78 / 187
再びの学校生活へ
聖のお迎え
しおりを挟む
聖が俺を迎えに来たのは、寝坊した俺たちが朝からシャワーを一緒に浴びて、朝からぎりぎりの線を攻めてくる椿をいさめた後だった。
まだ雫が垂れた俺の髪をタオルで拭きながら、椿に小言を言う聖は、いつになく口数が多かった。どうせ食べてないだろうと、学校の近くのパン屋で洒落たバゲットサンドを差し入れてくれた聖は、意外にマメなところがある。
「どうせ椿はギリギリまで雪を離さないと思ったから、予想して来たけど、想像通りだったな。ここのパン屋は雪が好きだろ?毎日朝走ってるから、朝だけ売ってるバゲットサンドを食べさせたかったんだ。」
そう言って、一緒に俺にバゲットとカフェラテを差し出す目の前の男は、いつもの聖では無い様だった。俺はいつになく聖の顔を見つめながら、思った。俺たちはいつも側に居るけれど、その実一人一人と真っ直ぐに向き合って来たわけじゃないと。だから、二人だけで過ごす時間は、いつもとは全然違うんだろう。
秋良や椿がそうだった様に、きっと聖もいつもと違う、あるいはいつも以上の姿を見ることが出来るのかと、少しワクワクする気分で俺は口に美味しいバゲットを押し込みながらもぐもぐと口を忙しく動かしていた。
そんな俺を見て、聖は口角を上げてニヤリと笑うと、喉に詰まるぞと俺のカフェラテのストローを口元に差し出した。俺は言われるがままにゴクゴクと飲みながら、じっと聖を見つめた。聖は少し咳払いをして参ったなと言いながら、自分の短い髪に手を差し込んでこめかみを撫でた。
そんな俺たちを見ながら、一緒に食べていた椿は不貞腐れた様にバゲットサンドに齧り付くと言った。
「んぐ。全く。すっかり俺は眼中に無しか。ゆきちゃん、まだここ、俺の部屋なんだからね?」
俺は二日間散々貪られた事を思い出して、しかも聖のマーキングが連続して続くと言われたのにも関わらず、手加減無しだった事に、思わずジト目で見つめた。れども、一方で昨日の夜中は明らかに俺から仕掛けたのは明らかだったので、椿ばかりを責めるわけにもいかず、俺は小さな葛藤をバゲットにぶつけた。
「椿、雪に手加減したんだろうな?今日明日の俺たちのために、雪の体力を残してくれた事を祈るよ。」
椿はそう言う聖を見つめると、悪戯っぽい顔になって言ったんだ。
「聖、ゆきちゃんはこんな可愛い顔して、魔性だからね、覚悟した方がいいよ?」
まだ雫が垂れた俺の髪をタオルで拭きながら、椿に小言を言う聖は、いつになく口数が多かった。どうせ食べてないだろうと、学校の近くのパン屋で洒落たバゲットサンドを差し入れてくれた聖は、意外にマメなところがある。
「どうせ椿はギリギリまで雪を離さないと思ったから、予想して来たけど、想像通りだったな。ここのパン屋は雪が好きだろ?毎日朝走ってるから、朝だけ売ってるバゲットサンドを食べさせたかったんだ。」
そう言って、一緒に俺にバゲットとカフェラテを差し出す目の前の男は、いつもの聖では無い様だった。俺はいつになく聖の顔を見つめながら、思った。俺たちはいつも側に居るけれど、その実一人一人と真っ直ぐに向き合って来たわけじゃないと。だから、二人だけで過ごす時間は、いつもとは全然違うんだろう。
秋良や椿がそうだった様に、きっと聖もいつもと違う、あるいはいつも以上の姿を見ることが出来るのかと、少しワクワクする気分で俺は口に美味しいバゲットを押し込みながらもぐもぐと口を忙しく動かしていた。
そんな俺を見て、聖は口角を上げてニヤリと笑うと、喉に詰まるぞと俺のカフェラテのストローを口元に差し出した。俺は言われるがままにゴクゴクと飲みながら、じっと聖を見つめた。聖は少し咳払いをして参ったなと言いながら、自分の短い髪に手を差し込んでこめかみを撫でた。
そんな俺たちを見ながら、一緒に食べていた椿は不貞腐れた様にバゲットサンドに齧り付くと言った。
「んぐ。全く。すっかり俺は眼中に無しか。ゆきちゃん、まだここ、俺の部屋なんだからね?」
俺は二日間散々貪られた事を思い出して、しかも聖のマーキングが連続して続くと言われたのにも関わらず、手加減無しだった事に、思わずジト目で見つめた。れども、一方で昨日の夜中は明らかに俺から仕掛けたのは明らかだったので、椿ばかりを責めるわけにもいかず、俺は小さな葛藤をバゲットにぶつけた。
「椿、雪に手加減したんだろうな?今日明日の俺たちのために、雪の体力を残してくれた事を祈るよ。」
椿はそう言う聖を見つめると、悪戯っぽい顔になって言ったんだ。
「聖、ゆきちゃんはこんな可愛い顔して、魔性だからね、覚悟した方がいいよ?」
21
お気に入りに追加
1,204
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
αなのに、αの親友とできてしまった話。
おはぎ
BL
何となく気持ち悪さが続いた大学生の市ヶ谷 春。
嫌な予感を感じながらも、恐る恐る妊娠検査薬の表示を覗き込んだら、できてました。
魔が差して、1度寝ただけ、それだけだったはずの親友のα、葛城 海斗との間にできてしまっていたらしい。
だけれど、春はαだった。
オメガバースです。苦手な人は注意。
α×α
誤字脱字多いかと思われますが、すみません。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる