もふもふと一緒 〜俺は狙われているみたいだ〜

再びの学校生活へ

俺の体力

結局、俺が椿から解放されたのはすっかり夜になった時間だった。流石に二人とも腹が減って、椿が頼んだ宅配ピザを秋良が部屋まで届けてくれたらしかった。俺は椿の助けでシャワーを浴びた後、ベッドでぐったり転がっていたけれど、椿は足取りも軽くチャイムの音にドアを開けると、何やら話していた。

俺は痛む腰をさすりながら、ゆっくりと身を起こした。すると話が終わったのか椿が自分の引き出しからTシャツを手にやって来た。

「あ、起き上がれた？ダメだったらお姫様抱っこしようと思ったんだけど。ふふ、これ着られる？」

俺は両手を上に挙げて、椿を待った。


椿は俺を赤らんだ顔で見つめると、はにかみながら、丁寧に俺にTシャツを着せてくれた。着せ終わると、俺をそっと抱きしめて言った。

「はー、何これ。俺を萌え殺す気だよね？ゆきちゃんが、俺にこんなに懐いて甘えるなんて、この胸に湧き上がるウズウズとした感情をどうしたら…。ああ、もうこれ新婚じゃない？俺たちラブラブだよね？」

俺は椿がとんでもない方向へ思考を飛ばすので、焦って椿の顔を両手で挟むと言った。

「な、なぁ、ピザ食べるんだろ？あ、あと俺に…パンツくれ。」


椿は俺に蕩ける様な笑顔を見せると、唇にチュ、チュ、チュと終わらないキスを浴びせた後、俺の抵抗に渋々顔を引き剥がすと新しいパンツを取りに行った。新品のパンツは俺のサイズだった様だけど、ビキニだったのは何か意図があるんだろうか。だって、椿はビキニじゃない…。

後ろを振り向くと、ギラついた顔で椿は俺の尻を食い入る様に見ていた。俺はTシャツをグイグイと引き下げると、椿を睨んでいった。

「お前が変なパンツ用意するからだろ？もう二度と履かないから。」

椿は顔を両手で覆って天井を見上げてため息を吐いた。


「あー、これって自分を追い込んでるだけじゃんね？何で昨日履かせなかったんだ俺は。そうしたら凄いエッチな事出来たのに！あ、でも明日聖が迎えに来るまで時間あるよな？」

最後の方はほとんど独り言だったけれど、俺は何だか怖い事を聞いた気がして恐る恐る椿に尋ねた。

「な、なぁ、今、聖がどうとか言った？」

椿はキョトンとして俺を見つめると、自分もTシャツを頭から被りながら言った。

「ああ。日曜日と月曜日は聖のマーキングだろ？あれ？言ってなかったっけ。」

俺はきっと青ざめたと思う。だから怒ってもいいよな？


「…俺を殺す気か！」