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俺たちの進路
必要なこと
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「…俺はまだ将来の事は良く分からないんだ。だから、取り敢えず自分に何が出来るか知るために大学へ行くよ。祥一朗を見てて、自分で色々考えて実行するのも楽しそうだなと思ったし。理系か、文系かは…。文系の方が性に合ってるかもね。
それで、相談なんだけど、やっぱり実際に色々な大学に見学行った方がよく分かるんじゃないかって思って。一緒に行ってくれる?」
三人はまたお互いの顔を見回して、アイコンタクトをすると秋良が言った。
「俺たちも見学は行くつもりだったから、それは良いんだけど。雪はそのまま行くのはどうかな…。いっそ変装するとかしないと厳しいと思う。」
変装?俺が変装するなら、お前たちもだろう?でもここで反発すると、大学見学自体も無くなりそうな空気だったので、俺は渋々頷いた。それでも何となく納得できなくて俺は椿を見つめて言った。
「俺が変装するなら、椿だって必要じゃんか。そんな芸能人ばりの顔引っ提げて見学行ったら、大学生に囲まれるんじゃねぇ?」
椿は俺を嬉しそうに見つめて言った。
「えー?ゆきちゃん、もしかして褒めてくれてるの⁉︎ 嬉しいっ。でも俺は結構顔バレしてるから、あんまり隠す意味ないんだよね。それになんて言うか、滲み出るイケメンオーラ炸裂で、隠し切れないんだよぉ。」
俺たちは途中から聞く気が失せて、秋良たちと、どこの大学へ見学に行くかそれぞれスマホで調べ始めた。いじけた椿に抱き抱えられながら、俺は祥一朗と姉貴の行ってる応明大ともう1箇所をリクエストして、俺たちは大学見学スケジュールを組んだ。
実際各大学の方でもオープンキャンパスのシーズンで、俺たちのように高校生が沢山見学へ行くのでその中に紛れ込む事が出来そうだ。制服だと身バレしそうなので、俺たちは私服で行くことに決めた。
俺は適当にあるものを着ていこうと思っていたけれど、聖が俺の髪を染め直すついでに変装のアドバイスもしてもらった方がいいって言い張るので、またあの店の店長、匠さんに頼むことにした。
俺たちは朝イチであの店に向かうべく秋良の部屋を出ていこうとしたんだけど、俺の目の前でドアが閉められてしまった。
「…雪、後で送って行くから。いいだろ?」
そう甘い顔でささやかれた俺は、あっという間に口付けられて、蕩けさせられて、気がつけば朝になっていた。
お泊まりは土曜日じゃなかったっけ⁉︎油断した俺が悪いのか、快楽に弱い俺が悪いのか、秋良の手が早いのか…。俺が秋良の腕の中で寝ぼけた頭でしばし考え込んでいると、秋良は裸の俺を優しく撫でながら言った。
「悪いのは俺だ。雪が足りないと我慢出来ないんだ…。」
そう言って微笑んだ。俺は秋良に触れるキスを返すと言った。
「あいつらへの言い訳は、秋良が考えろよ?」
それで、相談なんだけど、やっぱり実際に色々な大学に見学行った方がよく分かるんじゃないかって思って。一緒に行ってくれる?」
三人はまたお互いの顔を見回して、アイコンタクトをすると秋良が言った。
「俺たちも見学は行くつもりだったから、それは良いんだけど。雪はそのまま行くのはどうかな…。いっそ変装するとかしないと厳しいと思う。」
変装?俺が変装するなら、お前たちもだろう?でもここで反発すると、大学見学自体も無くなりそうな空気だったので、俺は渋々頷いた。それでも何となく納得できなくて俺は椿を見つめて言った。
「俺が変装するなら、椿だって必要じゃんか。そんな芸能人ばりの顔引っ提げて見学行ったら、大学生に囲まれるんじゃねぇ?」
椿は俺を嬉しそうに見つめて言った。
「えー?ゆきちゃん、もしかして褒めてくれてるの⁉︎ 嬉しいっ。でも俺は結構顔バレしてるから、あんまり隠す意味ないんだよね。それになんて言うか、滲み出るイケメンオーラ炸裂で、隠し切れないんだよぉ。」
俺たちは途中から聞く気が失せて、秋良たちと、どこの大学へ見学に行くかそれぞれスマホで調べ始めた。いじけた椿に抱き抱えられながら、俺は祥一朗と姉貴の行ってる応明大ともう1箇所をリクエストして、俺たちは大学見学スケジュールを組んだ。
実際各大学の方でもオープンキャンパスのシーズンで、俺たちのように高校生が沢山見学へ行くのでその中に紛れ込む事が出来そうだ。制服だと身バレしそうなので、俺たちは私服で行くことに決めた。
俺は適当にあるものを着ていこうと思っていたけれど、聖が俺の髪を染め直すついでに変装のアドバイスもしてもらった方がいいって言い張るので、またあの店の店長、匠さんに頼むことにした。
俺たちは朝イチであの店に向かうべく秋良の部屋を出ていこうとしたんだけど、俺の目の前でドアが閉められてしまった。
「…雪、後で送って行くから。いいだろ?」
そう甘い顔でささやかれた俺は、あっという間に口付けられて、蕩けさせられて、気がつけば朝になっていた。
お泊まりは土曜日じゃなかったっけ⁉︎油断した俺が悪いのか、快楽に弱い俺が悪いのか、秋良の手が早いのか…。俺が秋良の腕の中で寝ぼけた頭でしばし考え込んでいると、秋良は裸の俺を優しく撫でながら言った。
「悪いのは俺だ。雪が足りないと我慢出来ないんだ…。」
そう言って微笑んだ。俺は秋良に触れるキスを返すと言った。
「あいつらへの言い訳は、秋良が考えろよ?」
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