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僕は僕
ペットのお店
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いかにもお貴族様の飼い犬といったビショップを連れて店を目指して歩けば、お店に辿り着く頃には物好きな人達が僕たちと一緒に店舗へ入ることとなった。
僕たちを見て目を丸くした店主が、慌ててこちらへとやって来た。僕はジャックに紹介されると、店の中を見回して言った。
「こんにちは。今日はビショップに何か美味しいおやつと、お土産がないかなと思って来たんですけど…。あの、この店ではトリミングはしていませんか?」
すると店主とジャックが顔を見合わせて、店主が僕に尋ねた。
「トリミングってのは何ですか?」
僕はビショップの毛並みを撫でながら、一部絡まっている場所を撫でながら言った。
「ほら、ここ絡まってるでしょう?ここを人間が髪を切る様に綺麗にカットするとビショップはもっとカッコよくなると思いませんか?それにブラッシングも。」
そう言うと、店主がびっくりした様に僕に尋ねた。
「犬も人間の様に切るんですか?」
僕は店を見回した。ちょうどそこにモコモコの毛並みの犬がいた。僕は店主にメモ帳を貰うと、その犬のトリミングのデザインを幾つか描いて見せた。
「ほら、このままでも可愛いけど、暑い時はこんな風にさっぱりと切ってあげるときっと喜びますよ。勿論犬に慣れた人と手先が器用な人じゃないと難しいと思いますけど。でも、少し人と違う方が貴族は好きなんじゃないかなって。」
すると店主は大きく頷いて言った。
「確かにその通りです。犬のためにもなるし、私達の新しい商売にも繋がるし。いやぁ、良い事を教えてもらった。ジャック、彼は本当は商売のご利益があるんじゃないのかい?そうだ、この可愛い立派な犬にこの店のどれでも好きなオヤツ持って行って下さい。」
僕はオヤツコーナーにビショップを連れて行くと、色々なモノをビショップに見せて選ばせた。とはいえ、ビショップは食いしん坊だからどれにも食いついたけどね…。
僕とビショップは、店の前でジャックと店主に見送られながら、ケインとの待ち合わせ場所の馬車止めまで歩いた。オヤツは一部手持ちで、残りは屋敷に届けてくれると言う事だった。
ご機嫌で尻尾をフリフリしながら歩くビショップに、通り過ぎる人達は目を丸くして見送っていた。やっぱり普段ビショップの様な立派な犬を見かける事は珍しいんだろう。まぁ、皆ビショップを見て目を丸くした後、僕を見て、二度見してたけどね。
もう直ぐ馬車止めまで辿り着こうと言うところで、僕は横を通る立派な馬車が後ろで止まった事に気づかなかった。息を切らす気配に目を向けると、身なりの良い従者が僕に呼びかけていた。
「あ、あの申し訳ありません!我が主人が貴方とその犬を見かけて、少し話を聞きたいとの事なのですが、お時間ございませんか!?」
僕とビショップは思わず顔を見合わせた。僕たち?一体何だろう。すると方向を変えて来た馬車が直ぐ側に止まって、そこから一人の10歳ぐらいのひと目を惹く美しい少年がゆっくり降りて来た。
気づけば護衛の様な馬に乗った騎士たちもいつの間にか数人付き従っていた。僕はこの世界の事には疎かったけれど、流石に目の前の少年がヤバそうなのは感じたんだ。ああ、これってまたもやガブリエルが眉を顰める案件かもしれない!
★お知らせ★
新作BL公開しました♡
『僕は傲慢男のセフレ』
不憫受けの健気さと、傲慢男の苦悩が読みたくて書きました♡笑
多分短編予定です!宜しくお願いします♡R18
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「犬も人間の様に切るんですか?」
僕は店を見回した。ちょうどそこにモコモコの毛並みの犬がいた。僕は店主にメモ帳を貰うと、その犬のトリミングのデザインを幾つか描いて見せた。
「ほら、このままでも可愛いけど、暑い時はこんな風にさっぱりと切ってあげるときっと喜びますよ。勿論犬に慣れた人と手先が器用な人じゃないと難しいと思いますけど。でも、少し人と違う方が貴族は好きなんじゃないかなって。」
すると店主は大きく頷いて言った。
「確かにその通りです。犬のためにもなるし、私達の新しい商売にも繋がるし。いやぁ、良い事を教えてもらった。ジャック、彼は本当は商売のご利益があるんじゃないのかい?そうだ、この可愛い立派な犬にこの店のどれでも好きなオヤツ持って行って下さい。」
僕はオヤツコーナーにビショップを連れて行くと、色々なモノをビショップに見せて選ばせた。とはいえ、ビショップは食いしん坊だからどれにも食いついたけどね…。
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もう直ぐ馬車止めまで辿り着こうと言うところで、僕は横を通る立派な馬車が後ろで止まった事に気づかなかった。息を切らす気配に目を向けると、身なりの良い従者が僕に呼びかけていた。
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気づけば護衛の様な馬に乗った騎士たちもいつの間にか数人付き従っていた。僕はこの世界の事には疎かったけれど、流石に目の前の少年がヤバそうなのは感じたんだ。ああ、これってまたもやガブリエルが眉を顰める案件かもしれない!
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