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秘密の発覚
名探偵ガブリエル
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ガブリエルの機嫌が悪い。僕しばらく出禁かもしれない。
朝になってケインが朝食に降りてきたガブリエルに僕を引き渡して、優しく撫で撫でしてもらったところまでは良かった。相変わらず美味な朝食を、上品に口に押し込んだところまでも良かった筈だ。朝から元気なガブリエルと一緒にテクテク部屋に戻って行った時も、ガブリエルの機嫌は悪くなかった。
問題は部屋に到着して、待ち切れないようにガブリエルが僕に尋ねた時からおかしくなっていった気がする。
「ジュニ、昨夜は楽しかった?何して楽しんだの?」
僕は思わず、ガブリエルと合わせていた目を無意識に逸らしてしまった。賢いガブリエルが、そんな僕に違和感を感じるのは直ぐだった。少しトーンの落ちた、可愛さが目減りした声でガブリエルは僕に言った。
「…どうも僕に報告する事があるみたいだね。ジュニのままじゃ誤魔化されそうだから人型になって。」
僕はガブリエルが普段優しいけれど、本当は凄く容赦ないって事を知ってるんだ。マジで敵に回したくないタイプ。7歳のこの迫力にビビるのは、僕だけじゃないと思う。
僕は時間稼ぎにトボトボと部屋の引き出しに近づくと、スルリと人型になってゆっくり着替えた。決して時間稼ぎしていたんじゃないよ。そんな僕を眉を顰めて見つめていたガブリエルが、おもむろに立ち上がると、ケインが朝イチで届けてくれていた箱の中を漁り出した。
僕がハッと振り返ると、ガブリエルは僕の汚れたシャツやズボンを手にして見つめると、ボソリと呟いた。
「…何かあったんだね?全部話して。」
僕を見つめるガブリエルが真剣な眼差しなのを見て、僕は誤魔化せないと諦めて、ガブリエルの側に近寄るとそっと抱き寄せて言った。
「ごめんね。心配掛けたくなくて、話して良いか迷ってたんだ。でも、ガブリエルには嘘つけないね。」
僕とガブリエルが見つめ合っていた丁度その時、部屋のドアがノックされて声が掛けられた。ルークの声がして、習慣でビクっと動揺したものの、いつもの様に慌ててジュニに戻ろうとしない僕を見上げて、ガブリエルは眉を顰めて言った。
「…もしかして兄上にバレたの?」
僕は名探偵ばりのガブリエルに降参して、苦笑して言った。
「ガブリエルにはなんでもお見通しだね。バレたというか、バレていたというか。昨日は色々有り過ぎて、大変だったのは確かだよ。ルーク様も関係者だから、部屋に入ってもらっても大丈夫。場合によってはルーク様に対処してもらわないといけないかもしれないから。」
朝になってケインが朝食に降りてきたガブリエルに僕を引き渡して、優しく撫で撫でしてもらったところまでは良かった。相変わらず美味な朝食を、上品に口に押し込んだところまでも良かった筈だ。朝から元気なガブリエルと一緒にテクテク部屋に戻って行った時も、ガブリエルの機嫌は悪くなかった。
問題は部屋に到着して、待ち切れないようにガブリエルが僕に尋ねた時からおかしくなっていった気がする。
「ジュニ、昨夜は楽しかった?何して楽しんだの?」
僕は思わず、ガブリエルと合わせていた目を無意識に逸らしてしまった。賢いガブリエルが、そんな僕に違和感を感じるのは直ぐだった。少しトーンの落ちた、可愛さが目減りした声でガブリエルは僕に言った。
「…どうも僕に報告する事があるみたいだね。ジュニのままじゃ誤魔化されそうだから人型になって。」
僕はガブリエルが普段優しいけれど、本当は凄く容赦ないって事を知ってるんだ。マジで敵に回したくないタイプ。7歳のこの迫力にビビるのは、僕だけじゃないと思う。
僕は時間稼ぎにトボトボと部屋の引き出しに近づくと、スルリと人型になってゆっくり着替えた。決して時間稼ぎしていたんじゃないよ。そんな僕を眉を顰めて見つめていたガブリエルが、おもむろに立ち上がると、ケインが朝イチで届けてくれていた箱の中を漁り出した。
僕がハッと振り返ると、ガブリエルは僕の汚れたシャツやズボンを手にして見つめると、ボソリと呟いた。
「…何かあったんだね?全部話して。」
僕を見つめるガブリエルが真剣な眼差しなのを見て、僕は誤魔化せないと諦めて、ガブリエルの側に近寄るとそっと抱き寄せて言った。
「ごめんね。心配掛けたくなくて、話して良いか迷ってたんだ。でも、ガブリエルには嘘つけないね。」
僕とガブリエルが見つめ合っていた丁度その時、部屋のドアがノックされて声が掛けられた。ルークの声がして、習慣でビクっと動揺したものの、いつもの様に慌ててジュニに戻ろうとしない僕を見上げて、ガブリエルは眉を顰めて言った。
「…もしかして兄上にバレたの?」
僕は名探偵ばりのガブリエルに降参して、苦笑して言った。
「ガブリエルにはなんでもお見通しだね。バレたというか、バレていたというか。昨日は色々有り過ぎて、大変だったのは確かだよ。ルーク様も関係者だから、部屋に入ってもらっても大丈夫。場合によってはルーク様に対処してもらわないといけないかもしれないから。」
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