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再びの学校生活へ

目覚めからの反省とは

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ああ、またタガを外してしまった…。俺はすっかり日が昇っていると分かるカーテンの隙間から差し込む光の帯が、モノトーンのラグをキラキラときらめかせるのを見つめていた。気怠くて動く気にはなれないけれど、俺の若い身体はエネルギーの補給を必要としていた。キィと鳴った中扉から顔を出した椿が、俺が目を覚ましたのに気づいたのか手に持っていた紙袋をテーブルに置くと、ニコニコと近づいてきた。

それでも動けない俺は、多分寝ぼけた顔で椿が俺の側に跪くのを見つめた。椿はさっきまでニコニコしていた顔を引っ込めると、顔をしかめて心配そうに言った。

「…あれ?ゆきちゃんもしかして全然動けないの?俺、そんなに無理させちゃったかな…。」


俺は指を伸ばすと、椿の鼻を摘んで言った。

「腹へった。シャワー浴びたい。抱っこして。」

椿は満面の笑顔になると、嬉しそうに何だか悶えながら口元を引き締めてモゴモゴと呟きながら、湯船の用意してくるからと慌ててリビングから出て行った。

俺はその後ろ姿を見送りながら、軋む身体を持ち上げて、ベッドボードとふかふかの枕に寄り掛かった。マーキングは必要だとはいえ、こいつらの節操のない貪り具合に付き合うこっちは身が持たない気がした。もうちょっと手加減されても良いはずだ。


そう思いながらも、うっすら覚えている昨日の俺が、散々椿を煽った記憶も生々しくて、思わず両手で顔を覆ったのも仕方がないだろう?

俺が自分のしでかした事に反省していると、お風呂の用意が出来たとすっかり一緒に入る気満々の腰タオルの椿が呼びにきた。俺の赤らんだ顔を見て腰タオルを持ち上げる椿に、俺はもし風呂入ってる時に手を出したら、直ぐに自室に帰るからなと脅す必要があったのは、俺の身が持たないからだ。うん、正解だった。

何だか高級な香りのする湯船で、椿とくだらない話をしながらリラックスしたせいか身体が思いの外回復して、いつもより食欲旺盛に、椿の用意してくれた和食の三段重ねの美しい弁当を食べた。


「これ、めっちゃ旨いな。見た目も綺麗だし。どうしたんだ、これ。」

「今日の昼頃電話したら直ぐ届けてもらえるように昨日手配してあったんだ。うちの行きつけの和食割烹で、凄く食べやすくて美味しいから、一度ゆきちゃんに食べさせたかったんだよね。昨日の夜は売店の軽食だったろ?ちゃんとした食事しないと元気になれないし。」

俺はさすが御曹司、行きつけの店のレベルが凄いなと、美味しさに舌鼓を打ちながらふむふむと聞いていたけれど、ちょっと俺は引っかかった。俺を元気にしてまだ貪る気じゃないだろうな、こいつ…。
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