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ドキドキの種類

あんた誰?

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ルークと一緒に噴水に近づいてきたのは、やはりお仲間の貴族令息らしかった。ガブリエルがパッと顔を輝かせてルークたちのところへ走っていった。

「兄上、マイケル様!マイケル様、こんにちは!ようこそおいで下さいました!」

ふぅん、ガブリエルはマイケルを手放しで歓待してるな。ルークのご学友というやつか?僕が噴水の縁に捕まって顔を少しだけ出して三人の様子を観察していると、ビショップがルークの側へ走って行った。


三人がビショップを撫でたりして可愛がり終わると、三人は僕の方を向いた。いやいや、僕はビショップのように簡単にはいきませんぜ?知らない人とは口聞いちゃいけませんって習った気がするし。僕はそっと水中に沈むと、噴水の端の方へと潜って行って、プカリと顔を出した。

すると目の前に知らない青年が覗き込んでいて、驚いた僕は思わずガボガボと水を飲んでしまった。クッ、何たる不覚!思わず縁に捕まって水を吐き出していると、燃えるような赤毛の短髪の青年はゲラゲラと笑いながらルークに言った。


「なんだコイツ、泳ぐのが得意と聞いたが溺れかかったぞ?」

むむ、何て失礼なやつなんだ。誰だ、こんな無作法な奴を連れてきたのは。ルークか、やっぱりお兄ちゃんは碌なことをしない。僕はツンとして、ガブリエルのいる噴水の縁へと泳いで行った。

「マイケル様、ジュニは驚いたんですよ。この子はとても賢いから、人見知りしたんじゃないですか?ね?ジュニ。」

僕は縁から台座の上に登ると、ガブリエルの撫でる手に両手でしがみついた。抱っこしてもらいたいけど、流石にびしょ濡れでそれは無理そうだ。


「ほら、マイケル様を怖がっているみたいですね。さっき、よっぽど驚いたのかな?」

僕がガブリエルに、マイケルがウザいとキューキュー文句を垂れていると、ルークが僕をじっと見つめて呟いた。

「なぁジュニ、随分と太ったんじゃないか?首輪だったら、作り替えが必要なくらいだ。」

僕はまたルークまで僕の豊満ボディを指摘してきて、流石に目が埴輪になってしまった。けれど突然僕はハッと気づいてしまった。テラスの側に隠してある洋服がどうなっているのかという事と、もしかしてデブって着られなくなっているかもしれないという事に。


僕はマイケルが僕にちょっかいを掛けるのを、大人の対応で、右に左に適当にあしらいながら、今日の夜中に確認しに行こうと心に決めた。







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