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俺の祥一朗
見学へ行く理由
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結局、皆が心配するので俺の行動規定が、俺そっちのけで話し合われて決まってしまった。取り敢えずマーキングと鎖で、学園内は自由に行動できそうだ。ただ、門を一歩でも出る時は、この4人のうちの1人と車で、あるいは2人以上なら電車も可とか、細かいルールが決まってしまった。
俺は勿論不満だらけだったけど、皆が心配してるのは分かってたし。それに変な奴らに拐かされたくも、付き纏われたくもなかった。渋々頷くと、ホッとした顔で皆が俺を優しく見つめるので、俺は恥ずかしくなって俯いてしまった。
皆が帰り支度を始めると、俺はそう言えばと祥一朗に言った。
「なぁ、祥一朗。明日学校が半休だから、午後大学へ会いに行ってもいいかな?」
皆が何を言い出したのかと俺を見るので、俺はニヤリとしながら祥一朗を見つめて言った。
「そろそろ進路も決めないといけないかなって。先日姉貴と話してて思ったんだよね。一度祥一朗の大学、見学に行きたいなと思って。案内してよ。」
祥一朗は少し戸惑っていた様子だったが、了承すると学園まで迎えに行くと聞かなかった。その夜、寮に戻った俺たちはダイニングルームで夕食を取っていた。相変わらず周囲の視線が五月蝿いけれど、俺は中学時代から身につけたスルースキルを発動して食事を楽しんでいた。
「なぁ、何で急に大学見学なんて言い出したんだよ。」
聖が俺を見つめながら、大盛りの天丼をかき込みながら聞いてきた。俺は姉貴から聞いた話を思い出してクスリと笑った。
「姉貴と話してたら、姉貴が祥一朗の大学での噂を教えてくれてさ。祥一朗、今大学でロリコン疑惑が掛かってるんだって。」
皆が一斉に顔を上げて、箸も止まった。椿が驚いた顔で興奮して訊ねた。
「えー!どうゆう事⁉︎祥一朗先輩ってそんな性癖あるの?」
おいおい、更に誤解を拡げるようなこと言うなよ。周りの生徒が聞き耳たててるじゃんか。俺は首を振ると、ちょっと声をひそめて答えた。
「違うって。ほら、俺の発情期に付き合わせただろ?あれで、祥一朗がロリコン疑惑かかってるみたいでさ。ほら、普通発情期って中坊だからさ。あの見た目の祥一朗が中坊の発情期の相手って想像したら、誰でも誤解しちゃうだろ?可哀想だから、俺が行って誤解を解いてやろうと思って。」
俺は勿論不満だらけだったけど、皆が心配してるのは分かってたし。それに変な奴らに拐かされたくも、付き纏われたくもなかった。渋々頷くと、ホッとした顔で皆が俺を優しく見つめるので、俺は恥ずかしくなって俯いてしまった。
皆が帰り支度を始めると、俺はそう言えばと祥一朗に言った。
「なぁ、祥一朗。明日学校が半休だから、午後大学へ会いに行ってもいいかな?」
皆が何を言い出したのかと俺を見るので、俺はニヤリとしながら祥一朗を見つめて言った。
「そろそろ進路も決めないといけないかなって。先日姉貴と話してて思ったんだよね。一度祥一朗の大学、見学に行きたいなと思って。案内してよ。」
祥一朗は少し戸惑っていた様子だったが、了承すると学園まで迎えに行くと聞かなかった。その夜、寮に戻った俺たちはダイニングルームで夕食を取っていた。相変わらず周囲の視線が五月蝿いけれど、俺は中学時代から身につけたスルースキルを発動して食事を楽しんでいた。
「なぁ、何で急に大学見学なんて言い出したんだよ。」
聖が俺を見つめながら、大盛りの天丼をかき込みながら聞いてきた。俺は姉貴から聞いた話を思い出してクスリと笑った。
「姉貴と話してたら、姉貴が祥一朗の大学での噂を教えてくれてさ。祥一朗、今大学でロリコン疑惑が掛かってるんだって。」
皆が一斉に顔を上げて、箸も止まった。椿が驚いた顔で興奮して訊ねた。
「えー!どうゆう事⁉︎祥一朗先輩ってそんな性癖あるの?」
おいおい、更に誤解を拡げるようなこと言うなよ。周りの生徒が聞き耳たててるじゃんか。俺は首を振ると、ちょっと声をひそめて答えた。
「違うって。ほら、俺の発情期に付き合わせただろ?あれで、祥一朗がロリコン疑惑かかってるみたいでさ。ほら、普通発情期って中坊だからさ。あの見た目の祥一朗が中坊の発情期の相手って想像したら、誰でも誤解しちゃうだろ?可哀想だから、俺が行って誤解を解いてやろうと思って。」
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