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再びの学校生活へ

秋良side手の中に落ちてきた雪

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何かバタついている聖からの連絡で、家の車を出して迎えに行った先で待っていたのは、もっと洗練されて色気の増した雪だった。俺は一瞬、言葉にならなかったけれど、雪の不安げな顔を見て一応似合ってるって言った筈だ。グッジョブ俺。

車中は雪から漂うフェロモンで身体が熱くなっていくのが分かった。狭いところはヤバいな。


俺たちは丁度授業中に着いたらしく、寮内にはほとんどひと気は無かった。それでもチラホラ歩く生徒が、こちらを注視してるのが分かった。俺たちが連れてるのが雪なのは多分バレてるし、雪が居なかった理由もあからさまだ。

そんなこんなで、皆の関心は高い筈だ。俺は今後のことを考えるとどうしたらいいかと頭が痛かった。雪自身は全く頓着しないだろうから、余計に。

俺の部屋へ連れて行くと、雪は疲れた顔でソファへへたり込んだ。いくら鈍感な雪でもこの目まぐるしい状況じゃ神経がピリついてるんだろう。でも疲れた表情もなまめかしいってどうなんだ。はぁ。


俺たちはマーキングするのが、この学校で雪を守るために手っ取り早いって前から話し合ってたんだ。ただ、誰が先にそれをするかが決まらなかった。そりゃ発情期は兄貴に取られたけど、銀の雫の話を聞いた後じゃ、誰よりも早く鎖で繋がれたい気持ちは一緒だ。

そんな時に雪からフェロモンを飛ばす話を振ってきたから、俺はこれ幸いと話に飛びついた。フェロモンを飛ばせるのは俺たち鱗川家のナイル系特有の力なんだ。雪は兄貴しか知らないから、誰でも出来ると思ってる。俺はちょっとだけ兄貴に感謝して、雪をフェロモンで発情させた。雪は俺たちのフェロモンで発情するのは多分間違いないと思ってたけど、実際予想通りになってマジでホッとした。


椿と聖にはこの特技は話して無かったから、狡いとか、卑怯とか言われたけど、お前たちも抱きついたり、手を繋いだり、チューしたり好き勝手してるからな。ま、俺のフェロモンで発情したのは間違いないから、渋々部屋を出て行った。

俺は雪を腕に抱えると、自分がヤバいとかぶつぶつ言うぼんやりした雪を抱き抱えて浴室へ連れて行った。急な発情で身体がついていかないみたいだったから、取り敢えずシャワーだけ一緒に浴びた。

雪のしなやかな身体、抜けるような色白でシミひとつ無いけれど、微かに残るキスマークの名残に俺は上書きする様に口づけた。その時、ハッとした雪と目があったんだ。俺は雪の金属の蕩ける様な色の中心に灯る深い緑色の瞳に、魅入られる様な気分で囁いていた。


「やっとだ。やっと雪を手に入れた。好きだよ。雪。」
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