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新しい僕
僕にできることって?
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難しい顔をした司祭長の、僕が世界の火種になりかねないという言葉の意味は、正直意味不明だった。僕はお腹がぽっちゃりした可愛いコツメカワウソで、時々人間にはなるもののそれだけだ。ま、ぼんやり光ってるけど。
その僕が世界の火種になる理由が分からない。チラッと横を見ると、ルークは眉を顰めて司祭長の厳しい顔を見つめていた。
「…それは他の国もジュシアを欲しがるということですか?」
ルークがそう言うと、司祭長は頷いた。
「目で見ることが出来て、話が出来て、光を纏って変幻も出来る、そんな存在を欲しがらないとは思えませんね。どこの国の教会でも神の使いとするならば、そんな存在は喉から手が出るほど欲しいものでしょう。それは国民の教会への信仰を深くしますから。
ただ物事には原則というものがあります。それがどこで発生したのか生まれ出る場所の確かさです。幸いジュシア様はこの国の聖なる滝壺で登場されました。ですから他の国がどう言いがかりをつけようが、我が国の教会にジュシア様は属していただけるでしょう。」
僕ははたと顔をあげて、司祭長に訴えた。
「あの、僕は教会には属しませんよ。僕は僕です。伯爵家の一員で、時々王都で仕事もします。身体が多少光ろうが、神様から何かことづけも受けていませんし、僕に何か特別に皆さんに奇跡を与えられる訳じゃないでしょう?ご利益がなかったら神様の使いと言っても役立たずですよ。」
司祭長はじっと僕を見つめて考え込んでいた。
「…聖なる滝壺で生まれただけで十分なのですが、こうして話をさせて頂くと、ジュシア様が市井で普通に暮らしたいとおっしゃる気持ちも分からなくはないです。何か貴方様しか出来ない特別なことはありませんか?」
「…無いと思いますけど。今まで特に意識してなかったので分からないというのが正直なところです。こうして光るのも自分でも驚くことですし、人の役に立つことがあるならしたいとは思いますけど。僕はせいぜいカワウソに変幻して、子供達を喜ばせるくらいしか思いつきません。」
ふと、司祭長は僕とルークを窺い見て言った。
「…その聖獣の変幻を見せてもらうわけにはいきませんか?私も話しか聞いてないので状況が上手く掴めていないものですから。」
僕とルークは顔を見合わせて頷いた。
「良いですよ。でもガッカリしないでくださいね。いかにもなカッコいい感じじゃ無いんですから。まぁ、可愛さでいうならピカイチですけど。ふふふ。」
僕はそう言って広いスペースに出ると、少々厳かな雰囲気を出そうと目を閉じて両手を広げた。そして衣装の山に埋もれたんだ。はぁ、決まらないよ。
その僕が世界の火種になる理由が分からない。チラッと横を見ると、ルークは眉を顰めて司祭長の厳しい顔を見つめていた。
「…それは他の国もジュシアを欲しがるということですか?」
ルークがそう言うと、司祭長は頷いた。
「目で見ることが出来て、話が出来て、光を纏って変幻も出来る、そんな存在を欲しがらないとは思えませんね。どこの国の教会でも神の使いとするならば、そんな存在は喉から手が出るほど欲しいものでしょう。それは国民の教会への信仰を深くしますから。
ただ物事には原則というものがあります。それがどこで発生したのか生まれ出る場所の確かさです。幸いジュシア様はこの国の聖なる滝壺で登場されました。ですから他の国がどう言いがかりをつけようが、我が国の教会にジュシア様は属していただけるでしょう。」
僕ははたと顔をあげて、司祭長に訴えた。
「あの、僕は教会には属しませんよ。僕は僕です。伯爵家の一員で、時々王都で仕事もします。身体が多少光ろうが、神様から何かことづけも受けていませんし、僕に何か特別に皆さんに奇跡を与えられる訳じゃないでしょう?ご利益がなかったら神様の使いと言っても役立たずですよ。」
司祭長はじっと僕を見つめて考え込んでいた。
「…聖なる滝壺で生まれただけで十分なのですが、こうして話をさせて頂くと、ジュシア様が市井で普通に暮らしたいとおっしゃる気持ちも分からなくはないです。何か貴方様しか出来ない特別なことはありませんか?」
「…無いと思いますけど。今まで特に意識してなかったので分からないというのが正直なところです。こうして光るのも自分でも驚くことですし、人の役に立つことがあるならしたいとは思いますけど。僕はせいぜいカワウソに変幻して、子供達を喜ばせるくらいしか思いつきません。」
ふと、司祭長は僕とルークを窺い見て言った。
「…その聖獣の変幻を見せてもらうわけにはいきませんか?私も話しか聞いてないので状況が上手く掴めていないものですから。」
僕とルークは顔を見合わせて頷いた。
「良いですよ。でもガッカリしないでくださいね。いかにもなカッコいい感じじゃ無いんですから。まぁ、可愛さでいうならピカイチですけど。ふふふ。」
僕はそう言って広いスペースに出ると、少々厳かな雰囲気を出そうと目を閉じて両手を広げた。そして衣装の山に埋もれたんだ。はぁ、決まらないよ。
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