カワウソの僕、異世界を無双する

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
上 下
122 / 148
新しい僕

ルークside湧き上がる渇望

しおりを挟む
「この国の教会って質素というか、清廉だよね。」

後ろで着替えるジュシアが言った言葉に返事をしながら、私は落ち着かない気分になっていた。

「そうだな。奉仕と祝福を常とする教会だからね。だからこそ、私達は教会を尊び心の拠り所にしているんだ。」

そう言いながら思わず振り向いて、ジュシアの生着替えを見てしまった。相変わらず艶かしい肉付きの良い腿がスラリとシャツの下から覗き出て、私の欲望を掻き立てる。こんな場所でと思いながらも私は自分が止められない。


思わず側に近づいて、振り向いたジュシアに言った。

「私も着替えを手伝おう。」

ジュシアはボタンを留めていた手を一瞬止めて、にっこり微笑んだ。

「そう?ちょっとボタンが多過ぎるなとうんざりしていたんだ。神の使いだからってあえてこんな感じにしたけど、この教会だったらここまで着飾る必要なかったな。華美で恥ずかしいや。」

そう言いながら私に任せて部屋の中を見回している。私の下心に気づかない無邪気なジュシアに苦笑して、それでも私に甘えるジュシアに喜びさえ感じながらボタンを留めた。


「ふふ、確かにボタンが多いな。こんな風にジュシアに甘えられるのは悪くないね。気を許してもらってるみたいで。」

そう言うと、ジュシアが慌てた様にズボンを拾った。私はジュシアの後ろに立って耳元で囁いた。

「ジュシア、まだ上手く下着を穿けていないみたいだね。…私が上手にやってあげようか?」

するとジュシアは身体を固くして頷いた。私はただ突っ込んだだけの下着の中に手を入れて、無意識にもゆっくりとジュシアの柔らかな股間に触れて、下着のカップに畳む様に仕舞い込んだ。


微かに甘くため息をついたジュシアは、赤らめた顔で私の方に向いて言った。

「僕どうも上手く出来ないんだ。ルークにしてもらうと、ほんと収まりがいいんだけど。」

そう言って上目遣いで後ろの私を見つめるジュシアは私の事を誘っているのだろうか。私は自分の都合の良い解釈を取ってジュシアの赤い唇に口づけた。見た目よりも柔らかく甘いジュシアの唇は私をあっという間に熱くした。


ここが教会であろうが、私のジュシアへの切望感は自覚していたよりもずっと多くて溢れ出した。私の舌に感じるジュシアのぬるりとした甘い口の中は甘美でやめられない。

丁度その時廊下を数人歩く足音がして、私達はハッと身体をひきはがした。蕩けた眼差しで私を見つめるジュシアに私は微笑んで言った。

「…こんな場所でなかったら、私はジュシアを手に入れていたよ。それに君も反対しなかったはずだ。」







しおりを挟む
感想 124

あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜

N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。 表紙絵 ⇨元素 様 X(@10loveeeyy) ※独自設定、ご都合主義です。 ※ハーレム要素を予定しています。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

処理中です...