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俺たちの進路
友達が欲しい
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俺は最近、発情期前の変な注目のされ方をしていた頃の警戒心がすっかりなくなっていた。その反動か、普通の学生生活がしたいという湧き上がる欲求が、今までの分も溢れてきてるんだ。俺はまだツアーが出発しないのを横目で見ながら秋良に聞いた。
「なぁ、俺って友達作れないのかな?女の子しか恋愛対象じゃない男とか大丈夫だろ?最近、教室でも一部女子たちとは結構仲良くしてるよ。あんな風に友達増やしたいんだけど。」
秋良は聖と椿を見つめながら言った。
「…あー、どーかなぁ。問題はオーラだよなぁ。俺たちは雪が女子たちと仲良くしてくれる分には安心だけどね。実際俺たちだって、男だけがターゲットだった訳じゃないんだよね。聖、お前昔からどっちかというと女の子ばっかりだったろ?そこはどう考える?女子が指向の男を雪に近づけても大丈夫か?」
俺は今までその手の性的な事、恋愛的な事には、自分自身は勿論、周囲の人間のプライベートに関しても無関心だった。そっか、こいつらは男女どっちも対象だったな。今も?そう考えて、俺は少しモヤモヤを感じた。こんな時、俺は自分がこの世界にフィットしてないと感じてしまう。俺が異端なんだ、きっと。
「雪、どうした?」
優しい声で呼びかける聖に、俺はハッとして首を振って笑って誤魔化した。聖はちょっと考え込んだ眼差しで俺を見つめると、スッと近づいてきてぎゅっと抱きしめた。
「雪が不安になることなんて、何ひとつ無いんだ。俺は確かに雪が側にいる中学時代から、どちらかと言うと女の子の方が好きだった。秋良や聖みたいに雪に執着してた訳でもないし。でも、そうだな。近くにいたらやっぱり雪に食われるんだと思うよ。知らず知らずに心を喰われて、気づけば俺の心は全部雪の身体の中に入ってるっていうか。」
隣に居た椿が頭に後ろで手を組んで言った。
「そっかー。やっぱり男の友達はナシじゃないの?それともちょっとだけ話すレベルでいいの?ゆきちゃん、さっきみたいに懐いちゃって、知らずに聖のパターンてのも困るし。俺は反対。店長の匠さんや、楓さん?みたいなタイプなら大丈夫かもしれないけど。歳が近いとゆきちゃんのオーラにどうしても引きずられるよね?」
俺は聖の腕の中で、ハッと顔を上げて言った。
「なぁ、じゃあさ、オーラ出さないようにするってのどう?」
「なぁ、俺って友達作れないのかな?女の子しか恋愛対象じゃない男とか大丈夫だろ?最近、教室でも一部女子たちとは結構仲良くしてるよ。あんな風に友達増やしたいんだけど。」
秋良は聖と椿を見つめながら言った。
「…あー、どーかなぁ。問題はオーラだよなぁ。俺たちは雪が女子たちと仲良くしてくれる分には安心だけどね。実際俺たちだって、男だけがターゲットだった訳じゃないんだよね。聖、お前昔からどっちかというと女の子ばっかりだったろ?そこはどう考える?女子が指向の男を雪に近づけても大丈夫か?」
俺は今までその手の性的な事、恋愛的な事には、自分自身は勿論、周囲の人間のプライベートに関しても無関心だった。そっか、こいつらは男女どっちも対象だったな。今も?そう考えて、俺は少しモヤモヤを感じた。こんな時、俺は自分がこの世界にフィットしてないと感じてしまう。俺が異端なんだ、きっと。
「雪、どうした?」
優しい声で呼びかける聖に、俺はハッとして首を振って笑って誤魔化した。聖はちょっと考え込んだ眼差しで俺を見つめると、スッと近づいてきてぎゅっと抱きしめた。
「雪が不安になることなんて、何ひとつ無いんだ。俺は確かに雪が側にいる中学時代から、どちらかと言うと女の子の方が好きだった。秋良や聖みたいに雪に執着してた訳でもないし。でも、そうだな。近くにいたらやっぱり雪に食われるんだと思うよ。知らず知らずに心を喰われて、気づけば俺の心は全部雪の身体の中に入ってるっていうか。」
隣に居た椿が頭に後ろで手を組んで言った。
「そっかー。やっぱり男の友達はナシじゃないの?それともちょっとだけ話すレベルでいいの?ゆきちゃん、さっきみたいに懐いちゃって、知らずに聖のパターンてのも困るし。俺は反対。店長の匠さんや、楓さん?みたいなタイプなら大丈夫かもしれないけど。歳が近いとゆきちゃんのオーラにどうしても引きずられるよね?」
俺は聖の腕の中で、ハッと顔を上げて言った。
「なぁ、じゃあさ、オーラ出さないようにするってのどう?」
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