37 / 187
俺の明かされた秘密
俺の能力
しおりを挟む
俺たちの様子がおかしい事に気づいた楓さんは、急に真面目な顔をして言った。
「祥一朗、何だ。話せ。」
祥一朗は一瞬迷ったそぶりだったけれど、俺の顔を見つめると頷いて言った。
「実は発情期の最中に雪弥がおかしな事を言ったんだ。その時は発情期のいわゆる世迷言だと思ったんだが、今の話で、もしかしたら事実だったんじゃないかって。雪弥も覚えてるんだな?あの事。」
祥一朗の心配そうな顔を見返して俺は思い切って楓さんに言った。
「俺も、夢うつつだったから何が何だかわからなかったんだけど。俺、祥一朗が気に入ったから俺のものにするって言ったんです。俺は人の心を喰らう猛獣だって言って。俺、それを言ってる自分をちょっと離れた場所で眺めてる気分でした。何か変だった。もう一人の自分がいるみたいで…。」
楓さんは俺たちの話を聞いた後、腕を組んで目を閉じて考え込んでいた。他人からすれば一笑にするような話だったけれど、俺たちはそれが真面目な話だと感じていた。楓さんは目を開けると俺たちを見つめて言った。
「それは多分、雪弥の持っているというか、覚醒した力のひとつだ。人の心を喰らう猛獣と言ったんだろう?それはまさしく鎖の力の事じゃないか?普通、鎖の力は時間の経過と共に薄まっていくものだ。
だが、雪弥、いや、雪豹の家系の力としての鎖は永続的なものだろう。雪弥は祥一朗をまさに自分のものにしてしまったのかもしれないな。」
おれは呆然として楓さんの話を聞いていたが、ハッとして祥一朗の顔を見上げた。俺は意識なく勝手に祥一朗を鎖で縛り付けてしまった。祥一朗は俺に縛り付けられてしまった。
俺の心配を他所に祥一朗は微笑んで言った。
「ずっと雪弥の味方になれるなら本望だよ。」
俺はこれが祥一朗の本心なのか、それとも鎖の力でそう言わせてるのかどちらなんだろうと訝しく思いながらも、嬉しい気持ちが湧き上がって、思わず祥一朗へ抱きついてしまった。ああ、これも鎖の力なんだろうか…?
楓さんは俺たちの様子にちょっと困惑しながらも、あーまぁ後で考えようとぶつぶつ独り言を言いながらモバイルで作業を始めた。俺はしばらくすると抱きついてる自分に気がついて、ハッとして祥一朗から離れようとしたけれど、祥一朗がにっこり微笑んで俺を離さなかった。
結局あいつらが来るまで、俺たちはこんな感じで居たんだ。後から考えるとほんと俺ってどうかしてた!
「祥一朗、何だ。話せ。」
祥一朗は一瞬迷ったそぶりだったけれど、俺の顔を見つめると頷いて言った。
「実は発情期の最中に雪弥がおかしな事を言ったんだ。その時は発情期のいわゆる世迷言だと思ったんだが、今の話で、もしかしたら事実だったんじゃないかって。雪弥も覚えてるんだな?あの事。」
祥一朗の心配そうな顔を見返して俺は思い切って楓さんに言った。
「俺も、夢うつつだったから何が何だかわからなかったんだけど。俺、祥一朗が気に入ったから俺のものにするって言ったんです。俺は人の心を喰らう猛獣だって言って。俺、それを言ってる自分をちょっと離れた場所で眺めてる気分でした。何か変だった。もう一人の自分がいるみたいで…。」
楓さんは俺たちの話を聞いた後、腕を組んで目を閉じて考え込んでいた。他人からすれば一笑にするような話だったけれど、俺たちはそれが真面目な話だと感じていた。楓さんは目を開けると俺たちを見つめて言った。
「それは多分、雪弥の持っているというか、覚醒した力のひとつだ。人の心を喰らう猛獣と言ったんだろう?それはまさしく鎖の力の事じゃないか?普通、鎖の力は時間の経過と共に薄まっていくものだ。
だが、雪弥、いや、雪豹の家系の力としての鎖は永続的なものだろう。雪弥は祥一朗をまさに自分のものにしてしまったのかもしれないな。」
おれは呆然として楓さんの話を聞いていたが、ハッとして祥一朗の顔を見上げた。俺は意識なく勝手に祥一朗を鎖で縛り付けてしまった。祥一朗は俺に縛り付けられてしまった。
俺の心配を他所に祥一朗は微笑んで言った。
「ずっと雪弥の味方になれるなら本望だよ。」
俺はこれが祥一朗の本心なのか、それとも鎖の力でそう言わせてるのかどちらなんだろうと訝しく思いながらも、嬉しい気持ちが湧き上がって、思わず祥一朗へ抱きついてしまった。ああ、これも鎖の力なんだろうか…?
楓さんは俺たちの様子にちょっと困惑しながらも、あーまぁ後で考えようとぶつぶつ独り言を言いながらモバイルで作業を始めた。俺はしばらくすると抱きついてる自分に気がついて、ハッとして祥一朗から離れようとしたけれど、祥一朗がにっこり微笑んで俺を離さなかった。
結局あいつらが来るまで、俺たちはこんな感じで居たんだ。後から考えるとほんと俺ってどうかしてた!
22
お気に入りに追加
1,202
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる