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動き出す僕たち
降って湧いたお泊まり※
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「じゃあね、大丈夫かしら一人で。朝ごはんは自分で出来るわね?お昼はパンを買っておいたからそれ持って行ってね。困ったわね、こんな時にお父さんが出張で居ないなんて。」
そう慌ただしく出掛ける用意をしてるのは、母さんだ。僕は恐る恐る、でも普通の感じで尋ねた。
「もしあれなら、慶太か、翔ちゃんに泊まりに来られるか聞いてみる。」
そう言うと、母さんは顔を上げて笑顔で言った。
「そうしてくれると、お母さんも安心だわ。夜だけでも誰か一緒に居てくれたら良いし。じゃあ、留守番宜しくね。行ってきます。」
僕はおばあちゃんに宜しくと言うと、母さんを玄関で見送った。母さんが行ってしまうと、僕は早速スマホに文章を打ち込んだ。
[翔ちゃん、今夜遅くて良いから泊まりに来ない?母さんが誰かに来てもらえって]
一人暮らしの母方の祖母が骨折して病院に運び込まれたのは今日の午後だった。新幹線でしか行けない距離の祖母の所へ、母さんに直ぐに行く様に進めたのは僕だ。勿論そうした方が良いと思ったし、ちょっとだけ親の居ない間に翔ちゃんと二人きりになりたかったのもある。
ダメ元で連絡したら事情を知った翔ちゃんが泊まりに来てくれることになった。僕は翔ちゃんとえっちがしたかった訳じゃないけど、少しはあるかもしれないと思わずニンマリするのは止められなかった。
「お邪魔します。急に大変だったな。おばあちゃん大丈夫?」
そう言って、スエット姿の翔ちゃんはすっかりお風呂も入って来たみたいだった。
「慶太は来ないって言ったでしょ?」
僕が上目遣いにそう言うと、翔ちゃんは苦笑して頭を掻いて言った。
「兄弟に気を遣われると何とも言えない気持ちだ。まぁ、元々あいつは朝練あって無理だってボヤいてたけどな。俺は朝練がたまたまないけど、あっても侑を一人にするのは心配だから来てたと思う。」
とは言え、もうすっかり遅かった。いつもの僕も、11時じゃもう眠る頃合いだ。僕の顔を見た翔ちゃんはクスッと笑って僕をそっと抱き寄せて言った。
「侑はもう眠たそうだな。いつもなら眠ってる時間?明日は平日なんだからもう寝ようか。…俺はどこに泊まれば良いかな?」
僕は翔ちゃんに引き寄せられて、急に眠気が吹き飛んだ。僕の部屋に来客用の布団を敷いてある。でも一緒にこうやって抱き合って眠りたいけど、翔ちゃんはどうなんだろう。
僕たちは飲み物だけを手にして、手を繋いで階段を上がった。部屋に敷いた来客用布団は背の高い翔ちゃんには小さいかもしれない。翔ちゃんは繋いだ手を引っ張って僕を布団の上に座らせた。
「…一緒に寝る?あ、別に変な事しようとか思ってないけど。ただ、側で眠るのもありかなと思っただけだ。」
そう照れた様に言う翔ちゃんの、くっきりした二重瞼のまつ毛が瞬くのがスローモーションの様に見える。僕はそれだけで心臓がドキドキして、繋いだ手が汗ばむのを感じた。
「僕も側で一緒に眠れたら楽しいかなと思ってたの。」
そう思い切って言うと、翔ちゃんは僕の枕を布団の上に引っ張り下ろして並べた。僕たちはクスクス笑いながらリモコンで常夜灯を灯した。眠る時は暖房を消すのが常だけど、今夜はこうして体温があるから暖かい。
僕は翔ちゃんに思わず抱きついた。翔ちゃんの昔からのホッとする匂いに包まれて、よく眠れるはず…。いや、無理。大好きな翔ちゃんと僕は付き合っているんだから、ドキドキが激しくなるばかりだ。
「っふふ。眠れないよな。侑が凄いドキドキしてる。俺も人のこと言えないけどな。ほら、触ってみる?」
そう言われて僕は繋いだ手を翔ちゃんの心臓の上に置いた。確かに鼓動が早くなっている。僕だけが緊張と興奮している訳じゃないと知って嬉しくなったせいなのか、普段通りの僕の本性が出てしまったのか、僕は思わず翔ちゃんに唇を押し付けていた。
何度経験しても嬉しさと気持ち良さが感動を呼び起こして、僕は夢中になって翔ちゃんにキスしていた。翔ちゃんもそんな僕のペースをなだめる様に、優しくキスを返してくれた。
でも僕が欲しいのはもっと激しい貪る様なキスだ。僕が翔ちゃんの唇を喰んでせっつくと、翔ちゃんは僕をグッと引き寄せて僕の唇の奥へ舌を突き入れてきた。
翔ちゃんの硬くなったアソコが僕の身体に食い込んで、僕は欲情してそれをもっと感じられる様に翔ちゃんの身体に脚を絡めた。ビクッとした翔ちゃんがまるで食べる様に僕の口の奥を犯すと、ゾクゾクした気持ち良さが僕を震わせる。
あぁ、僕たち止まれるの?
そう慌ただしく出掛ける用意をしてるのは、母さんだ。僕は恐る恐る、でも普通の感じで尋ねた。
「もしあれなら、慶太か、翔ちゃんに泊まりに来られるか聞いてみる。」
そう言うと、母さんは顔を上げて笑顔で言った。
「そうしてくれると、お母さんも安心だわ。夜だけでも誰か一緒に居てくれたら良いし。じゃあ、留守番宜しくね。行ってきます。」
僕はおばあちゃんに宜しくと言うと、母さんを玄関で見送った。母さんが行ってしまうと、僕は早速スマホに文章を打ち込んだ。
[翔ちゃん、今夜遅くて良いから泊まりに来ない?母さんが誰かに来てもらえって]
一人暮らしの母方の祖母が骨折して病院に運び込まれたのは今日の午後だった。新幹線でしか行けない距離の祖母の所へ、母さんに直ぐに行く様に進めたのは僕だ。勿論そうした方が良いと思ったし、ちょっとだけ親の居ない間に翔ちゃんと二人きりになりたかったのもある。
ダメ元で連絡したら事情を知った翔ちゃんが泊まりに来てくれることになった。僕は翔ちゃんとえっちがしたかった訳じゃないけど、少しはあるかもしれないと思わずニンマリするのは止められなかった。
「お邪魔します。急に大変だったな。おばあちゃん大丈夫?」
そう言って、スエット姿の翔ちゃんはすっかりお風呂も入って来たみたいだった。
「慶太は来ないって言ったでしょ?」
僕が上目遣いにそう言うと、翔ちゃんは苦笑して頭を掻いて言った。
「兄弟に気を遣われると何とも言えない気持ちだ。まぁ、元々あいつは朝練あって無理だってボヤいてたけどな。俺は朝練がたまたまないけど、あっても侑を一人にするのは心配だから来てたと思う。」
とは言え、もうすっかり遅かった。いつもの僕も、11時じゃもう眠る頃合いだ。僕の顔を見た翔ちゃんはクスッと笑って僕をそっと抱き寄せて言った。
「侑はもう眠たそうだな。いつもなら眠ってる時間?明日は平日なんだからもう寝ようか。…俺はどこに泊まれば良いかな?」
僕は翔ちゃんに引き寄せられて、急に眠気が吹き飛んだ。僕の部屋に来客用の布団を敷いてある。でも一緒にこうやって抱き合って眠りたいけど、翔ちゃんはどうなんだろう。
僕たちは飲み物だけを手にして、手を繋いで階段を上がった。部屋に敷いた来客用布団は背の高い翔ちゃんには小さいかもしれない。翔ちゃんは繋いだ手を引っ張って僕を布団の上に座らせた。
「…一緒に寝る?あ、別に変な事しようとか思ってないけど。ただ、側で眠るのもありかなと思っただけだ。」
そう照れた様に言う翔ちゃんの、くっきりした二重瞼のまつ毛が瞬くのがスローモーションの様に見える。僕はそれだけで心臓がドキドキして、繋いだ手が汗ばむのを感じた。
「僕も側で一緒に眠れたら楽しいかなと思ってたの。」
そう思い切って言うと、翔ちゃんは僕の枕を布団の上に引っ張り下ろして並べた。僕たちはクスクス笑いながらリモコンで常夜灯を灯した。眠る時は暖房を消すのが常だけど、今夜はこうして体温があるから暖かい。
僕は翔ちゃんに思わず抱きついた。翔ちゃんの昔からのホッとする匂いに包まれて、よく眠れるはず…。いや、無理。大好きな翔ちゃんと僕は付き合っているんだから、ドキドキが激しくなるばかりだ。
「っふふ。眠れないよな。侑が凄いドキドキしてる。俺も人のこと言えないけどな。ほら、触ってみる?」
そう言われて僕は繋いだ手を翔ちゃんの心臓の上に置いた。確かに鼓動が早くなっている。僕だけが緊張と興奮している訳じゃないと知って嬉しくなったせいなのか、普段通りの僕の本性が出てしまったのか、僕は思わず翔ちゃんに唇を押し付けていた。
何度経験しても嬉しさと気持ち良さが感動を呼び起こして、僕は夢中になって翔ちゃんにキスしていた。翔ちゃんもそんな僕のペースをなだめる様に、優しくキスを返してくれた。
でも僕が欲しいのはもっと激しい貪る様なキスだ。僕が翔ちゃんの唇を喰んでせっつくと、翔ちゃんは僕をグッと引き寄せて僕の唇の奥へ舌を突き入れてきた。
翔ちゃんの硬くなったアソコが僕の身体に食い込んで、僕は欲情してそれをもっと感じられる様に翔ちゃんの身体に脚を絡めた。ビクッとした翔ちゃんがまるで食べる様に僕の口の奥を犯すと、ゾクゾクした気持ち良さが僕を震わせる。
あぁ、僕たち止まれるの?
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