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再びの学校生活へ
寮へ帰ろう
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俺たちは店を出て、歩き出しながら朝から気になってた事を二人に聞いてみた。
「…なぁ、秋良ってどうしてる?今日一緒に来なかったから。別に来ないのは良いんだけど、昨日の感じが気になって。」
椿はなぜか俺の手を繋ぎながら、ちょっと赤らんだ顔でチラッと俺を見た。
「あー、まぁ昨日はヤバかったよ。でもしょうがないよね、我慢するしか。楓さんにああ言われちゃったら引き下がる他ないし。雪の調子が悪くなるのは秋良の望むところじゃないしね。…でも雪がこうなるなら、来てもらったほうが良いかも。なぁ、聖どう思う?俺たちだけで大丈夫かなぁ。」
何か問題があるんだろうか。俺は椿の言う意味がわからなくて、隣の聖の顔を見上げた。聖はうっと小さく呻いてため息をつくと、スマホで秋良を呼び出したみたいだ。
「今、店出たとこなんだけど、ちょっと雪がやばくて。俺たちだけじゃ、守るのギリギリな気がするんだよ。直ぐに来いよ。えーと、店の側にカフェがあるから、そこで待ってる。ああ、よろしく。」
結局俺たちは秋良が来るまでセルフのカフェで待つことになった。俺はさっさと聖と奥まったテーブルへ連れて行かれて、聖の身体でほとんど店の中が見えなくなった。しばらくすると椿が三人分のカフェを持ってきた。俺は甘いキャラメルマキアートを選んで飲み始めた。そう言えば腹減ってきた。
「なぁ、腹減った。何か売ってた?俺買いに行ってこようかな。」
椿が立ちあがろうとした俺の腕を掴んで言った。
「待って、ゆきちゃん!あのさ、ゆきちゃんがレジに行ったら、ここに隠れてる意味無くなっちゃうんだけど。」
俺は聖の身体の向こう側をのぞきこんで言った。
「誰から隠れてるのさ。」
平日の9時台のこの時間はまだそんなに人の気配は無かったけれど、それでもパソコンを立ち上げてるサラリーマンや、学生らが数人席を埋めていた。俺が店の中を見回した時に、なぜか俺たちの方を皆んなが見てきた。俺は椅子に座り直すと聖と椿を指差して言った。
「まったく、お前らが目立ちすぎなんだって。俺はとばっちりだよな。あ、じゃあやっぱり俺が行くのが正解じゃんね。何か食べる?」
そう言って立ちあがろうとした俺を聖に抱き止められてしまった。俺が聖の腕の中でもがくのを、ため息をつきながら見つめた椿は何か買ってくるからと、またレジに向かった。聖のぶっとい腕を掴んで俺は口を尖らせて文句を言った。
「なぁ、どーゆう事?」
聖は俺の顔を覗き込むと、ニヤリと笑って俺にキスしたんだ。
「…なぁ、秋良ってどうしてる?今日一緒に来なかったから。別に来ないのは良いんだけど、昨日の感じが気になって。」
椿はなぜか俺の手を繋ぎながら、ちょっと赤らんだ顔でチラッと俺を見た。
「あー、まぁ昨日はヤバかったよ。でもしょうがないよね、我慢するしか。楓さんにああ言われちゃったら引き下がる他ないし。雪の調子が悪くなるのは秋良の望むところじゃないしね。…でも雪がこうなるなら、来てもらったほうが良いかも。なぁ、聖どう思う?俺たちだけで大丈夫かなぁ。」
何か問題があるんだろうか。俺は椿の言う意味がわからなくて、隣の聖の顔を見上げた。聖はうっと小さく呻いてため息をつくと、スマホで秋良を呼び出したみたいだ。
「今、店出たとこなんだけど、ちょっと雪がやばくて。俺たちだけじゃ、守るのギリギリな気がするんだよ。直ぐに来いよ。えーと、店の側にカフェがあるから、そこで待ってる。ああ、よろしく。」
結局俺たちは秋良が来るまでセルフのカフェで待つことになった。俺はさっさと聖と奥まったテーブルへ連れて行かれて、聖の身体でほとんど店の中が見えなくなった。しばらくすると椿が三人分のカフェを持ってきた。俺は甘いキャラメルマキアートを選んで飲み始めた。そう言えば腹減ってきた。
「なぁ、腹減った。何か売ってた?俺買いに行ってこようかな。」
椿が立ちあがろうとした俺の腕を掴んで言った。
「待って、ゆきちゃん!あのさ、ゆきちゃんがレジに行ったら、ここに隠れてる意味無くなっちゃうんだけど。」
俺は聖の身体の向こう側をのぞきこんで言った。
「誰から隠れてるのさ。」
平日の9時台のこの時間はまだそんなに人の気配は無かったけれど、それでもパソコンを立ち上げてるサラリーマンや、学生らが数人席を埋めていた。俺が店の中を見回した時に、なぜか俺たちの方を皆んなが見てきた。俺は椅子に座り直すと聖と椿を指差して言った。
「まったく、お前らが目立ちすぎなんだって。俺はとばっちりだよな。あ、じゃあやっぱり俺が行くのが正解じゃんね。何か食べる?」
そう言って立ちあがろうとした俺を聖に抱き止められてしまった。俺が聖の腕の中でもがくのを、ため息をつきながら見つめた椿は何か買ってくるからと、またレジに向かった。聖のぶっとい腕を掴んで俺は口を尖らせて文句を言った。
「なぁ、どーゆう事?」
聖は俺の顔を覗き込むと、ニヤリと笑って俺にキスしたんだ。
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