お隣さんは僕のまたたび〜拗らせ両片思いの功罪

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
上 下
64 / 68
変化

密室で※

しおりを挟む
 「侑、…可愛い。侑好きだ…。」

翔ちゃんの囁く甘い言葉と声に、僕は身体から力が抜けてしまう。翔ちゃんの匂いがするベッドは、僕をもっと興奮させて、僕は僕の首筋に顔を埋める翔ちゃんの短い刈り上げの首を撫でた。

「翔ちゃん、お願い。もっとして。僕、翔ちゃんがもっと欲しいよ。」

僕は感じたままの言葉を躊躇うことなく呟いていた。翔ちゃんは、少し怖い顔をして、僕にのしかかったまま答えた。


 「俺が欲しいままに侑を貪ったら、侑だって怖くなるかもしれないぞ。せめて侑が高校生なら、俺もこんな葛藤を持たなかったのかもしれないけどな…。」

そんな翔ちゃんに僕は口を尖らせて言った。

「翔ちゃんは真面目だから、僕が高校生になったらそれはそれで、自分が大学生になってるから手を出せないって言うはずだよ。僕たちの年の差は縮まらないんだからさ。

もし僕が25歳だったら、翔ちゃんは28歳でしょ。そこに年の差なんて関係ないでしょ?違う?」


 自分でも屁理屈を捏ねているのはよく分かっていたけれど、翔ちゃんにもっと手を出してもらいたくて僕も必死だった。僕だって翔ちゃんにもっとエッチなことしてあげたいのに。

あれ?僕がすれば良いのか?僕も案外受け身だったみたいだ。僕は困った顔で僕を見つめて葛藤している翔ちゃんに抱きついて耳元で囁いた。


 「ね、翔ちゃんの舐めたいな…。」

分かりやすく身体を強張らせた翔ちゃんは、僕に寄せた身体の一部をさっきよりも硬く強張らせた。僕の言葉に興奮したのかな。僕は耳たぶに舌を這わせると、熱い息をふっと吐き出して手を下に伸ばした。

僕の腿に触れるその重量のあるそれは、まるで自分のモノとは違う事がハッキリしていて、僕をドキドキさせた。服越しに指先で撫でれば、翔ちゃんがため息と共に僕に顔を向けて唇を合わせてきた。


 さっきよりゆっくりと味わう様に舌を絡め合えば、僕はゾクゾクとして手の中の翔ちゃんを握り締めてしまう。

「…侑、俺本気出しても良い?怖くない?」

赤らんだ顔で、でも僕を欲しがっているのが分かる翔ちゃんの真っ直ぐな眼差しで僕はますます体温が上がりそうだ。

「怖くないよ。僕、翔ちゃんになら、何されてもいいから。」

僕がのぼせた頭でそう答えると、翔ちゃんは顔を顰めて囁いた。

「まったく、侑は俺を買い被りすぎだ。俺だって、大好きな侑に止まれる自信なんて無いんだ。怖くなったら、ちゃんと言って。な?」


 僕は翔ちゃんの真剣な眼差しに頷くと、翔ちゃんはふっと微笑んで僕の服を脱がし始めた。




しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

処理中です...