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停電の夜 お題140字
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「ちょっと非日常でワクワクするよね。」
蝋燭ホルダーに入れられた無骨な非常用の蝋燭の灯りが揺らめいて、楽しげな優一の声が部屋に響いた。親が居ないからと、久しぶりに琢磨の部屋で夜を徹してゲーム三昧と洒落込んでいたのに、生憎の雷雨で停電になってしまった。
優一はチラッと琢磨の方を見て恥ずかしげに呟いた。
「家が近くても高校違うと全然遊べないじゃん?結構寂しいなって思ってたんだ。」
「…おう。」
琢磨は寂しいなんて言葉じゃ足り無かったけれど、この親密な空間と揺らめくオレンジの光に優一の可愛い顔が照らされて、さっきから心臓がバクバクしているせいで、呻き声しか出せない。
「琢磨、さっき付き合ってる人居ないって言ってたよね?」
「おお…。」
優一が琢磨から顔を逸らして蝋燭を見つめて呟いた。
「あのね、僕…。」
琢磨は胸がぎゅっと締め付けられた。この話の続きはきっとこうだ。『僕は付き合ってる人いるよ』…聞きたくないけど、親友なら聞いてやらなくちゃダメだろ、俺。
「…おう。」
優一は真剣な眼差しで蝋燭をじっと見つめている。さっきまでの柔らかな笑顔が消えているのに気づいて、琢磨は思わず眉を顰めて優一を凝視した。何だ?
「僕が琢磨と付き合いたいって言ったらどうする?…。…困るよね?」
琢磨は一瞬言葉の意味を理解しようと脳内をドタバタと走り回って、それから喉を割って言葉が飛び出た。
「…うぇ?」
そんな琢磨を困った顔で見つめた優一は、両手で顔を覆ってため息混じりに呟いた。
「なんてね。嘘。今の嘘だから。」
優一の耳が赤いのを見つめた琢磨は、考える暇もなく身を乗り出して優一の前に正座していた。
「…困らないけど。俺、お前に会えなくて死にそうだったんだけど。付き合ったら毎日会える?」
優一はパッと顔を上げて、それから眉を顰めた。
「…あのさ、毎日会ってゲームするとかじゃないよ?僕が言ってるのって…、その、あ゛ー!むりっ!」
一人で顔を赤くしてテンパってる優一が可愛くて、琢磨は思わず優一を抱きしめた。
「…こういう事?」
すると腕の中で大人しくなった優一が拗ねた様に小声で呟いた。
「本当に分かってる?」
琢磨はさっきよりも心臓がドキドキしていたけれど、凄く浮かれた気分だった。だから隠しきれない笑みを浮かべながら、赤らんだ顔の優一に唇を押し付けた。柔らかなその感触に、何だか胸が詰まった。
けれど次の瞬間、優一に力任せに押し倒された琢磨は、優一が嬉しげに笑うのをぼんやりと見上げた。
「…はぁ、もう我慢出来ない。琢磨可愛すぎて無理なんだけど。良いよね?僕のものにしても。僕たち付き合うんだもんね?」
…琢磨はなんか自分が思っていたのと違った気がした。でも相変わらず心臓はドキドキして、優一の自分を見つめる眼差しから目が離せなかった。こんな目で欲しがられたら、負ける。俺はいつだって優一に甘いんだ。
「…ああ。いいよ。お前のものにしてよ。」
蝋燭ホルダーに入れられた無骨な非常用の蝋燭の灯りが揺らめいて、楽しげな優一の声が部屋に響いた。親が居ないからと、久しぶりに琢磨の部屋で夜を徹してゲーム三昧と洒落込んでいたのに、生憎の雷雨で停電になってしまった。
優一はチラッと琢磨の方を見て恥ずかしげに呟いた。
「家が近くても高校違うと全然遊べないじゃん?結構寂しいなって思ってたんだ。」
「…おう。」
琢磨は寂しいなんて言葉じゃ足り無かったけれど、この親密な空間と揺らめくオレンジの光に優一の可愛い顔が照らされて、さっきから心臓がバクバクしているせいで、呻き声しか出せない。
「琢磨、さっき付き合ってる人居ないって言ってたよね?」
「おお…。」
優一が琢磨から顔を逸らして蝋燭を見つめて呟いた。
「あのね、僕…。」
琢磨は胸がぎゅっと締め付けられた。この話の続きはきっとこうだ。『僕は付き合ってる人いるよ』…聞きたくないけど、親友なら聞いてやらなくちゃダメだろ、俺。
「…おう。」
優一は真剣な眼差しで蝋燭をじっと見つめている。さっきまでの柔らかな笑顔が消えているのに気づいて、琢磨は思わず眉を顰めて優一を凝視した。何だ?
「僕が琢磨と付き合いたいって言ったらどうする?…。…困るよね?」
琢磨は一瞬言葉の意味を理解しようと脳内をドタバタと走り回って、それから喉を割って言葉が飛び出た。
「…うぇ?」
そんな琢磨を困った顔で見つめた優一は、両手で顔を覆ってため息混じりに呟いた。
「なんてね。嘘。今の嘘だから。」
優一の耳が赤いのを見つめた琢磨は、考える暇もなく身を乗り出して優一の前に正座していた。
「…困らないけど。俺、お前に会えなくて死にそうだったんだけど。付き合ったら毎日会える?」
優一はパッと顔を上げて、それから眉を顰めた。
「…あのさ、毎日会ってゲームするとかじゃないよ?僕が言ってるのって…、その、あ゛ー!むりっ!」
一人で顔を赤くしてテンパってる優一が可愛くて、琢磨は思わず優一を抱きしめた。
「…こういう事?」
すると腕の中で大人しくなった優一が拗ねた様に小声で呟いた。
「本当に分かってる?」
琢磨はさっきよりも心臓がドキドキしていたけれど、凄く浮かれた気分だった。だから隠しきれない笑みを浮かべながら、赤らんだ顔の優一に唇を押し付けた。柔らかなその感触に、何だか胸が詰まった。
けれど次の瞬間、優一に力任せに押し倒された琢磨は、優一が嬉しげに笑うのをぼんやりと見上げた。
「…はぁ、もう我慢出来ない。琢磨可愛すぎて無理なんだけど。良いよね?僕のものにしても。僕たち付き合うんだもんね?」
…琢磨はなんか自分が思っていたのと違った気がした。でも相変わらず心臓はドキドキして、優一の自分を見つめる眼差しから目が離せなかった。こんな目で欲しがられたら、負ける。俺はいつだって優一に甘いんだ。
「…ああ。いいよ。お前のものにしてよ。」
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