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再びの学校生活へ
椿side朝の雪
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俺はイライラと聖の部屋の中で歩き回りながら、聖の用意が出来るのを待っていた。
「お前、朝一で秋良の部屋に行くって昨日言ったよな⁉︎何で起きてないんだよっ。」
聖はシャツを着ながら俺の方をチラッと見て言った。
「…でもさぁ、もし押しかけて致してたらどうするんだよ。俺、最中に邪魔すんのは嫌なんだけど。」
俺は思わず想像して、ますますムカついて言った。
「はぁ~?俺たちが行くって言ってあるんだから、やってるわけないだろ⁉︎」
聖はニヤリと笑うと楽しそうに言った。
「そーかな。俺だったらやってるね、絶対。朝起き抜けの雪だなんて、絶対気怠いだろ?一緒のベッドに居て、我慢できる訳ないじゃん?」
俺は聖の言う事がもっともだと思いながらも、その事を認めるわけにはいかなくてムカつきながら聖に話した。
「…なぁ、雪へのマーキング。それって、秋良だけじゃダメだよな。」
聖は急に真面目な顔になって言った。
「ああ。昨日話した通り、俺たち全員がマーキングしてギリギリってとこだと思うぜ。あんなに強烈なオーラとフェロモンじゃ、どんだけ有象無象が寄ってくるか…。ああ、心配だ。早く俺のマーキングつけたいぜ。」
ニヤニヤと鼻の下が伸びてる聖に呆れながら、俺も思わず雪にマーキングする事を考えて胸がドキドキしてしまった。
俺たちがマーキングする事で、俺たち以上の強いフェロモンに雪が発情しなくなるし、寄ってくる奴らも減る。一石二鳥だ。しかし今日授業に出る事は、昨日の帰寮ですっかり広まっているだろうからな、色々面倒くさいことになりそうだ。俺はため息をつくと、聖をせっついて秋良の部屋へ急いだ。
俺たちが到着すると、身支度を終えた雪が少し恥ずかしげにドアを開けて、挨拶してくれた。俺はその可愛さに胸が締め付けられた。ああ、今朝も綺麗で可愛い…。
でも、それを上回るこの部屋に漂う強烈なフェロモン臭に、腹が立つやら、動悸がするやらで挙動不審になってしまった。雪のフェロモンだけじゃなく、秋良の雄くさい匂いに顔をしかめた。あいつどんだけ雪を貪ったんだ、クソっ。
俺はこの部屋に雪をいつまでも置いておきたくなくて、さっさと連れ出すと雪の部屋へ連れて行った。制服を着てくるからと言う雪に、俺と聖は部屋から締め出されてしまったけど、雪の部屋から漂うほのかな甘い香りは感じられた。雪が制服に着替えて出てくると、久しぶりのその姿に俺は胸がギュッっとした。
雪が俺たちの元に戻ってきた、その瞬間だった気がしたからだ。
「お前、朝一で秋良の部屋に行くって昨日言ったよな⁉︎何で起きてないんだよっ。」
聖はシャツを着ながら俺の方をチラッと見て言った。
「…でもさぁ、もし押しかけて致してたらどうするんだよ。俺、最中に邪魔すんのは嫌なんだけど。」
俺は思わず想像して、ますますムカついて言った。
「はぁ~?俺たちが行くって言ってあるんだから、やってるわけないだろ⁉︎」
聖はニヤリと笑うと楽しそうに言った。
「そーかな。俺だったらやってるね、絶対。朝起き抜けの雪だなんて、絶対気怠いだろ?一緒のベッドに居て、我慢できる訳ないじゃん?」
俺は聖の言う事がもっともだと思いながらも、その事を認めるわけにはいかなくてムカつきながら聖に話した。
「…なぁ、雪へのマーキング。それって、秋良だけじゃダメだよな。」
聖は急に真面目な顔になって言った。
「ああ。昨日話した通り、俺たち全員がマーキングしてギリギリってとこだと思うぜ。あんなに強烈なオーラとフェロモンじゃ、どんだけ有象無象が寄ってくるか…。ああ、心配だ。早く俺のマーキングつけたいぜ。」
ニヤニヤと鼻の下が伸びてる聖に呆れながら、俺も思わず雪にマーキングする事を考えて胸がドキドキしてしまった。
俺たちがマーキングする事で、俺たち以上の強いフェロモンに雪が発情しなくなるし、寄ってくる奴らも減る。一石二鳥だ。しかし今日授業に出る事は、昨日の帰寮ですっかり広まっているだろうからな、色々面倒くさいことになりそうだ。俺はため息をつくと、聖をせっついて秋良の部屋へ急いだ。
俺たちが到着すると、身支度を終えた雪が少し恥ずかしげにドアを開けて、挨拶してくれた。俺はその可愛さに胸が締め付けられた。ああ、今朝も綺麗で可愛い…。
でも、それを上回るこの部屋に漂う強烈なフェロモン臭に、腹が立つやら、動悸がするやらで挙動不審になってしまった。雪のフェロモンだけじゃなく、秋良の雄くさい匂いに顔をしかめた。あいつどんだけ雪を貪ったんだ、クソっ。
俺はこの部屋に雪をいつまでも置いておきたくなくて、さっさと連れ出すと雪の部屋へ連れて行った。制服を着てくるからと言う雪に、俺と聖は部屋から締め出されてしまったけど、雪の部屋から漂うほのかな甘い香りは感じられた。雪が制服に着替えて出てくると、久しぶりのその姿に俺は胸がギュッっとした。
雪が俺たちの元に戻ってきた、その瞬間だった気がしたからだ。
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