3 / 69
冷めた男
俺の相棒
しおりを挟む
カフェでいつものように場所取りを率先してやってくれる蓮は、最近めきめきと背が伸びた。もしかして中三の生徒の中で、一番背が高いかもしれない。
背ばかりじゃなくて、ラグビー部にありがちなマッチョ体型だ。まぁ、もう部活も引退したけどな。
「いつも悪いな、蓮。他の奴らはまだ?」
蓮はニコっと笑うと、俺の好きなキャラメルマキアートを差し出して言った。
「涼介はクールなのに、こんなに甘い飲み物が好きだってのがギャップ萌えだな。」
俺は素直にギャップ萌えドリンクを有難く受け取ると、蓮の真向かいに座って言った。
「あー、うちの理玖が甘いもの好きだから、それに付き合ってたら甘党になったってだけだ。」
蓮はクスクス笑いながら俺を見つめて言った。
「涼介って、ほんとブラコンの鏡だな。ふふ。今理玖くん何年生になったんだっけ?まぁ、理玖くんの場合、涼介だけじゃなくて、篤哉も輪に掛けて溺愛してるからな。まぁ特別なのかな…。」
俺はなんとなく蓮が奥歯に物を挟んだような言い方をしてるのが気になったけれど、こいつは基本自分のことは他人に言わないので、聞いたとしても答えないだろうと尋ねるのをやめた。
「理玖は5年だよ。いくら篤哉が溺愛してたって、5年生じゃどうこう出来るわけじゃないからな。あいつら見てると、どうしようもないんだぜ。覚えてるか?理玖が3年生の時に髪ばっさり切ったの。
あの時、篤哉めっちゃ動揺してさ、理玖に会わせてくれって必死で頼んできたんだ。俺、めんどくせぇから、校庭で引き合わせて放っておいたわけ。
そしたら、何か二人して気まずい感じになってて、俺マジで二人の板挟みになったんだ。自分の弟を悲しませる友達にもムカつくけど、篤哉も馬鹿みたいに落ち込んでてさ。
だからって、あの篤哉に弟をもて遊ばれたくないじゃん?兄貴の俺は非常に難しい立場だった訳。」
蓮は黙って聞いてたけれど、ニヤリと口元を緩ませると言った。
「しかも最近の篤哉はタガが外れてるよな?兄貴としてみたら、可愛い弟にはちょっと危なくて近づけられないよな?」
俺は篤哉が壱太と、コソコソと遊び回ってるのを思い出した。
「ほんと壱太は昔から節操がないけどさ、篤哉はどうしたんだマジで。俺にバレてないって思ってるのが浅はかだけど。とは言え、俺たちもあんまり人のこと言えないか?そう言えば蓮、最近後輩に告られたんだって?」
すると蓮は嫌な顔しながら俺を見た。
「…何で知ってんの。別に付き合ってない。」
俺はニヤニヤしながら尋ねた。
「でもやる事はヤったんだろ?お願いされて?蓮は優しいから年下にモテモテだよな。でも俺、意外だったんだけど。お前、男もいけたんだ。」
背ばかりじゃなくて、ラグビー部にありがちなマッチョ体型だ。まぁ、もう部活も引退したけどな。
「いつも悪いな、蓮。他の奴らはまだ?」
蓮はニコっと笑うと、俺の好きなキャラメルマキアートを差し出して言った。
「涼介はクールなのに、こんなに甘い飲み物が好きだってのがギャップ萌えだな。」
俺は素直にギャップ萌えドリンクを有難く受け取ると、蓮の真向かいに座って言った。
「あー、うちの理玖が甘いもの好きだから、それに付き合ってたら甘党になったってだけだ。」
蓮はクスクス笑いながら俺を見つめて言った。
「涼介って、ほんとブラコンの鏡だな。ふふ。今理玖くん何年生になったんだっけ?まぁ、理玖くんの場合、涼介だけじゃなくて、篤哉も輪に掛けて溺愛してるからな。まぁ特別なのかな…。」
俺はなんとなく蓮が奥歯に物を挟んだような言い方をしてるのが気になったけれど、こいつは基本自分のことは他人に言わないので、聞いたとしても答えないだろうと尋ねるのをやめた。
「理玖は5年だよ。いくら篤哉が溺愛してたって、5年生じゃどうこう出来るわけじゃないからな。あいつら見てると、どうしようもないんだぜ。覚えてるか?理玖が3年生の時に髪ばっさり切ったの。
あの時、篤哉めっちゃ動揺してさ、理玖に会わせてくれって必死で頼んできたんだ。俺、めんどくせぇから、校庭で引き合わせて放っておいたわけ。
そしたら、何か二人して気まずい感じになってて、俺マジで二人の板挟みになったんだ。自分の弟を悲しませる友達にもムカつくけど、篤哉も馬鹿みたいに落ち込んでてさ。
だからって、あの篤哉に弟をもて遊ばれたくないじゃん?兄貴の俺は非常に難しい立場だった訳。」
蓮は黙って聞いてたけれど、ニヤリと口元を緩ませると言った。
「しかも最近の篤哉はタガが外れてるよな?兄貴としてみたら、可愛い弟にはちょっと危なくて近づけられないよな?」
俺は篤哉が壱太と、コソコソと遊び回ってるのを思い出した。
「ほんと壱太は昔から節操がないけどさ、篤哉はどうしたんだマジで。俺にバレてないって思ってるのが浅はかだけど。とは言え、俺たちもあんまり人のこと言えないか?そう言えば蓮、最近後輩に告られたんだって?」
すると蓮は嫌な顔しながら俺を見た。
「…何で知ってんの。別に付き合ってない。」
俺はニヤニヤしながら尋ねた。
「でもやる事はヤったんだろ?お願いされて?蓮は優しいから年下にモテモテだよな。でも俺、意外だったんだけど。お前、男もいけたんだ。」
0
お気に入りに追加
450
あなたにおすすめの小説
天上の果実
曙なつき
BL
大きな果実の実が頭に当たったことにより、記憶を失った婚約者のルシス。
目を覚ました彼に、私はこう言った。
「愛しい人。あなたと私は愛し合っていました。来年には式を挙げる予定なのですよ」
それは少しの真実と多くの嘘を織り交ぜた言葉だった。
ルシスは私を嫌い、厭うていた。
記憶を無くした少年と、彼を囲いこむ王子の物語です。
※なお、ルシスの兄と弟の物語も併せて掲載します。完結まで予約済みです。
アルファ王子に嫌われるための十の方法
小池 月
BL
攻め:アローラ国王太子アルファ「カロール」
受け:田舎伯爵家次男オメガ「リン・ジャルル」
アローラ国の田舎伯爵家次男リン・ジャルルは二十歳の男性オメガ。リンは幼馴染の恋人セレスがいる。セレスは隣領地の田舎子爵家次男で男性オメガ。恋人と言ってもオメガ同士でありデートするだけのプラトニックな関係。それでも互いに大切に思える関係であり、将来は二人で結婚するつもりでいた。
田舎だけれど何不自由なく幸せな生活を送っていたリンだが、突然、アローラ国王太子からの求婚状が届く。貴族の立場上、リンから断ることが出来ずに顔も知らないアルファ王子に嫁がなくてはならなくなる。リンは『アルファ王子に嫌われて王子側から婚約解消してもらえば、伯爵家に出戻ってセレスと幸せな結婚ができる!』と考え、セレスと共にアルファに嫌われるための作戦を必死で練り上げる。
セレスと涙の別れをし、王城で「アルファ王子に嫌われる作戦」を実行すべく奮闘するリンだがーー。
王太子α×伯爵家ΩのオメガバースBL
☆すれ違い・両想い・権力争いからの冤罪・絶望と愛・オメガの友情を描いたファンタジーBL☆
性描写の入る話には※をつけます。
11月23日に完結いたしました!!
完結後のショート「セレスの結婚式」を載せていきたいと思っております。また、その後のお話として「番となる」と「リンが妃殿下になる」ストーリーを考えています。ぜひぜひ気長にお待ちいただけると嬉しいです!
11月開催の第12回BL大賞にエントリーしています。読んでいただけると嬉しいです☆投票・お気に入り登録、感想などいただけましたら励みになります!
ぜひぜひ応援、よろしくお願いします(^^♪
サクラメント300
朝顔
BL
アルファの佐倉は、過去に恋人を傷つけたことで、贖罪のための人生を送ってきた。
ある日不運な偶然が重なって、勤務先のビルのエレベーターに閉じ込められてしまった。
そこで一緒に閉じ込められたアルファの男と仲良くなる。
お互い複雑なバース性であったため、事故のように体を重ねてしまう。
ただの偶然の出会いのように見えたが、それぞれが赦しを求めて生きてきた。
贖罪の人生を選んだ佐倉が、その先に見つける幸せとは……
春らしく桜が思い浮かぶようなお話を目指して、赦しをテーマに書いてみました。
全28話 完結済み
⭐︎規格外フェロモンα×元攻めα
⭐︎主人公受けですが、攻め視点もあり。
※オメガバースの設定をお借りして、オリジナル要素を入れています。
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたアルフォン伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
アルフォンのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる