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夜遊びの副産物

ルークside腕の中の彼

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私の腕の中に収まる滑らかな身体。私はぼんやりしながらその裸体を撫でた。髪から匂い立つ甘い香りは、高級な薔薇の石鹸のものだ。この匂い、何処かで…。

そうだ昨日の夜、眠れなくてナイトキャップを引っ掛けて、もっと飲もうかと部屋を出て…。あの時に、ガブリエルのペットのジュニと出くわして、抱き上げた時に香った匂いと一緒だ。


あいつ何であんな良い匂いしたんだか。家でも母上くらいだろう、使用するのは。そこまで考えて、ハッと目を開いた。同時に腕の中の良い匂いの元が、温かな裸の身体の人間だと気が付いた。

…誰だ?丁度その時身動きしたその身体の持ち主は、私にその顔を見せた。彼だ。酒場で陽気に騒いでた魅力的な彼。城の中で酔った私の前に現れて、甘い口づけだけ残して忽然と消えた彼。そして今はなぜか全裸で私のベッドの中…。


私は胸をドキドキさせながら、理由は不明ながら腕の中の彼を観察した。身動きしたら彼がまた消えてしまう気がして、動けなくなってしまった。

部屋の揺らめく小さなランタンの灯りに、長い睫毛がつるりとした頬に影を落としている。小づくりな鼻を目で辿れば、柔らかそうな唇は少し開いて、安らかな寝息を立てていた。

あの唇にもう一度口付けたい。そう思うのに、動けない。手のひらに伝わってくる生々しい裸の感触はちゃんとここに存在するって教えているのに。


私は思い切って誘う様な唇に、そっと唇を押し当てた。あの夜の甘い口づけを思い出すこの感じ…。舌を伸ばしてそっと唇をなぞれば、私の腕の中で彼がもう一度身動きした。

私は思い切って、この夢か現実か分からない存在をグッと引き寄せた。指先に感じる腰より下の盛り上がる丘は程よい弾力があって、武術で鍛えられた自分のものとはまるで違っていた。かと言って女性のものとは違う感触に、私はただ夢中になって荒くなる息を自覚した。


少し眉を顰めた彼が、モゾモゾと私の腕の中から逃れようと寝返りを打つと、息を殺す私にお構いなしに後ろを向いて、また深い寝息を立て始めた。

私の強張らせた腕の中で一回転した彼の、大事な部分が指の先に触れて、私は一瞬でその事に気持ちが高ぶってしまった。ああ、このチャンスをものにすべきなのか。でも同意なく彼を組み敷いて良いものなのか。


眠っているせいなのか、指先に触れる彼自身が昂っている事が私をますます追い詰めた。ああ、これは天国なのか、地獄なのか…。

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