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発情期
俺の父親は?
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俺が父親とはほとんど面識がなくて、ただ父親の家系を引き継いだかもしれないという話をしたところで、祥一朗のスマホが鳴った。祥一朗は俺に断ってスマホに出ると、ひとこと言った後、保留にして俺に言った。
「今回色々フォローしてくれた私の身内だ。まぁ、従兄弟だな。さっき従兄弟に髪色が変わった症例を調べてもらったんだ。彼はその手の調べ事が非常に得意なんだ。雪弥が髪色を今後どうするのが良いか、それを含めて情報は多い方が良いかと思って調べさせたんだが、勝手な事をしたと気を悪くしないで欲しいんだが…。」
俺は祥一朗の気配りに感謝して、首を振った。
祥一朗は暫く従兄弟?と話していたが、段々深刻な声音になって、時々チラっとこちらを鋭い眼差しで見つめた。俺は何が起こってるんだろうと全く分からずに祥一朗を見つめた。
スマホを切ると、祥一朗は大きくため息をついた。そして掠れた声で俺に聞いた。
「…それで、雪弥は父親の家系は知ってるのか?」
俺は祥一朗が、今スマホで聞いたんだと分かった。俺は頷いて言った。
「ええ。知ってますよ。…俺の父親の家系は雪豹です。」
俺たちは暫く何も言わなかった。いや、何と言って良いのか分からなかったんだ。
「…雪弥は父親の家系についてどれだけ知ってるんだ?」
俺はそこまで深刻そうな祥一朗を訝しく思いながら、肩をすくめて言った。
「俺が知ってるのって、雪豹ってだけ。それくらいですよ。母親は父親の事はほとんど俺たちに聞かせなかったし。まぁ、絶滅危惧種系なのは薄々俺も気付きましたけど。
それで、小さい頃は母親が周囲に気をつけろって煩かったし。まぁ黒豹でも一緒ですしね、そこは。俺がどっちなのか分からなかった時点で、気をつけようもなかったっていうか。
雪豹系だと何かまずいんですか?」
祥一朗は腕組みして難しい顔をしていたけれど、ため息をついて俺の顔を見つめて言った。
「…もしかしたら、雪弥の父親が誰かわかるかもしれない。というか、そもそも雪豹系自体が殆どいないせいで、その人と雪弥が何かしら繋がりがあるとしか思えない状況だ。雪弥はマウンテングループって知ってるか。」
「…ええ。もちろん。有名ですよね。大企業ですし。それが?」
祥一朗は俺の顔をまじまじと見つめて言った。
「本当に何も知らないんだな…。これは俺だけでは手が余る。雪弥、ちょっと助っ人呼んでもいいか。それと、アイツらも。」
「今回色々フォローしてくれた私の身内だ。まぁ、従兄弟だな。さっき従兄弟に髪色が変わった症例を調べてもらったんだ。彼はその手の調べ事が非常に得意なんだ。雪弥が髪色を今後どうするのが良いか、それを含めて情報は多い方が良いかと思って調べさせたんだが、勝手な事をしたと気を悪くしないで欲しいんだが…。」
俺は祥一朗の気配りに感謝して、首を振った。
祥一朗は暫く従兄弟?と話していたが、段々深刻な声音になって、時々チラっとこちらを鋭い眼差しで見つめた。俺は何が起こってるんだろうと全く分からずに祥一朗を見つめた。
スマホを切ると、祥一朗は大きくため息をついた。そして掠れた声で俺に聞いた。
「…それで、雪弥は父親の家系は知ってるのか?」
俺は祥一朗が、今スマホで聞いたんだと分かった。俺は頷いて言った。
「ええ。知ってますよ。…俺の父親の家系は雪豹です。」
俺たちは暫く何も言わなかった。いや、何と言って良いのか分からなかったんだ。
「…雪弥は父親の家系についてどれだけ知ってるんだ?」
俺はそこまで深刻そうな祥一朗を訝しく思いながら、肩をすくめて言った。
「俺が知ってるのって、雪豹ってだけ。それくらいですよ。母親は父親の事はほとんど俺たちに聞かせなかったし。まぁ、絶滅危惧種系なのは薄々俺も気付きましたけど。
それで、小さい頃は母親が周囲に気をつけろって煩かったし。まぁ黒豹でも一緒ですしね、そこは。俺がどっちなのか分からなかった時点で、気をつけようもなかったっていうか。
雪豹系だと何かまずいんですか?」
祥一朗は腕組みして難しい顔をしていたけれど、ため息をついて俺の顔を見つめて言った。
「…もしかしたら、雪弥の父親が誰かわかるかもしれない。というか、そもそも雪豹系自体が殆どいないせいで、その人と雪弥が何かしら繋がりがあるとしか思えない状況だ。雪弥はマウンテングループって知ってるか。」
「…ええ。もちろん。有名ですよね。大企業ですし。それが?」
祥一朗は俺の顔をまじまじと見つめて言った。
「本当に何も知らないんだな…。これは俺だけでは手が余る。雪弥、ちょっと助っ人呼んでもいいか。それと、アイツらも。」
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