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行きたい学部
学部見学
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見渡せば全員の顔がよく見える程度の広さの階段教室で、俺たちは学部説明を聞いていた。何言ってるか分からない所もあったけれど、実験などが多くて結構楽しそうだなと思った。俺のウキウキした様子を横目で見ながら、椿はボソッとつぶやいた。
「…俺はここ無理っぽい。何言ってるか全然分かんない。」
そう言って諦めたように集中を切らしていた。
椿は後継者だから経営か、経済系だと思ってたから変なこと言うなと思ったけれど、ちょうどその時に壇上に学生じゃない人が現れた。その人は自分のことを助教授だと自己紹介した。俺は大学の教授や、助教授ってのは、そこそこの年齢の人ってイメージがあったから、20代後半に見えるその人を俺は随分と若い先生だなと思って見つめていた。
その助教授は自分の研究してる内容をざっくり説明したのだけど、その内容に俺は目を見開く思いだった。俺が日頃悩んでるフェロモンやオーラの研究だったんだ。その教授の話が面白すぎて、俺は前のめりになっていた。説明会が終了すると、俺は慌てて壇上に居るその助教授の元へ駆け寄った。
「あ、あの!すみません!僕、恵風学園の二年、黒崎雪弥です。高山先生の研究に凄く興味を惹かれたんですけど、少し質問しても宜しいでしょうか?」
メガネを掛けた背の高い先生は秋良ぐらい背が高くて、聖に負けないくらいマッチョなのに、縁なし眼鏡がよく似合う知的な眼差しをしていた。先生は俺を見ると少し驚いた顔をしたけれど、直ぐに何を考えているか読めない穏やかな表情で俺に向き直った。
「こんにちは。今日はオープンキャンパスにようこそ。黒崎雪弥くん…。質問?どんな事かな?」
俺の後から三人が遅れて辿り着いた様子だったが、先生はチラッと目線を投げただけで、俺の言葉を待っていた。
「あの、先生の研究はフェロモンの特徴や影響力、オーラの発生条件など、多岐に渡ってるようでしたけれど、それを自己コントロールする研究はしていますか?」
先生は少し考え込むような素振りで居たけれど、俺を頭のてっぺんから足元までゆっくり興味深く眺めると、最後に俺の顔を見つめて言った。
「‥フェロモンに関しては普通は無意識にコントロールしているものだけれど、オーラに関しては今の時点でコントロールは出来ないとされている。が、今の研究の進み具合ではもう直ぐ可能になる状況だ。君はそれらをコントロールしたいのかい?」
「…俺はここ無理っぽい。何言ってるか全然分かんない。」
そう言って諦めたように集中を切らしていた。
椿は後継者だから経営か、経済系だと思ってたから変なこと言うなと思ったけれど、ちょうどその時に壇上に学生じゃない人が現れた。その人は自分のことを助教授だと自己紹介した。俺は大学の教授や、助教授ってのは、そこそこの年齢の人ってイメージがあったから、20代後半に見えるその人を俺は随分と若い先生だなと思って見つめていた。
その助教授は自分の研究してる内容をざっくり説明したのだけど、その内容に俺は目を見開く思いだった。俺が日頃悩んでるフェロモンやオーラの研究だったんだ。その教授の話が面白すぎて、俺は前のめりになっていた。説明会が終了すると、俺は慌てて壇上に居るその助教授の元へ駆け寄った。
「あ、あの!すみません!僕、恵風学園の二年、黒崎雪弥です。高山先生の研究に凄く興味を惹かれたんですけど、少し質問しても宜しいでしょうか?」
メガネを掛けた背の高い先生は秋良ぐらい背が高くて、聖に負けないくらいマッチョなのに、縁なし眼鏡がよく似合う知的な眼差しをしていた。先生は俺を見ると少し驚いた顔をしたけれど、直ぐに何を考えているか読めない穏やかな表情で俺に向き直った。
「こんにちは。今日はオープンキャンパスにようこそ。黒崎雪弥くん…。質問?どんな事かな?」
俺の後から三人が遅れて辿り着いた様子だったが、先生はチラッと目線を投げただけで、俺の言葉を待っていた。
「あの、先生の研究はフェロモンの特徴や影響力、オーラの発生条件など、多岐に渡ってるようでしたけれど、それを自己コントロールする研究はしていますか?」
先生は少し考え込むような素振りで居たけれど、俺を頭のてっぺんから足元までゆっくり興味深く眺めると、最後に俺の顔を見つめて言った。
「‥フェロモンに関しては普通は無意識にコントロールしているものだけれど、オーラに関しては今の時点でコントロールは出来ないとされている。が、今の研究の進み具合ではもう直ぐ可能になる状況だ。君はそれらをコントロールしたいのかい?」
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