3 / 16
アレをしてください (お題…王子/従者)
しおりを挟む
「あいつを呼べ。」
従者の申し訳なさそうな顔を見て、僕はまたかと溜息をついた。今日はこれで三度目の呼び出しだ。僕にだってやる事があるのに。
そそくさと立ち去る従者と共に、このどぎつい部屋から出て行きたくなる気持ちを押し殺して、僕は笑顔を貼り付けて言った。
「殿下お呼びでしょうか。」
目の前の、綺麗な顔をしているのに、妙にマッチョでアンバランスさえ感じるこの国の皇太子は、僕を見るなり言った。
「アレだ。アレをしてくれ。」
僕は思わず口を尖らせて、本音が出た。
「あれは、案外疲れるのですよ。本当なら、お礼に同じ様にしてもらわないと割に合わないと言うか…。」
するとマッチョ、いや、殿下はおもむろに立ち上がり、顔を心なしか赤らめて言った。
「私がやろう。今やろう。ここに来い。」
僕は妙に前のめりの殿下に、少し後退りながら恐る恐る言った。
「いえ、流石に殿下にやってもらう訳には。僕は従者にしてもらいますから大丈夫です。」
すると、途端に眉間に皺を寄せて言った。
「…お前従者にしてもらったのか?アレを?…ジュウシャコロス。」
最後の方は聞き取れなかったけれど、僕はとにかく殿下を落ち着かせたい一心で、精一杯の笑顔で言った。
「殿下。さあ、そこに横になってください。僕に任せてください、ね?」
すると少し迷った様に視線を泳がせた後、私にもやらせろよ?とブツブツ言いながら、案外素直に横になった。僕は殿下も、こんな時ばかりは可愛いものだと内心笑いながら、殿下の身体に手を這わした。
直ぐに寝落ちしてしまった殿下の、身体の凝りが相変わらず酷いと思いながら、適当に揉み解すと、僕はぐっすり眠っている殿下のうつ伏せた横顔を見つめながら呟いた。
「いつか僕にもやってくださいね。」
すると眠っていたはずの殿下の手が伸びて、僕の逃げ遅れた手を掴んだ。殿下はゆっくり瞼を開けると、僕を見つめて嬉しげに言った。
「ああ。毎日やってやる。お前が蕩けて起き上がれなくなるまでな。」
従者の申し訳なさそうな顔を見て、僕はまたかと溜息をついた。今日はこれで三度目の呼び出しだ。僕にだってやる事があるのに。
そそくさと立ち去る従者と共に、このどぎつい部屋から出て行きたくなる気持ちを押し殺して、僕は笑顔を貼り付けて言った。
「殿下お呼びでしょうか。」
目の前の、綺麗な顔をしているのに、妙にマッチョでアンバランスさえ感じるこの国の皇太子は、僕を見るなり言った。
「アレだ。アレをしてくれ。」
僕は思わず口を尖らせて、本音が出た。
「あれは、案外疲れるのですよ。本当なら、お礼に同じ様にしてもらわないと割に合わないと言うか…。」
するとマッチョ、いや、殿下はおもむろに立ち上がり、顔を心なしか赤らめて言った。
「私がやろう。今やろう。ここに来い。」
僕は妙に前のめりの殿下に、少し後退りながら恐る恐る言った。
「いえ、流石に殿下にやってもらう訳には。僕は従者にしてもらいますから大丈夫です。」
すると、途端に眉間に皺を寄せて言った。
「…お前従者にしてもらったのか?アレを?…ジュウシャコロス。」
最後の方は聞き取れなかったけれど、僕はとにかく殿下を落ち着かせたい一心で、精一杯の笑顔で言った。
「殿下。さあ、そこに横になってください。僕に任せてください、ね?」
すると少し迷った様に視線を泳がせた後、私にもやらせろよ?とブツブツ言いながら、案外素直に横になった。僕は殿下も、こんな時ばかりは可愛いものだと内心笑いながら、殿下の身体に手を這わした。
直ぐに寝落ちしてしまった殿下の、身体の凝りが相変わらず酷いと思いながら、適当に揉み解すと、僕はぐっすり眠っている殿下のうつ伏せた横顔を見つめながら呟いた。
「いつか僕にもやってくださいね。」
すると眠っていたはずの殿下の手が伸びて、僕の逃げ遅れた手を掴んだ。殿下はゆっくり瞼を開けると、僕を見つめて嬉しげに言った。
「ああ。毎日やってやる。お前が蕩けて起き上がれなくなるまでな。」
21
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる