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ジュシアの生活

ガブリエルへのお土産

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僕が稼いで来たお金を、驚いた顔で見たガブリエルは、次の瞬間眉をひそめて口を尖らせた。

「…ジュニは直ぐにでも出ていっちゃいそうだね。ジュニにそんな才能があるとか、僕知らなかったよ。」

僕は隣に座っていたガブリエルを、膝に乗せてぎゅっと抱き寄せると言った。

「僕は城では裸で彷徨いてるからね。僕も服の取り合わせが得意だなんて知らなかったよ。」

すると胸元でクスクス笑う声がして、綺麗な緑色の瞳をほころばしてガブリエルが言った。


「ふふ。そうだね、城では僕もジュニが裸でウロウロしている現場は何度も見たけど、服を着てる場面はちょっとしか見てないかも。そう考えるとすごく面白いね!」

すっかり機嫌の治ったガブリエルの額にキスして、僕も言った。

「ご主人様、僕をこの城から追い出さないでくださいね?」

すると悪戯っぽい顔をして、ガブリエルは真っ直ぐな金髪を揺らすと、僕の頬にキスし返して言った。

「それはジュニの心がけ次第じゃないの?」


僕がガブリエルのお腹をくすぐってふざけていると、部屋の扉がノックされてルークだと言う。僕たちは顔を見合わせて、ちょっと待つ様にガブリエルが叫ぶと、僕は慌ててジュニに戻った。ガブリエルが僕の衣装をベッドの下に押し込んだ瞬間、ルークが扉を開けて入って来た。

「…何か、話し声がしたけど。」

ガブリエルは僕を撫でながらルークを見上げて言った。


「兄上、何かご用ですか?」

ルークは近寄ってくると、ガブリエルに撫でられている僕を抱きあげると、一人掛けソファに座って言った。

「私にも、ジュニを撫でさせてくれ。いや、今日夕方から王都へ出かける予定だから、何か買って来て欲しいものでもあるか聞きに来たんだよ。…これはどうしたんだ?」

ルークは脱いだら凄そうな胸元に僕を抱えながら、背中を指先で優しく櫛づいた。…すごい、それ。気持ちいい~!


僕がうっとりとルークに身を委ねていると、部屋が静まった気がして二人を見た。テーブルの上に乗った僕のガブリエルへのお土産がそこにはあった。それは商業ギルドへ行く途中に買った物で、断面が同じ模様のキャンディが綺麗なガラスのポットに入っていた。

ガブリエルは澄ました顔で何でもない様に答えた。

「これは今日ケインが王都へお使いに行った時に、買って来てくれたんだ。僕が前に美味しかったって話したのを覚えてくれていてね?」


それは丸々僕のことだったけれど、ガブリエルが咄嗟の機転で上手く言ってくれた。はぁ、流石だよ、ガブリエル。恐ろしい子。僕が強張らせた身体を、もう一度ルークに投げ出すと、ルークはふぅんと言いながら少し笑いの滲む口調で僕を撫でながら呟いた。

「あのケインが、そんな事に気が効くなんて思わなかったね。彼はほら、どちらかと言うとこんな洒落た店に入るのは躊躇う方だろう?でも、良かったね、ガブリエル。じゃあもし何か必要なものがあったら、出掛けるまでに教えてくれ。」

そう言うと、僕をガブリエルにそっと渡して、何だかご機嫌で部屋を出て行った。




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