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僕は僕
手帳従者side怪しい男
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王子にも困ったものだ。出生の怪しい、しかも光を帯びている人間を王宮へと呼び出すとは。私は王子の犬たちと戯れながら無邪気に遊ぶ綺麗な光る男を眺めた。
マケロン伯爵家の子守りだと言うのは本当だった。調べればあの男には色々な話が浮かび上がって来た。ギーク侯爵家のアルフレッド様の命の恩人だとか。王都の男の家はその筋からの贈り物らしい。
突然現れた様な男ながら、後見人が侯爵家と伯爵家であれば、こちらも下手な手出しもおいそれとは出来ない。まして教会で神の使い認定されている男だ。流石に貴族は何とかなっても教会は無視できないだろう。
…厄介だ。実に。
そう思いながらも私は、そのジュシアという名前の男に目が惹き寄せられていた。若く見えるが18、9歳の男があんな風に無邪気に犬と遊ぶものだろうか。護衛の騎士たちでさえ、あの男から目を引き剥がせない様だ。
私は思わず彼のそばに行って、随分犬と仲良しなのだと嫌味を込めて言ったのだが、全く通じないばかりか兄弟犬の数まで知っているかの様に言って来た。私は王宮の一部にしか知られていないその情報をなぜ知っているのかと穿ってみた。
彼は言い誤魔化した様だったが、私の疑念は残ったままだ。丁度その時王子たちの勝負が終わった様で、何と王子が負けて、ガブリエル様を取り巻きの一人に加えたいと仰られた。
一方のガブリエル様は表面上は微笑んでいるものの、あまり乗り気ではない様子。どうしたものかと思っていると、男が何か聞き取れない事を犬たちに言った。途端に犬たちは王子達の側に走って行きその場を和ごました。
私は思わず男に何と言ったのか尋ねた。彼はどう考えても犬たちに王子たちの元へ行く様に命じたのでは?すると目を彷徨わせた男は、綺麗な顔を綻ばせて言った。
「…ビショップとパウルはお腹が空いたみたいですね。僕?何か言いましたか?」
ふむ、しらばっくれる様だ。私は王子達の元へ歩き寄りながら、この男が帰るまでに正体を突き止めてやると決意した。それから王子たちとお茶会をしたり、犬に木の皿を投げて遊ぶ方法をお披露目したりと男は王族の前だというのに、まるで気負った様子もなく楽し気に過ごした。
それは王子をすっかり喜ばせて、私ににこりと笑ってこうも言わせたのだ。
「私は城下で思わぬ拾い物をしたみたいだな?ガブリエルと子守りのあの男は、私のお気に入りになったぞ?ハハハ。」
私は顔を顰めて王子に丁寧でありながら、気さくな様子で話かける男の姿を見つめた。確かに王子の側に置いておいても違和感など感じないくらい馴染んでいた。
とは言え王子、彼はガブリエル様が決して離しはしないでしょうけどね。そう心の中で思いながら鋭い目つきで王子と男が話している様子を見つめている伯爵令息を見つめたのだった。
マケロン伯爵家の子守りだと言うのは本当だった。調べればあの男には色々な話が浮かび上がって来た。ギーク侯爵家のアルフレッド様の命の恩人だとか。王都の男の家はその筋からの贈り物らしい。
突然現れた様な男ながら、後見人が侯爵家と伯爵家であれば、こちらも下手な手出しもおいそれとは出来ない。まして教会で神の使い認定されている男だ。流石に貴族は何とかなっても教会は無視できないだろう。
…厄介だ。実に。
そう思いながらも私は、そのジュシアという名前の男に目が惹き寄せられていた。若く見えるが18、9歳の男があんな風に無邪気に犬と遊ぶものだろうか。護衛の騎士たちでさえ、あの男から目を引き剥がせない様だ。
私は思わず彼のそばに行って、随分犬と仲良しなのだと嫌味を込めて言ったのだが、全く通じないばかりか兄弟犬の数まで知っているかの様に言って来た。私は王宮の一部にしか知られていないその情報をなぜ知っているのかと穿ってみた。
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「…ビショップとパウルはお腹が空いたみたいですね。僕?何か言いましたか?」
ふむ、しらばっくれる様だ。私は王子達の元へ歩き寄りながら、この男が帰るまでに正体を突き止めてやると決意した。それから王子たちとお茶会をしたり、犬に木の皿を投げて遊ぶ方法をお披露目したりと男は王族の前だというのに、まるで気負った様子もなく楽し気に過ごした。
それは王子をすっかり喜ばせて、私ににこりと笑ってこうも言わせたのだ。
「私は城下で思わぬ拾い物をしたみたいだな?ガブリエルと子守りのあの男は、私のお気に入りになったぞ?ハハハ。」
私は顔を顰めて王子に丁寧でありながら、気さくな様子で話かける男の姿を見つめた。確かに王子の側に置いておいても違和感など感じないくらい馴染んでいた。
とは言え王子、彼はガブリエル様が決して離しはしないでしょうけどね。そう心の中で思いながら鋭い目つきで王子と男が話している様子を見つめている伯爵令息を見つめたのだった。
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