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俺たちの歪な関係

鬼の予言 【完】

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結局、最後までしなかったものの、俺はいい様に青鬼の真己に貪られた気がする。快感と疲れで意識が飛ぶ直前に真己がうっそりと微笑んで、しばらく退屈しないなと言った気がするけど、思い違いだったら良いのにな。

まだ気だるさが残る身体を持ち上げてシャワーを浴びていると、部屋の方で真己も起きた気配がした。俺は慌てて浴室から出ると、妙に色っぽい上半身裸の真己がベッドに腰掛けていた。


そして俺の方をチラ見ると、ニヤッと笑って言った。

「おはよう、一誠。よく眠れた?」

俺は首を振って言った。

「…あんまり。一回ぐらいならともかく、何度もじゃ流石に腰も怠いよ。」

すると、真己が少し瞳を赤くして言った。


「一誠が挿れさせてくれないから、回数で何とかするしかないじゃない?どうする?もし大変なら濃厚な一回挿入で蹴りをつけようか?

まだ寝ぼけていた俺の頭の中が急に冴え渡った。俺は慌てて顔と手を振ると、少し後ずさって言った。

「いえっ!回数でお願いします!」

真己はリモコンでチャンネルを選びながら、なんて事ないように呟いた。

「そう?一誠は素質あるから後ろの方がずっと気持ちよく簡単に穢れを祓えると思うけどね。ま、そのうちにね?」


俺は可愛い顔をして恐ろしい事を呟く真己に恐れをなして、着替えをしながら真己にずっと聞こうと思っていた事を尋ねた。

「…あのさ、真己があの石の中に戻るのって後どれくらい後?」

真己が俺の方を見ているのには気づかないフリをして俺は強張った顔でシャツを羽織った。何だか真己がこっちを向いて笑っている気がしたからだ。

いつのまにか側に来てたのか、真己は俺の顎を指先で摘んで言った。


「我が一誠と一緒に居るのは、後10ヶ月ほど。其方が望めば延長可能じゃ。我が思うに、きっと一誠は我に延長を求める様になると思うがな?」

そう言って赤い唇でうっそりと笑うと、俺にそっと唇を押し当てた。俺は真己の言った言葉を頭の中で反芻しながら、高校の制服に着替え始めた真己を呆然と眺めた。

延長申請?俺が?あり得ない。俺は無性にカッカしてきて、先に出るぞとマンションのドアを乱暴に閉めると足早に大学へ向かった。




今になって考えれば、俺はその時きっと真己に絡め取られる自分の姿に、ほんの少し期待した自分に恐怖したんだと思う。でも、その時はどうやったら青鬼の真己から自分を取り戻せるかってそればっかりだったんだ。

俺はあれから二年経つのに、まだ真己と一緒に生活している。あの時真己が言ったのは鬼の予言だったんだろうか。それとも俺は真己に魅入られてしまったんだろうか。

それは答えのでない問いだけど、俺は諦めと疼く心臓の音を感じながら、今日も真己と一緒に暮らしてるんだ。



                【完】


心霊が好きでも、考えるのは難しいですねwこのお話の中のエピソードは多少実際の経験も取り入れています。
実際の怖さははっきり解決できない事の方が多いかもしれません。
ホラーは大好物なので、ゾクゾクして怖すぎる作品がいつか書けたらいいなぁと野望を抱いてます笑。
読者の皆様には、私の趣味にお付き合いくださいましてありがとうございました♡

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