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俺の祥一朗
黒崎兄弟
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「雪弥。なんの騒ぎかと思ったらあんただったの?」
俺たちが、祥一朗の友人らしき人達と話してる最中に声を掛けてきたのは、姉貴の美玲だった。姉貴は明らかに猛獣系の取り巻きを引き連れていた。俺は家以外での姉貴を見るのが珍しくて、まじまじと観察してしまった。
「姉貴。何だ、立派に大学生やってるんだ。ちゃんとそれっぽいな。」
姉貴は俺の揶揄いに肩をすくめると、俺と祥一朗、祥一朗の友人たちを見回して言った。
「通りかかったら、何だかすごい騒ぎになってるから。鱗川くんが男子高校生とキスしてるって。まさかと思って確認しに来たら、こうだもの。どうゆうつもりなの?」
俺は、面白そうな顔をしてる姉貴を睨みながら言った。
「姉貴が言ったんじゃないか。祥一朗がロリコン疑惑で可哀想だって。俺気になっちゃって、今日は大学見学がてら噂の払拭しに来たわけ。でももう解決したっぽいから、帰るとこ。見学はまたゆっくり秋良たちと来るよ。あ!祥一朗、これ、俺の姉貴の美玲。知ってるんだっけ?姉貴、こちら鱗川祥一朗。あ、知ってるよね。」
祥一朗は、手を差し出して言った。
「お噂はかねがね聞いてます。私は鱗川祥一朗です。雪弥の恋人の一人です。雪弥を独り占めするのは勉強でトップになるより難しい。これから長い付き合いになると思いますがよろしくお願いします、黒崎さん。」
姉貴は眉を上げて、少し面食らった様子で、祥一朗と軽く握手すると答えた。
「私はあんまりこの子と接点は無いのよ。でも、これからは前よりは仲良く出来そうだわ。まぁ、雪弥もこれから苦労しそうだから、色々よろしくお願いします。」
俺は何だか蚊帳の外で放っておかれてる気がして、祥一朗と繋いだ手を引っ張って言った。
「なぁ、二人して俺の事子供扱いするなよ。全く。」
祥一朗と姉貴は同時に俺を見た。
「子供でしょ?」
「子供じゃない。」
俺は肩をすくめて、祥一朗と繋いだ手を高く挙げると言った。
「俺も祥一朗に一票。祥一朗、帰ろ?」
祥一朗が俺に甘やかな笑顔を向けた瞬間、そばにいた祥一朗の金色の強い眼差しの友人が、慌てて話しかけてきた。
「鱗川!…もしかして、その子、黒崎美玲さんの弟さんなのか⁉︎」
祥一朗は話しかけてきた友人たちを一瞥すると、面倒臭そうに言った。
「ああ、そうだな。私も知ったのはつい最近のことだが。さぁ、帰ろう雪弥。」
そう言って祥一朗は俺の手を引っ張ると、欲望の滲む眼差しで俺を見つめて歩き出した。
俺たちが、祥一朗の友人らしき人達と話してる最中に声を掛けてきたのは、姉貴の美玲だった。姉貴は明らかに猛獣系の取り巻きを引き連れていた。俺は家以外での姉貴を見るのが珍しくて、まじまじと観察してしまった。
「姉貴。何だ、立派に大学生やってるんだ。ちゃんとそれっぽいな。」
姉貴は俺の揶揄いに肩をすくめると、俺と祥一朗、祥一朗の友人たちを見回して言った。
「通りかかったら、何だかすごい騒ぎになってるから。鱗川くんが男子高校生とキスしてるって。まさかと思って確認しに来たら、こうだもの。どうゆうつもりなの?」
俺は、面白そうな顔をしてる姉貴を睨みながら言った。
「姉貴が言ったんじゃないか。祥一朗がロリコン疑惑で可哀想だって。俺気になっちゃって、今日は大学見学がてら噂の払拭しに来たわけ。でももう解決したっぽいから、帰るとこ。見学はまたゆっくり秋良たちと来るよ。あ!祥一朗、これ、俺の姉貴の美玲。知ってるんだっけ?姉貴、こちら鱗川祥一朗。あ、知ってるよね。」
祥一朗は、手を差し出して言った。
「お噂はかねがね聞いてます。私は鱗川祥一朗です。雪弥の恋人の一人です。雪弥を独り占めするのは勉強でトップになるより難しい。これから長い付き合いになると思いますがよろしくお願いします、黒崎さん。」
姉貴は眉を上げて、少し面食らった様子で、祥一朗と軽く握手すると答えた。
「私はあんまりこの子と接点は無いのよ。でも、これからは前よりは仲良く出来そうだわ。まぁ、雪弥もこれから苦労しそうだから、色々よろしくお願いします。」
俺は何だか蚊帳の外で放っておかれてる気がして、祥一朗と繋いだ手を引っ張って言った。
「なぁ、二人して俺の事子供扱いするなよ。全く。」
祥一朗と姉貴は同時に俺を見た。
「子供でしょ?」
「子供じゃない。」
俺は肩をすくめて、祥一朗と繋いだ手を高く挙げると言った。
「俺も祥一朗に一票。祥一朗、帰ろ?」
祥一朗が俺に甘やかな笑顔を向けた瞬間、そばにいた祥一朗の金色の強い眼差しの友人が、慌てて話しかけてきた。
「鱗川!…もしかして、その子、黒崎美玲さんの弟さんなのか⁉︎」
祥一朗は話しかけてきた友人たちを一瞥すると、面倒臭そうに言った。
「ああ、そうだな。私も知ったのはつい最近のことだが。さぁ、帰ろう雪弥。」
そう言って祥一朗は俺の手を引っ張ると、欲望の滲む眼差しで俺を見つめて歩き出した。
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