9 / 14
二人の通じ合う気持ち※
しおりを挟む
聞いたことのない優しい声で、僕を逃さないと耳元で囁かれた僕は固まってしまった。強引に振り向かせられて、泣濡れた僕の顔をハッとした様に見つめたタカは、馬鹿みたいに嬉しそうな顔で言った。
「…奏が好きなんだ。もしかしたら中3の頃から好きだったと思う。執行部に引き入れたのも側に置きたかったからだ。でも、他の奴らと仲良くしてる奏を見るのは嫌だった。俺だけのものにしたかったんだ。やり方は凄い間違ったし、反省もしてるけど、頼むから俺を許してくれないか。…もう、俺のこと嫌いになったか?」
タカは話しながら段々顔を強張らせていった。流石に自分が酷いことをして来た自覚があったんだろう。僕はタカが僕の事をそんなに前から好きだった事にまずびっくりした。顔を強張らせて僕の返事を待っているタカが、何だかいつもの自信家なタカとは全然違うのが、妙に可愛く思えた。
僕はおずおずとタカに抱きついて、背中に手を回して小さな声で言った。
「…僕もずっと前からタカが好きだよ。今も、好き。」
頬に触れるタカの首筋の脈がドキドキとしているのが感じられて、僕はタカの気持ちを信じられた。
すっかり恥ずかしくなった僕は何だか顔を上げられない。散々えっちな事だってして来たと言うのに、妙にドキドキしていた。すると僕をぎゅっと抱きしめていたタカが優しく僕を呼んだ。
「…かなで。こっち向いてくれ。」
僕はタカの顔を見上げた。男らしいスッキリした眼差しと、少し肉厚な大きな唇を緩めて、タカは僕をじっと見下ろしていた。
「好きだ、かなで。」
そう甘く名前を呼んで、僕にそっと口づけた。その柔らかで包み込む様なキスは僕の全身を震わせて、ズキズキと興奮させた。僕はしがみつく様にタカの首に手を回して、その先を強請った。
何度もキスしてきたはずの僕たちは、今が本当のキスだったのかな。お互いの気持ちが繋がったキスは熱くて堪らなかったけれど、今までだって僕たちは同じ様な熱いキスをしていた気がする。セフレだった僕達のキスは、本当は両思いのキスだったの?
ふいに部屋の鍵を掛ける音がして、僕はタカの腕の中でぼんやり重い瞼を開けた。目の前のタカはぎらついた眼差しで僕に言った。
「恋人の欲求不満は喜んで解消してやるけど…?」
そういえば、この部屋に入るなりムラムラするからタカに慰めて貰いに来たって、僕が言った事を思い出した。僕は自分でも信じられない事を言ったんだと顔を熱くしながら、タカの胸に額をつけて答えた。
「ばか…。早く解消してよ。」
ベッドに深く腰掛けたタカが、僕と繋いだ手を引っ張って自分の腿の上に僕を跨らせた。僕たちは触れるだけのキスをしながら、少し震える手でお互いの服を剥ぎ取った。目の前の逞しくてなめらかな筋肉が僕のものになったと思うと、撫でてキスするだけじゃ味わいきれない気がした。
タカの唇が僕の首筋をなぞって胸にたどり着くと、僕の身体を引き寄せて、タカの愛撫のせいで少し育った胸のてっぺんを舌で舐めてつついた。僕は呻きながら、もっと強く吸ってとタカに甘えた。
じゅっとタカに吸われるとビリビリと痺れが股間に走って、僕は思わず腰を揺らした。すっかり高まった僕自身とタカの重々しいそれが服越しに触れて、僕たちはまるで申し合わせた様に擦り付け合った。ああ、逝きそう!
僕がそう言ったのか、そう考えただけなのか、僕はベッドに横倒しにされて乱暴に下着ごと脱がされていた。膝立ちになったタカがスエットと下着を引き下げて、猛り切った自分のモノをゆっくり手で何度か扱きながら、僕に尋ねた。
「…準備は?」
僕はクスッと笑ってタカに手を伸ばして言った。
「準備しておけって言ったよね?」
するとタカは急に困った表情で僕に覆いかぶさって、優しくキスして言った。
「あんまり虐めないでくれ。反省してるから。」
僕はタカの目の中に僕への情熱が籠っているのを見つめながら笑って言った。
「僕を喜ばせてくれたら許してあげるよ。」
「…奏が好きなんだ。もしかしたら中3の頃から好きだったと思う。執行部に引き入れたのも側に置きたかったからだ。でも、他の奴らと仲良くしてる奏を見るのは嫌だった。俺だけのものにしたかったんだ。やり方は凄い間違ったし、反省もしてるけど、頼むから俺を許してくれないか。…もう、俺のこと嫌いになったか?」
タカは話しながら段々顔を強張らせていった。流石に自分が酷いことをして来た自覚があったんだろう。僕はタカが僕の事をそんなに前から好きだった事にまずびっくりした。顔を強張らせて僕の返事を待っているタカが、何だかいつもの自信家なタカとは全然違うのが、妙に可愛く思えた。
僕はおずおずとタカに抱きついて、背中に手を回して小さな声で言った。
「…僕もずっと前からタカが好きだよ。今も、好き。」
頬に触れるタカの首筋の脈がドキドキとしているのが感じられて、僕はタカの気持ちを信じられた。
すっかり恥ずかしくなった僕は何だか顔を上げられない。散々えっちな事だってして来たと言うのに、妙にドキドキしていた。すると僕をぎゅっと抱きしめていたタカが優しく僕を呼んだ。
「…かなで。こっち向いてくれ。」
僕はタカの顔を見上げた。男らしいスッキリした眼差しと、少し肉厚な大きな唇を緩めて、タカは僕をじっと見下ろしていた。
「好きだ、かなで。」
そう甘く名前を呼んで、僕にそっと口づけた。その柔らかで包み込む様なキスは僕の全身を震わせて、ズキズキと興奮させた。僕はしがみつく様にタカの首に手を回して、その先を強請った。
何度もキスしてきたはずの僕たちは、今が本当のキスだったのかな。お互いの気持ちが繋がったキスは熱くて堪らなかったけれど、今までだって僕たちは同じ様な熱いキスをしていた気がする。セフレだった僕達のキスは、本当は両思いのキスだったの?
ふいに部屋の鍵を掛ける音がして、僕はタカの腕の中でぼんやり重い瞼を開けた。目の前のタカはぎらついた眼差しで僕に言った。
「恋人の欲求不満は喜んで解消してやるけど…?」
そういえば、この部屋に入るなりムラムラするからタカに慰めて貰いに来たって、僕が言った事を思い出した。僕は自分でも信じられない事を言ったんだと顔を熱くしながら、タカの胸に額をつけて答えた。
「ばか…。早く解消してよ。」
ベッドに深く腰掛けたタカが、僕と繋いだ手を引っ張って自分の腿の上に僕を跨らせた。僕たちは触れるだけのキスをしながら、少し震える手でお互いの服を剥ぎ取った。目の前の逞しくてなめらかな筋肉が僕のものになったと思うと、撫でてキスするだけじゃ味わいきれない気がした。
タカの唇が僕の首筋をなぞって胸にたどり着くと、僕の身体を引き寄せて、タカの愛撫のせいで少し育った胸のてっぺんを舌で舐めてつついた。僕は呻きながら、もっと強く吸ってとタカに甘えた。
じゅっとタカに吸われるとビリビリと痺れが股間に走って、僕は思わず腰を揺らした。すっかり高まった僕自身とタカの重々しいそれが服越しに触れて、僕たちはまるで申し合わせた様に擦り付け合った。ああ、逝きそう!
僕がそう言ったのか、そう考えただけなのか、僕はベッドに横倒しにされて乱暴に下着ごと脱がされていた。膝立ちになったタカがスエットと下着を引き下げて、猛り切った自分のモノをゆっくり手で何度か扱きながら、僕に尋ねた。
「…準備は?」
僕はクスッと笑ってタカに手を伸ばして言った。
「準備しておけって言ったよね?」
するとタカは急に困った表情で僕に覆いかぶさって、優しくキスして言った。
「あんまり虐めないでくれ。反省してるから。」
僕はタカの目の中に僕への情熱が籠っているのを見つめながら笑って言った。
「僕を喜ばせてくれたら許してあげるよ。」
14
お気に入りに追加
330
あなたにおすすめの小説
処女姫Ωと帝の初夜
切羽未依
BL
αの皇子を産むため、男なのに姫として後宮に入れられたΩのぼく。
七年も経っても、未だに帝に番われず、未通(おとめ=処女)のままだった。
幼なじみでもある帝と仲は良かったが、Ωとして求められないことに、ぼくは不安と悲しみを抱えていた・・・
『紫式部~実は、歴史上の人物がΩだった件』の紫式部の就職先・藤原彰子も実はΩで、男の子だった!?というオメガバースな歴史ファンタジー。
歴史や古文が苦手でも、だいじょうぶ。ふりがな満載・カッコ書きの説明大量。
フツーの日本語で書いています。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
男とラブホに入ろうとしてるのがわんこ属性の親友に見つかった件
水瀬かずか
BL
一夜限りの相手とホテルに入ろうとしていたら、後からきた男女がケンカを始め、その場でその男はふられた。
殴られてこっち向いた男と、うっかりそれをじっと見ていた俺の目が合った。
それは、ずっと好きだけど、忘れなきゃと思っていた親友だった。
俺は親友に、ゲイだと、バレてしまった。
イラストは、すぎちよさまからいただきました。
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる