相手からのフェロモンは少しなら自覚出来るようになりました。けれど、自分が出す方に関しては全く分からなくて。僕としては自分で出さないように出来れば生活しやすいんじゃないかって思ったんです。」

高山助教授は頷くと、ゆっくり手を俺に伸ばした。一瞬、肌がピリッとしたけれど、それだけだった。それより後ろの三人の雰囲気が急に悪くなった気がして振り返ると、案の定三人の顔が酷く険しくなっていた。


高山助教授は三人に手を上げてクスッと微笑むと、言った。

「いや、すまない。ちょっとした実験をしたんだ。えーっと、黒崎くんだったかな。何か感じたかい?」

俺は手の甲を指でなぞって答えた。

「…そうですね。少しだけピリッてしました。それだけです。」

目の前の助教授は腕を組んで俺を見つめると言った。


「私が見るに、君はフェロモンやオーラの感受性が他の人よりかなり低いようだ。けれど、自分から放出するオーラとフェロモンは一般的なレベルの10倍以上だ。今の実験は私が君にフェロモンをぶつけてみたんだが、感受性は低いものの、それに反応したフェロモンは出過ぎなくらいだ。自分でそれは感じるかい?」

俺は今、フェロモン出しちゃってるのか?フェロモン出すって、誘ってるって事かな。やばいな、俺。自覚なしで誘惑するとか。俺は少し自分がままならない事に凹んで呟いた。


「いいえ、分かりませんでした。俺のこの引き寄せ体質、本当困ってて…。」

しょぼくれる俺に高山先生はしばらく考え込んでいたけれど、ふと思いついたように言った。

「私の知り合いに君のような体質に詳しい人間がいるんだ。もし良かったら、聞いてあげようか?それに君のような人並外れたオーラを持っている人に研究の協力してもらえると、こちらも助かるんだが…。良かったら研究室へ日を改めて遊びに来ないかい?」
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。

くまだった
BL
 新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。  金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。 貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け ムーンさんで先行投稿してます。 感想頂けたら嬉しいです!

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

処理中です...