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俺たちの進路
俺の進路が大事です
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「雪はどっち?お前は頭良いからどっちもありかな?」
秋良に進路希望の用紙を覗き込まれながら、俺はペンをカジって考え込んでいた。俺は祥一朗の大学へ行ってから、ボンヤリとだけど将来のことを考える様になった。
「なぁ、秋良は家の会社へ入るのか?‥椿は考えなくても跡継ぎだしな。聖は…プロになるにしろ、せっかくこの学校出身なんだから進学しないのは勿体無いと俺は思うぞ?」
俺がみんなを見回して言うと、三人はお互いをチラッと見てから突っつき合った。俺が何してるのかと眉を顰めると、椿が言った。
「俺たちはさ、ゆきちゃんの側に居たいから、ゆきちゃんが進路決めてくれないと決まらないんだよね。」
俺はびっくりして、齧っていたペンを口から落とした。何だそれ。俺が三人の人生を背負ってるって事なのか?俺はその時初めて鎖の重さを実感として感じたんだ。俺は頭に浮かんだ疑問を口にした。
「そんな事言われても困る…。えっと、俺が行く大学へみんなも行くって事?」
聖が頭を掻きながら言った。
「んーと、必要ならそうだけど。実際雪は頭良いから、俺が雪の行きたい大学へ入れるかっていうと微妙だよな。今の時点で雪と同じ大学行けるのって秋良ぐらいだろ?
もっと先の話で、雪のやりたい仕事にタイアップするっていうか。俺は、場合によっては、雪の護衛を兼ねてそっち系の会社作るのはどうかなって考えてる。大人になれば余計守りは必要になると思うからさ。」
俺は聖がずっと先のことまで俺を中心に考えてくれてることに感動してしまった。一方で、俺が何も考えてないことに訳もなく焦りを感じたのは確かだ。俺は聖が急に眩しく思えて思わず呟いていた。
「聖って、カッコいいな…。俺、聖って何も考えてない野性人だと思ってたから。何か感動したし、尊敬する。」
椿が耐えられない様に吹き出すとお腹を抱えて笑った。秋良もニヤニヤしている。
「ちょっと、ゆきちゃん。野性人って何さ。聖良かったね、人間に昇格したみたいだよ?」
聖は二人を睨むと、俺を甘い眼差しで見つめて言った。
「雪は、野性味あふれる野獣の俺の事好きだもんな。雪をあんなに乱れさせるの俺くらいだろ?」
俺が聖とのあれこれを連想して動揺すると、途端に椿と秋良から不穏な空気が漂い始めたので、俺は慌てて言った。
「分かった!漠然とした事で良いなら、俺が今考えてる事言うから!俺とのエッチ言うの禁止!」
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俺がみんなを見回して言うと、三人はお互いをチラッと見てから突っつき合った。俺が何してるのかと眉を顰めると、椿が言った。
「俺たちはさ、ゆきちゃんの側に居たいから、ゆきちゃんが進路決めてくれないと決まらないんだよね。」
俺はびっくりして、齧っていたペンを口から落とした。何だそれ。俺が三人の人生を背負ってるって事なのか?俺はその時初めて鎖の重さを実感として感じたんだ。俺は頭に浮かんだ疑問を口にした。
「そんな事言われても困る…。えっと、俺が行く大学へみんなも行くって事?」
聖が頭を掻きながら言った。
「んーと、必要ならそうだけど。実際雪は頭良いから、俺が雪の行きたい大学へ入れるかっていうと微妙だよな。今の時点で雪と同じ大学行けるのって秋良ぐらいだろ?
もっと先の話で、雪のやりたい仕事にタイアップするっていうか。俺は、場合によっては、雪の護衛を兼ねてそっち系の会社作るのはどうかなって考えてる。大人になれば余計守りは必要になると思うからさ。」
俺は聖がずっと先のことまで俺を中心に考えてくれてることに感動してしまった。一方で、俺が何も考えてないことに訳もなく焦りを感じたのは確かだ。俺は聖が急に眩しく思えて思わず呟いていた。
「聖って、カッコいいな…。俺、聖って何も考えてない野性人だと思ってたから。何か感動したし、尊敬する。」
椿が耐えられない様に吹き出すとお腹を抱えて笑った。秋良もニヤニヤしている。
「ちょっと、ゆきちゃん。野性人って何さ。聖良かったね、人間に昇格したみたいだよ?」
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「雪は、野性味あふれる野獣の俺の事好きだもんな。雪をあんなに乱れさせるの俺くらいだろ?」
俺が聖とのあれこれを連想して動揺すると、途端に椿と秋良から不穏な空気が漂い始めたので、俺は慌てて言った。
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