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それは始まりの始まり
整理はつかないまま
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翔ちゃんとキスした事は、結局あの無事帰ったかのメッセージ以外のやり取りがなかったせいで、何だか分からないまま時間ばかり過ぎていった。学校が始まると僕は部活で忙しくて、たまに送られてくる先輩のメッセージを眺めて返事を打とうとする前に眠くなって目を閉じてしまう有様だった。
翔ちゃんの部活仲間の青山さんからのメッセージは、一緒に遊びに行こうという事だった。けれど強豪校にそんな暇な時などある訳もなくて、僕も部活や文化祭で忙しいと有耶無耶になりつつあった。
『中学生男子と遊びに行きたがるのはおかしい』という翔ちゃんの言葉も僕を躊躇わせたのは間違いなかった。確かに中学生女子相手でも遊びに行きたがる高校生はヤバい気がするし、まして男?とか思うと、それってそう言う事なのかなと思ってしまう。
僕はこれ以上男の相手を増やして複雑になりたくは無かったし、あまりよく知らないガタイの良い青山さんに押し倒されたら終わりの様な気がしたから、たまに来るメッセージにはほとんど返事は出さなかった。
結局気がつけば夏は終わって、あちこちで高校の文化祭が始まっていた。志望校の文化祭は出来るだけ行った方が良いと指導されていた事もあって、友人らとこの週末はどこの高校の文化祭に行くかとそんな話になっていた。
僕は翔ちゃんの高校へ行きたかったけれど、慶太に翔ちゃんは去年の文化祭は試合でほとんど参加してないと聞いていたので、特にどこに行こうとかは考えが浮かばなかった。そんな時に五十嵐先輩からメッセージが届いた。
それは五十嵐先輩の志望校の文化祭へ一緒に行かないかという誘いだった。先輩は私立一本の様で、僕は少し有名私立への冷やかしの気持ちも湧き上がったせいで、一緒に行く事を承諾していた。
「長谷部、明日Y高行くんだけど、一緒に行かん?」
そう同級生たちに声を掛けられて、僕は丁度昨日約束したばかりと言う事もあって首を振って言った。
「ごめん。明日は先輩と清光学園に誘われて行くって返事しちゃったから。」
同級生達は清光も楽しそうだと一瞬盛り上がったけれど、偏差値高すぎで志望校に引っ掛からないって笑いが起きた。先輩は清光を志望校にするくらいめちゃくちゃ勉強頑張っているのだとその話の流れで気がついて、ますます先輩の受験の邪魔にならない様にしないといけないと思い返したんだ。
やっぱりもう少し付かず離れずが良いのかな。明日会うけど…。
翔ちゃんの部活仲間の青山さんからのメッセージは、一緒に遊びに行こうという事だった。けれど強豪校にそんな暇な時などある訳もなくて、僕も部活や文化祭で忙しいと有耶無耶になりつつあった。
『中学生男子と遊びに行きたがるのはおかしい』という翔ちゃんの言葉も僕を躊躇わせたのは間違いなかった。確かに中学生女子相手でも遊びに行きたがる高校生はヤバい気がするし、まして男?とか思うと、それってそう言う事なのかなと思ってしまう。
僕はこれ以上男の相手を増やして複雑になりたくは無かったし、あまりよく知らないガタイの良い青山さんに押し倒されたら終わりの様な気がしたから、たまに来るメッセージにはほとんど返事は出さなかった。
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「長谷部、明日Y高行くんだけど、一緒に行かん?」
そう同級生たちに声を掛けられて、僕は丁度昨日約束したばかりと言う事もあって首を振って言った。
「ごめん。明日は先輩と清光学園に誘われて行くって返事しちゃったから。」
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やっぱりもう少し付かず離れずが良いのかな。明日会うけど…。
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