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ドキドキの種類

バレてしまった

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「うーん、やっぱりそうだよね?」

そう言ってケインに僕の両脇を抱え上げさせると、ガブリエルは言った。僕は怪我をして、籠の中でしばらく食っちゃ寝していたせいで、どうもデブったみたいだ。ガブリエルが僕を抱き上げようとして、その違いに気づかれてしまった。

僕のお腹はぽっちゃりがチャームポイントなんだけど、どうも背中に貫禄が出たらしい。ガブリエルは執事に尋ねた。

「ねぇ、これ以上太ったら、病気になっちゃうんじゃないの?」


うっ、ガブリエルが賢過ぎて辛い。執事は頷くと、ガブリエルに微笑んで加勢した。

「その通りです、ガブリエル坊っちゃま。ジュニは元々サウリ山の滝壺の奥に住んでいたと聞きました。あの辺りは人を寄せ付けない険しいエリアで有名です。聖水の源だと言われているくらいですからね。

確かに城に来た当時は、店の主人曰く、食べさせ過ぎて太ってしまったと言ってたくらいですから、元々はかなり痩せていたんでしょう。今は更に太ってますから、少し体重を落とさせる必要がありますね。」


すっかり大食らいになっていた僕は、この執事のひと言で、ダイエットさせられることになってしまった。僕は療養期間に人間味が出て、怠惰な生活に慣れてしまったせいで、動くのが面倒に感じる様にもなっていた。

だから連れ出されたお庭でも、ドタドタと歩いては少し休むと言った具合で、ガブリエルを呆れさせてしまった。結局ケインに抱き抱えられて噴水まで辿り着くと、ボチャンと落とされた。…ケインはどうも雑でいけない。


でも、一旦水の中に入って仕舞えば、デブの浮力が味方して、僕はスイスイと勇んで泳ぎ出した。わぅ、楽しい!そう言えば、僕はコツメカワウソだったんだ。僕の本能は無意識に身体を動かして、潜っては顔を出して、ガブリエルが噴水の側を走るのを追い掛けた。

ひとしきり泳いだ時、遠くからビショップの吠える声が聞こえてきた。

『ジュニたん~!?遊んでるのぉ~!やったぁ!ボクも、一緒にあそぶよ~!』


相変わらずテンションが高い、可愛いビショップに、僕は噴水の彫像に捕まって立ち上がって、近づいて来るビショップを待った。白いモコモコが意外に早いスピードで近づいてきていた。

それと同時に、ルークらしき人物と、誰かもう一人が後からゆっくり近づいて来ていた。僕は誰が来たのかと、思わず凝視したけれど、遠くがよく見えるわけでもないので諦めて、やって来たビショップに水面に浮かんでいたボールを次々に投げて遊んでやった。ほんと、コイツ可愛いな。

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